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ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮、同人誌の話他

西南戦争時の電報と風説

2020年01月07日 | 文学・歴史・美術および書評
西南戦争時に新聞記者が現地取材をしたのは史実ですが、
実際は福地桜痴も犬養毅も、私が今描いてる漫画よりは20日ほど遅れて現地に入っています。

これについてもうちょっと解説。


もしも「とある」人物、(身元の怪しいひとでもOKという意味)が
現地に入れるとしたら…

2月の熊本城炎上前位かと思います。
この時期、熊本には探偵だのなんだのの
怪しい情報屋が多く入り込んでいたようです。
勝手に戦況を電報で送っていた。

が、このせいで
全国的に私信での電報は禁止になりました。



電報は早くからあったけど、使えなくなったようです。
熊本は新町に電信局があったけど、火事で焼失、熊本城本営の中に電報局を移動。
以後「軍電」として、戦況報告は軍が一元化します。


新聞各社は電報での情報に不足。
裁判所から呼び出しくらって
勝手なデマを流さないよう言われたんで
ネタがないし。
「どうせえちゅうんじゃ…見てきたらいいのか」
となったようです。

3月初旬以降は新聞記者は
征討総督府の印、許可証持ってないと戦地を歩けなくなります。
つまり、官軍の許可が無いとダメ。
電報は3月8日に伊藤博文が
「電信検査例」を出して私信を取締ります。

福地桜痴は熊本に入るとそのまま官軍のお世話になり、本営に寝泊まり。
(犬養は谷干城と仲良くなるまでは、それなりに取材は難しかったようです)

まあつまり、政府側としては
「ジャーナル」が公正な立場で
民衆の意見も、違った考えも聞くという姿勢とは真逆で
日本中で起きていた明治維新に対する不満については
「一切聞かない」「反対派は徹底的に弾圧」
という姿勢だったのは確かなわけです。

で、これをもし
福地か犬養を主人公にして描くと
官軍視点にならざるを得ない。
そもそも新聞は条例で言論規制されていたんで
「官軍バンザイ」以外言ってはならない。


漫画って何で
どこにルーツあるんだとか
調べてたらですね…
新刊「ペンけん」でも描いてますが
ポンチ絵、英仏の政治批判パロディ漫画だったりします。

それで、私もともとパロディ漫画出身でしてね…

あまり「良い子」の側でないんですね。
いわゆる「お馬鹿さん」なわけです。
賢い人なら権力に従うはずです。

わかっているからきっと
従わない方の、反逆の「夢」があったりして。

反逆の夢、なんですよ。

だから、せめてあえてごく少部数の同人誌でやるわけ。
同人誌なら許してくれるからです。
ありがとう同人誌
ブラボー自由な世界

うちの元気な主人公は
当時なら絶対に出来なかったであろう
アナザー日本を見るため、走ってってしまいました。

別に政治的意図はそう無いのです。
あえてどちらか選べというなら

「自由に考えてみる事を許してくれる」方です。

まあきっとたとえ漫画ですウソです言うた所で
「ウソを書いて広めるな」
と、明治十年の政府側のような人はいるだろうなとは思いますが;

私あと何年描けるのかなとか
つい思っちゃって…
今しか出来ないなら、今やっときたいだけです。

ウソデタラメを描けてしまう;
同人誌ってものが自由に出来る世界に生きれて
本当に良かったなとは思います。

もちろん史実ガン無視は
そこに生きていた人への尊敬の念もあるんでムリなんですがね。


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