人と組織の創造性を高める「ワイガヤ フォーラム」

「顧客の立場で価値について語り合う」ワイガヤを通して、人と組織の創造性は醸成されます。

「愛」と「金」のバランス

2015-01-20 18:39:06 | 日記

ビジネスだけでなく、発明や芸術についても「愛」と「金」のバランスをいかにうまく行うかが重要ではないでしょうか?以前、Innovation(革新活動)とOpereation(通常実施活動)で仕事が構成されていることをお話しました。これとほぼ同じ内容です。製造業の生産活動は、「いかに効率化して良い品質の製品を作るか」ですので、アウトプットは無駄、無理を無くしてコストを削減し、利益を産み出すことです。新製品の開発など新しいコトを産み出すためには、無駄や無理を承知で進めなければなりませんが、結果として利益を出せるかは、開発の初期段階では見極めが難しいケースが多いのです。しかしながら、世の中に無い新たな取り組みにおいては、多くの場合見極めができないまま進めなければならない、または断念する場面に必ず遭遇します。  

通常実施活動では、決められたことをいかに効率的に実行するかです。結果は「金」を産み出すことです。ロボットが行う活動であれば、ほぼ「愛」は含まれません。人が手工業でものを作るときは、「愛」を込めて作ることで、良いモノができます。新たなモノづくりでは、効率化を考える余地は少なく、まずは完成を目指します。捧げる相手が喜ぶ価値を産み出すこと(愛)で精いっぱいです。そこには、「愛」で満たされ、儲かること「金」のことを考える余地は大変少ない状態でなければ達成できないでしょう。発明や芸術については、ほぼ100%「愛」で頭は満たされているのではないでしょうか?  

ここで、経営者またはスポンサーの立場からは、「愛」と「金」のバランスを見て投資を考える、ということではないかと思います。見返り「金」のことを重視しすぎると、結果として「つまらないモノ」「改善レベルのイノベーション」「愛の無いイノベーション」になってしまいます。ただ、夢を見すぎて結果が出ないということも考える必要があり、「愛」だけでは投資としては失敗でしょう。常にバランスをいかにとるかが重要で、バランスのとり方は、業界、経済環境等自社の外部環境、内部環境を見ながら見極めていくことになります。開発する本人と投資するスポンサーの人間関係など考えられる要素を総動員してバランスを取っていくことになりますね。

SWOT分析では、現状把握から戦略の方針までは考えられますが、その先は、「愛」と「金」のバランスを考えながら計画実行を行っていきましょう。

問い合わせ先:satoshi_okano@jma.or.jp

  


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