入門介護講座。老人ホームの選び方

元、「特別養護老人ホーム」の施設長が、施設の「選び方」などを、エッセイ風に伝授します。新聞でも紹介されたコラムです。

コラム;おむつ、の話ですが。

2008-06-16 | 特養施設長覚書
 文芸春秋社のPR雑誌「本の話」5月号の60ページ、金子貴一さん「秘境添乗員」を毎回楽しみに読んでいます。でも、この号が「最終回」とか。

 その、最終回ですが、パーキンソン病のお父さんを在宅で介護している《体験記》が載っていて参考になります。
 特に、いろいろな在宅サービスを利用して、なんとか、順調にいきそうだが、毎日、ヘルパー、リハビリ療養士、訪問看護師、医師、歯科医師、食事宅配業者、理容師・・・等々ひっきりなしの「訪問で」、ついに、仕事を縮小せざるを得なくなった、など、経験者ならでは、の観点の記事で、参考になります。
 本屋さんで、多分、無料でもらえますので、お読みになっては如何。

 先日、「コメント」をいただいたように、一般の方は、「特養」のイメージがつかめない方が多いですね。もともと、自分には関係ないこと、と考えていて、問題意識がわかないんでしょうかね。
 
 もっとも、反面、「特養」自体も、時々、「措置時代」の形式の会議などもやっているところも多く、「ああ、措置時代のやり方ですね。」などと会話に出ることがあります。

 ところで、先日、私と同年齢の、団塊世代「一般」の方と介護の話、私の職業の頃の話しをしていましたが、あまり、「のってきません」し、例えば、「ショート、ってなんですか?」と聴かれたりします。

 そうですよね、関係ない方に、「ショート」なんて分からないものな、と「反省」してしまいました。
 また、《養老院》イメージ、それも、それ自体、漠としたイメージで、さらに、どういうわけか、すぐ、「オムツ」に発展、イメージされがちです。

 話がそれますが、そういう一般の方と話していると、すぐ、オムツに話が発展します。その、オムツのイメージも、たいてい、オムツに「おしっこ」、のイメージなんですよね。自分が、オムツをして、オムツに「ウンコ」、(尾篭な話ですいません、)をすることを考えると、もっと、《真剣》にどうすれば「オムツをはずせるか」、に話が行きそうなものですが。

 ある特養は、「おむつはずし」が、得意?で、病院、自宅などでずっとオムツをいていた方も、昼間は、おおむね「はずす」一定のノウハウで、努力をしていました。
 どのような方を、どうしていく、という、「チャート」が出来ているんですよね。これはたいしたもの。

 今は、このような特養が多いですね。こうなってくると、自宅よりも、介護に熟達した「特養」に入所するメリットの、一つがこれ、と考えていいいかもしれません。

 もうひとつ。「日本経済新聞」日曜日に、「彼らの第4コーナー」という連載があり、このところ、「世阿弥」。60歳すぎた世阿弥の生き方など、ためになる記事です。24ページ。

 さらに、もう一つ。佐野洋子「シズコさん」(新潮社)は、昔、子どものころ「虐待」まがいの仕打ちを受けた母親の介護の話。「老人ホームに入った母を、金で捨てた」と悩みますが、だんだんと、母の人生を理解していく話です。
 やはり、新潮社のPR誌「波」に連載されていたものの単行本化です。
 これも如何。

 
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