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日々の生活の中で印象に残ったあらゆる場面を大切に切り取っていきます。

『沈まぬ太陽 -御巣鷹山篇-』

2010-04-26 22:28:49 | 読書
著書 山崎豊子
出版社 新潮社
発売日 2001/12

ストーリー 10年におよぶ海外左遷に耐え,本社へ復帰をはたしたものの,恩地への報復の手がゆるむことはなかった。逆境の日々のなか,ついに「その日」はおとずれる。航空史上最大のジャンボ機墜落事故,犠牲者は520名-。凄絶な遺体の検視,事故原因の究明,非情な補償交渉。救援隊として現地に赴き,遺族係を命ぜられた恩地は,想像を絶する悲劇に直面し,苦悩する。



 アフリカ篇はこちら


 自然と涙が溢れてきました


 アフリカ篇からかなり時間が経ってしまって,映画公開もとっくに終了し,近々DVD化されるけど,中断しながらも去年から引き続き読んでいました

 すでに映画を観てしまっているのでその映像化されたストーリーを原作を読むことでなぞっていっている感じですが,やっぱりこの『沈まぬ太陽』のストーリーの要でもあるジャンボ機墜落事故の御巣鷹山篇は全然別物。読んでいて自然と涙がこんなに溢れてきた作品は初めてです。

 海外僻地をたらい回しにされた恩地がやっと日本に戻ってこれたと思ったら,このジャンボ機墜落事故が起こり,恩地はこの事故の遺族係となるのですが・・・。

 この御巣鷹山篇に関しては恩地よりも墜落事故の遺族にとにかく感情移入しちゃうことのほうが多かったです。誠心誠意,自社が起こした最大の悲劇を償うために遺族に接する恩地にもグッとくることはあったけど,やっぱりどうしても遺族側の気持ちだとか起こす行動だとかに涙することが多かったです。

 520名っていうこれだけの人間の生命を犠牲にしておきながら,国民航空の犠牲者や遺族に対する償い方には正直どうなの?と思いました。全然誠意が感じられない社長が辞任するのどうのっていう進退問題を先に決めるよりもまずすることがあるでしょ!って。ジャンボ機の製造社であるボーイング社との責任のなすりつけ合いは読んでいてほんとイライラしました。

 こんな最大な航空機事故を起こした国民航空は今後どうやって立ち直るのか?そして恩地は今後どう遺族と関わっていくのか?

 残すは会長室篇の上下巻だけなので,なんとか中断せず,早いうちに読み終えたいと思います

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