伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

「南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学」中公新書2672の読書会を継続中です

2022-02-15 07:24:57 | 続・温暖化いろいろ

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zoomで毎週月曜19時から1時間の読書会を始めています。本を買ってご参加ください。

https://us02web.zoom.us/j/4665096243?pwd=WEVkRXR2RDJqb2lNK0Jpc0M4MmZKQT09


●目次 

はじめに 

 

第1章 「地球最大の氷」の実像   南極氷床の基礎知識 

第2章 南極の氷の変化をどう知るか  IPCC報告書から最新の観測手法まで 

第3章 崩壊する棚氷、加速する氷河  いま「氷の大陸」で何が起きているか 

第4章 南極の異変は私たちに何をもたらすか  氷床融解が地球環境に与えるインパクト 

第5章 気候変動と地球の未来   100年後の氷床変動シミュレーション 

終章 そして私たちは何をすべきか   “最悪のシナリオ“VS科学と社会の力 

終わりに 

図版出典一覧 

主要参考文献 

 

●本の構成でわかったこと 

1章で用語定義、2章で観測手法の解説、に加えて3章の2019年IPCC海洋・雪氷圏特別報告書で分かったこと解説までが一つのセットになっています。 

4章では及ぼす影響について、ここでティッピングカスケードの起点となりうる メカニズムが紹介される。 

5章では将来予測とシミュレーション。ここでこれからの8年のコース選択 (RCP2.6かRCP8.5か)の結末が描かれています。2300年に10メートル級の海面上昇 もありうる(=2150年までに5メートル級のことか)という結末は、(ルパート・ リードの云う)ディープアダプテーションの理念をどう作るべきかについての示 唆に富む内容です。 

終章で初めてIPCC第6次評価報告書によるアップデートの話が出てきます。 

かっちりストーリーが流れる様に章立てがされているようです。 

 南極研究の面白さなど、著者が本当は書きたいだろう部分は、僅かなコラムでだ け紹介しているよう。 

 

●読み解き 新しいものは何か? 

 最新の知識整理、何がわかっていないか 

 

●参加者の知りたいことは何か? 

 スウェイツ氷河の亀裂報道から懸念を感じている、ものとして

…すでに「この」ティッピングポイント(臨界点)は超えて、天秤は傾き始めている、とする科学者の現状認識を読んでいきましょう。 

「パインアイランド氷河とスウェイツ氷河ではすでにそのような作用が始まっており、「ティッピング・ポイントを超えた」との表現がしばしば使われる。」P.78 

「後退が始まった西南極の氷河はすでに「ティッピング・ポイント」を越えて、後戻りできない後退のループに入ったとする声が大きい。東南極のトッテン氷河やデンマン氷河でも、今後同じような「不安定性」のスイッチが入る可能性がある。」P.161  

 

第1章では

P.8 氷河とはなにか

P.9 氷床とはなにか

P.14 南極にある氷の量はどのくらいか

P.18 南極氷床の形

P.22 棚氷とはなにか

P.24 意外と雪はあまり降らない南極

P.26 図 南極氷床の変動に関わる主要プロセス

P.28 海へと向かう氷の流れ

P.30 南極ではそんなこともわかっていなかった

第2章では

第2章 南極の氷の変化をどう知るか   IPCC報告書から最新の観測手法まで

P.35 「2500ギガトン」のインパクト

P.36 IPCCとはなにか

P.38 IPCC第三次評価報告書ーマイナスの海水準上昇とは

P.39 IPCC第四次評価報告書ー観測技術の進歩

P.40 IPCC第五次評価報告書ー表明された「強い確信」

P.42 氷の減少傾向を示すデータ

 3種の計測手法その1

P.43 人工衛星による標高測定

P.46 氷床の高さ≠氷の厚さ

 3種の計測手法その2

P.49 地球の重力異常

P.50 重力観測衛星GRACE

P.52 重力測定の長所と短所

P.53 氷河性地殻均衡(アイソスタシー)

 3種の計測手法その3

P.54 インプット・アウトプット法

P.56 領域気象モデル

P.57 氷の流動速度の測定

P.58 氷の厚さと測地線の測定

P.59 インプット・アウトプット法だけにできること

 第3章3節まで

P.66 IPCCが示したデータ

P.67 急激に失われる氷の実態

P.70 図3-2南極氷床の全質量の変化、および表面質量終始と氷流出の寄与

P.71 パインアイランド氷河の異変

P.74 棚氷の変化と氷河の加速

P.75 常識を覆す急速な氷床変動

P.76 南極氷床の「泣きどころ」

P.77 海中に溺れる氷河

P.79 東南極に見出された脆弱性

P.80 目を覚ます「眠れる氷の巨人」

第3章最後まで

P.81 前代未聞の棚氷崩壊

P.83 支えを失った氷河の加速

P.86 異変の始まりーまとめ的な記述

P.88 海による侵食

P.89 アイス・ポンプ

P.91 「暖かい」海水の流入

P.93 明かされた底面融解の実態

第4章 

南極の氷床の融解が他に及ぼす影響について

p.103 1海面上昇(海水準上昇)への影響

p.111 2海洋大循環への干渉(ティッピング・カスケードとなる因果関係の1つ)

(2節の途中まで進みました。ここまで図のグラフの見方を説明しました。)

p.124 3気象・気候への影響 大気の循環に与える影響

p.129 4大陸の上昇・沈降の昇降に関わる影響 

1については、過去ブログ記事、

不都合な真実」の6メートル海面上昇予測はトンデモ説か? 温暖化いろいろ終了アーカイブ

を、2については、過去ブログ記事、

温暖化を描いた映画「デイアフタートゥモロー」 温暖化いろいろ終了アーカイブ

を参照ください。

 過去の拙終了ブログ記事のまとめ的なものはこちら。  温暖化いろいろ終了分アーカイブより、特選記事の紹介

・・・と読み進めています。

過去の縄文海進については、4の実例として言及されています。第四紀学

第5章 2氷床の未来を予測する まで終わりました。

予測よりも前の実績について、南極のアイスコアから80万年前まで遡れる氷期ー間氷期遷移についての話がいろいろ広がりました。本「温暖化の発見とは何か」をお読みください。 「正統」派の論点整理と論拠 もどうぞ。

 


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