技術:横山です。
先日公開された映画「貞子DX」(因みにデラックスでは無くディーエックスと読み、
デジタルトランスフォーメーションの略との事)を観てきました。
シリーズ前作にあたる「貞子」が公開されたのが2019年だったので3年ぶりの新作になりますが
今作はそれまでのシリーズとはかなり毛色の違った作品だったので大雑把に紹介したいと思います。
今作の一番の特徴はホラー映画では無いという事。では何なのか?と言うと恐らくコメディ映画。
「どうやったら呪いを解いて死なずに済むか」ってのが本作の主な目的で、この謎解きに挑むのがIQ200の天才大学院生
「一条文華(いちじょうあやか)」と自称占い師の「前田王司(まえだおうじ)」の二人組(+α)なのですが、
王司の方が強烈なキャラクターをしていて事あるごとに思いついたセリフを決め顔で披露するシーンがどんな状況でも差し込まれるので怖がっている暇がありません。
また、今作の呪いはビデオを見るとその人にしか見えない貞子の幻が見えるようになり、
24時間かけて少しづつ近づいてきて最後には井戸に引きずり込まれて死亡するという流れなのですが、
最後の井戸に落とそうとする貞子との攻防も当人以外にはパントマイム状態で、
クライマックスのシーンにもその描写が入っているので生死を掛けた緊迫のシーンが突如ギャグシーンと化したりします。
こんな感じで、今迄作品外ではプロモーションとして貞子に様々な事をさせていましたが作品としてはホラーとして作られていたわけですが、
今作では遂に本編内にもギャグ要素が多く取り入れられた結果かなりコメディ寄りのホラーになったと思います。
これに関しては賛否両論ある様なのですが、前述の通り作品外で貞子に色々やらせすぎた所為(現在ではyoutuberもやってる)か、
殆どゆるキャラみたいになっている現在の貞子で初期作品の様な怖さを感じさせることはもう無理なんじゃないかと個人的には思うので、
この路線も結構アリなんじゃないかと思いました。
因みに、もう一つシリーズ初の要素として原作が存在しない事があげられます。
今迄内容が全然別物でも原作鈴木光司としてクレジットされていましたが(クロスオーバー作品の「貞子VS伽椰子」は別)、
今作では「世界観監修」という役職となっています。
こんな風にホラーと原作と言う二つの要素から解き放たれた以後の作品もこの路線で行くのか、それとも従来通りのホラーに戻るのか?今後のシリーズの展開が気になる一作でした。
個人的にはオリジナル3部作のリング・らせん・ループをセットで映像化して欲しいですが無理だろうな。