毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

正岡子規の布団

2011年07月28日 | きもの
愛媛の野村町に打ち合わせに行ったついでに
電車の待ち合わせ時間有効に使いました
まず子規堂に行った話

子規は近代俳諧の世界では帝王です
しかし36歳の若さでなくなったのですが
その病の原因は「食べすぎ、おおぐらい」
ま、そのあたりの話はまたの機会に

子規の晩年は病に伏せる毎日でした
その子規の体を心配して親友の秋山真之は
子規に羽根布団を送ります

明治時代では大変高価であったでしょう
其れだけ秋山眞之は子規の体を心配したのです

その子規堂に羽根布団の端切れがはってありました
更紗柄の絹です
当時ですから南蛮輸入のものですね
明治に入って輸入が自由化されたとき
その時代の人たちは更紗柄に飛び付きました

秋山眞之は海軍でしたので
こういう流行ものには目が早かったのでしょうか

その羽根布団の額縁布も赤い更紗の絹で
そこまで心を尽くす友情に涙しました

秋山眞之を密かに恋していた子規の妹は
子規がなくなった後
この布団の布を暫く羽裏に使っていたようです

解説には書いてはいませんが
妹の写真を見ると明らかに羽裏に使った柄に目が止まりました
ーーーーー切ない