いなだ眼科のホームページ分院

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「猿恋同志巣?」いえいえ「サルコイドーシス」です。

2005-05-17 15:57:00 | ぶどう膜炎
 色々な、ぶどう膜炎の原因となる病気のお話をしています。今回は、難しい名前の病気です。「サルコイドーシス」と呼ばれるものです。「猿恋同志巣」などと誤変換しないようにしてください。この病気は、ぶどう膜炎の原因の報告のなかでは常にトップ3の中に入っており、決してまれなものではありません。原因不明の多臓器疾患で、眼のかすみ・視力低下・まぶしさ・飛蚊症などの、ぶどう膜炎に伴う症状で発見される場合が最も多いと言われています。他に、皮疹、咳、全身倦怠、発熱、結節性紅斑(触るとやや痛い皮膚の赤い斑)、関節痛などがあります。
 眼科では、まずぶどう膜炎の特徴を詳しく調べます。この診断に特徴的な所見がありますので、それがあるかどうかに注意して調べます。その後、眼以外の症状がないかどうか、採血検査、ツベルクリン反応、胸部レントゲンの検査が行われます。ぶどう膜炎は、眼症状以外の症状や所見をみて、診断がつく場合もあります。特にサルコイドーシスは肺野の所見、皮膚所見、ツベルクリン反応が重要です。眼の病気で受診したのに、どうして胸のレントゲン検査やツベルクリン反応をするのか、疑問に思われることもあると思いますが、このためです。内科では、胸部や心臓等の検査を行い、所見があれば、眼科と連絡をとり治療を行うことがあります。
 眼科的な治療は、主として副腎皮質ステロイド薬を用いて、点眼、局所注射、内服などを行います。他に大事なことは、瞳孔管理といって、瞳が水晶体と癒着しないようにすること、眼圧が上昇することがあるので、眼圧の管理をすること。他の眼合併症に注意して経過観察することです。長期間の管理、治療が必要になる場合がありますので、あせらずに、分からない点や不安な点があれば、主治医の先生と相談しながら、治療を続けていくことが大事です。