Welkom! Amsterdam

ブログを引越ししています。http://nijntjerdam.blog44.fc2.com/
こちらまでどうぞ。

お客様の気持ち

2006-03-29 02:19:13 | Hotel Management

そろそろ、ホテルにお越しになるお客様に、日本人の団体が増えてきた今日このごろ。ホテルを飾る生花も、チューリップや水仙など、どこか春を感じるものが多くなってきた。チューリップが数百万本咲きそろうキューケンホフ公園も、今月の23日に無事に開園したようだが、チューリップが咲いているのはまだ温室庭園だけだ、とのこと(悲)。今年は先週まで氷点下になることもあった寒い冬だったため、例年だと一番の見頃となる4月上旬も、今年は4月下旬、または5月初めがおすすめになりそうだ。それにしても、サマータイムになったとたん、sunsetがどんどん延びているのが感じられる。いまでは20時前まで明るくなってきた!く~っ待ちに待ったこの季節

今日はすこしだけ嬉しかったことを書き留めておきたい。ホテルで働いていて、わたしが一番やりがいがあると思うのは、お客様に名前と顔を覚えてもらえること。「ありがとう」「またくるよ」といった感謝やお礼の言葉をいただくのももちろん嬉しい。しかし、たくさんのスタッフがいるなかで、自分の名前と顔を覚えていただくことは、自分がそのお客様の心をつかんだというバロメーターにもなるのだ。これは、サービス業全般に言えることだけでなく、あらゆる仕事においてあてはまることだろうが、わたしはこのやりがいを得ることができる仕事ならなんでもトライしてみたい、とも思う。そういう意味では、さまざまな人と出会い、話をして楽しむ仕事が向いているのだろう。

私自身のことを言えば、人と話をするのが特別得意ではないし、サービス業をしていながらに、人見知りをすることだってある。仕事をしていると自分の性格がよく分かるようになる。そして、この仕事が自分にはもしかしたら向いていないのかもしれない、と悩むこともある。そんな悩みを吹き飛ばしてくれるのは、やはり仕事場で出会うお客様や同僚たちなのだ。そんなときは、この仕事を続けていてよかった、と思う。

最近、仕事のことでいろいろ悩んだことがあった。自分には接客業は向いていないのかもしれない。そう落ち込んでいたとき、ある日本人のお客様から、わたしあてに、こんなものを頂いたのだ。

なんと、日清食品のUFO焼きそば2箱24カップ(爆笑)。

ちょうど、わたしは仕事が休みの日だったのだが、「○○さん(わたしの名前)と皆さんに。前回お世話になったので」と、手荷物として飛行機の機内に乗せ、わざわざ日本から持ってきてくださったのだ。オランダに来てからカップ麺を食べる機会も全然なかったし・・・いや、それだけではなく、こうして持ってきてくださった「お客様の気持ち」が、ものすごく嬉しかった。そんなささいなことが、自分の糧になるように思う。頑張らないと!ガッツ(笑)!と気を持ち直すきっかけになった。

みなさんは本当にさまざまなお仕事をされていらっしゃると思うが、どんなことに悩み、またそこから立ち直ったり、やりがいを見つけたりされていらっしゃるのだろう。

**********************************

ブログのデザインも、すこし春らしくしてみた。正直、あまり気に入ったものがなかったのだけれど・・・現在もブログの心機一転を思案中。そのさいはどうぞよろしくお願いいたします


糊しろをなめる、の巻

2005-11-27 03:35:09 | Hotel Management

オランダで仕事を始めて以来、数々のオランダ人の行動に度肝を抜いていたが、それも渡蘭した当初の話で、郷に入れば郷に従え、という言葉どおり、徐々にオランダの社会に溶け込んでいく自分が恐ろしくもあり、成長したなと感じることもある。

それでも、これだけは自分の中では許せない、ということがひとつある。それは、

封筒の糊しろをなめて貼る、という行動。

日本では、郵便物を封するとき、切手を貼るとき、必ずといっていいほど糊つけ用のスポンジを使う。郵便局にいけばカウンターに置いてあるし、ましてや銀行マンは普段の仕事上欠かせないものであろう。

しかし、オランダ人は封筒でも切手でもなんでも、糊がついているものには舌を出して糊付けをするのだ。ある同僚は、すこし上品にも、舌をちょん、ちょんとつけて糊付けする。ある同僚は、大胆にも、封筒の右から左にベロベロになめて封する。職場の会計デスクでは、1日3回のシフト制になっていて、シフトの交代時になると、お金を締めるのだが、そのたびに、オランダ人の同僚が現金袋をなめて封しているところを目撃せざるを得ないのだ。それも、誰かが目の前にいても、何も気にしない。ベロベロ。その光景をみると、目を背けたくなる。

肝心なことに、ここオランダには、そんなスポンジはどこにも売っていない。そこでわたしは日本から100円ショップで購入してわざわざ持ってきたのだ。それでも、いつでも携帯しているわけではないこのスポンジ。あるとき、封筒を封しなければならないのに、手元にスポンジがなく、仕方なくそっとなめて見た。妙に味が気になる。

まずい・・・まずすぎる・・・

それ以来、どうしても必要なときはバックオフィスの飲み水タンク、あるいはルームサービスの水道口まで小走りして糊付けすることにしている。

日本の100円ショップで買ったスポンジは、ここでは最高級品だ。

 


お辞儀から名刺交換へ

2005-07-25 01:17:26 | Hotel Management
先日、Chietjeのお家へ遊びに行ったときに、トミ夫さんとの会話で盛り上がった話から。日本と欧米におけるのビジネスマンの挨拶の仕方について注目してみた。

日本人ビジネスマンの挨拶の仕方は、「お辞儀」をし合う。「おはようございます」「いつもお世話になっております」。4,5人が輪になって、お互いにお辞儀をしながら挨拶言葉を交わす。一方で、オランダ人のみならず、欧米人の挨拶の仕方はまず握手をしあうのが普通だ。

そもそも「お辞儀」とは何か。語源は「時宜(じぎ)」から来ているらしく、「ちょうど良い時間・頃合」の意味から、時間という意味は薄れ、「物事が成立するのにちょうど良い状況・事態」の意味になったという。それが、相手に配慮を与える動作として、広く一般に使われるようになったらしい。「辞儀」という表記に変わったのは江戸時代に入ってからのことだ。

日本人のお辞儀の習慣は、オランダ人には異様に見えるらしい(笑)。よく、オランダ人の同僚たちが日本人のまねをする動作が、お辞儀をしながら、「はい!はい!」という動作。なんだか馬鹿にされているように感じることもあるが、お辞儀だって立派な日本独自の習慣なのだ。

また、初対面同士なら、日本人であれば、お辞儀をしながらまずは名刺を差し出す。日本人は名刺が自分のステイタスであり、明確なポジションを示すものとして提示する傾向にある。ホテルの宴会では、「名刺交換会」なるものがあるが、これは日本独自のビジネスコミュニケーション方法であり、欧米人には理解しがたいものらしい。また、自分の名刺を下にして出すのが基本で、相手が下に出してきても自分がまた下に出さなければならない。「どうぞ」「いえいえ私こそ」…なんだかいじらしい。

一方、欧米では、初対面であっても、最初に名刺を差し出すことはあまりなく、むしろ、最後に「それではこちらにご連絡ください」程度に差し出すだけ。名刺はあくまで「連絡先」を相手に教える便利なカードなのだ。オランダで仕事をしていると、名刺の効力があまりにも薄くて、日本にいた頃はあれほど固執していた名刺の中身に、こだわりを持てなくなってしまった。

リネン室

2005-07-11 08:49:32 | Hotel Management
こっちのホテルで働き始めてから、なにかとお世話になっているリネン室。日本にいた頃も制服のクリーニングにリネン室をよく訪ねていた。でも、ひとつだけ、ここアムスではこんなこともお願いしている、ということが…

それは、ボタンの縫いつけ。日本にいた頃は、ボタンが取れたら「自分でつける」のが常識であった。ボタンが取れているのが見つかれば、上司から「更衣室いってつけて来なさい」と、中学生のごとく指示されていた。しかし、ここはオランダ。事務所でほそぼそと取れたボタンを制服に縫いつけていたら、"What are you doing here? Just ask linnen room to do it."

そこで、リネンへ申し訳なさそうに持っていくと、"No problem!" といっては制服の番号を控えさえて、と書き留めてくれた。来た当初は、「いいのかな…」とどきどきしていたが、オランダでは当たり前。

つまり、これは「リネン室の仕事」なのである。

基本的には、オランダ人は自分の仕事「しか」しないし、これはリネン室の仕事であって、わたしのする仕事ではない、と。どうしてって、リネン室のおばちゃんはみなそれで給料もらってるんだから、と。ん~、確かに納得。

この、「自分の仕事しかしない」ということの根拠には、日本では自分ですることが常識であることが、ここではビジネスとして成立しているのだ。これは、リネン室だけに言えることではない。バックオフィスの清掃は、ハウスキーピングが朝5時に来て掃除してくれる。PCからデスクまで拭いてくれる。これも会社がハウスキーピングにお金を払っているから当たり前。また、街中のことを言えば、オランダ人は平気で道にごみを捨てるが、それを清掃する会社が(オランダの多額の税金から?)給料をもらって清掃しているのだから、ごみは道に捨てておけばよい、そんな感じである。それでも、もう少し、町の美化に協力しようという気はないのか、と思う

仕事そのものにも日本とのギャップを感じるが、こんなささいなことも、オランダ人と日本人の考え方の根本そのものに相違があるようだ。

体重計をかしてもらえますか、の巻

2005-05-12 23:23:24 | Hotel Management
日本人の団体客がたくさん渡蘭している。いまがちょうど日本のGWの時期もあってピークを迎えている。その団体のお客様、たいていはいい方なのだが、問題は何を隠そう、旅行会社の添乗員である…

旅行会社の添乗員、またの名をツアーコンダクター。たくさんのお客様をまとめ、海外を飛びまわれる素敵なお仕事だと思うのだが、わたしたちホテルマンにとってはある意味の超VIPであり、また曲者である(笑)。なにせ、添乗員というのは、お客様からのあらゆる無理難題を受け入れ、それができないかとホテルに依頼してくるのだから。ストレスのはけ口をフロントスタッフにもってくるものだから困る。えらそうな添乗員、口の悪い添乗員、ひとりで怒り出す添乗員…。

そのなかでも、今回面白い要望がひとつ。

「体重計を数部屋にご用意していただけませんか。」

何?何で?何に使うのか。聞いてみると、お客様が日本に帰るのに、スーツケースの重さを事前に測っておきたいので、というのだ!ご存知、機内に持ち込む荷物の重量は一人当たり20kgまで。それ以上になると、重量にあわせて追加料金をとられる。団体客とはいえ、ひとりひとり測ってはオーバーしているとそれだけ時間もかかるし、お客様からの苦情も増える。(えーやん10kgくらい、添乗員さん、など言われるんだろうな…)

とはいっても、うちにあるのは一番大きいスイートにひとつと、在庫が数台のみ。前回に来られたときに、結局ホテル内にある体重計をすべて貸し出すことになった。のだが、この旅行会社の団体様、4月から60部屋120名を送り込んでいただき、今回3回目。すでに2回目の団体様が来られた時点で、すべての体重計は壊れてしまっていた!そりゃ、そうだよ。おじいちゃんおばあちゃんが、よっこらせと重いスーツケースを持ち上げ、120人が体重計に乗せていたのでは、まちがいなくいつか壊れるって(涙)。それでも、しつこく添乗員はきいてくる。「なんとかなりませんかね?」結局壊されたことに対して、ホテルは旅行会社にも請求できない(相手側が壊したという証拠がないから)。来年からは旅行会社にご用意してもらうことに…でも、本当に体重計をはるばる持ってくるんやろか。

日本人のお客様、お土産を買いためてもって帰るのが大好き。きっとたくさん買って帰るんだろう。スーパーに、ふだんは見かけない日本人の姿を最近はちらほら…。デルフト焼きのお皿、実際はける木靴、チューリップの球根、チーズにミッフィーちゃん。たくさんお土産詰めたら、今度はもって帰るのに一苦労ですね。ご来蘭、ありがとうございました