伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

中越沖地震からの教訓

2010-02-08 06:15:30 | 原発震災関連
 東電の柏崎・刈羽原発は2007年の中越沖地震(M6.8)で全基が止まり、今も運転再開されたのは確か7号基だけという状況です。
その震源活断層についての論争をまとめた記述を紹介しておきます。

変動地形学から:佐渡海盆東縁断層をめぐる議論と活断層評価の問題点
渡辺 満久(東洋大学社会学部)
http://www.sugenami.com/kashiwazaki_kariwa/kkleaf0502-6.pdf

 末尾のまとめがすごいです。

”原子力施設建設の安全審査に関わる本質的な問題のいくつかを,下記のように整理することができよう.
・間違った方法で活断層を認定し,その評価を行っている.
・判断のすべては審査委員に依存し,間違いが見過ごされることが多い
・間違いだとわかっても原因解明と再発防止がなく,今後も改善される保証がない.
・そもそも,科学的ではなく,政治的に評価が行われる.
・施設の存続に合意するという前提で,「専門家」による評価が行われる.

 すでに原発は建ってしまったから、「安全である」と政治的なお墨付きを与えることが、専門家の役目となってしまっている、と批判をしているのです。


 さて、伊方原発との関係ですが、高知大の岡村教授が求めている伊方沖の中央構造線活断層帯の深部構造探査について、四電も県も、国もその必要性を否定しています。
 そして持ち出すのが、音波探査記録のグラフであり、それを見ると2,3キロよりも深い箇所には活断層として見えるものはない、という主張です。

 上の文章を見ると、
 ”2007 年中越地震の本震位置(B-B' 断面深部)において,音波探査記録に断層構造は見えない.しかし,その地震を引き起こした活断層は必ずある.”
という知見については、国・東電側の学者と、反原発側(本人はそうではないとしていますが)の学者との間で意見が一致しています。
 つまり断層の構造については、音波探査で見えないことは必ずしも当てにならないという実例となっているわけです。

 伊方沖の最短距離6km先を横切っている断層帯が、伊方原発の側にもぐりこむ傾斜がついていないということを明らかにするためにも、岡村教授が主張している深部構造探査はぜひともやってもらわなければなりません。

 先日の県の安全管理委員会の場では、四電が鉛直から10度程度もぐりこむ方向の傾斜の場合の断層モデルを示して、想定の範囲内であるとしたものの、その角度は適当に想定したものにすぎませんから。


中越沖地震(Wikipediaより)

発震:2007年(平成19年)7月16日 月曜日 10時13分23秒
震源:新潟県上中越沖(新潟市の南西約60km)
震源の深さ:約17km
地震の規模:マグニチュード6.8(モーメントマグニチュードは6.6)
最大震度:6強 新潟県長岡市(小国町法坂)、同柏崎市(中央町・西山町池浦)、同刈羽村、長野県飯綱町三水地区
非公式ながら柏崎刈羽原子力発電所敷地内にある地震計1基において震度7(計測震度6.5)を観測。
最大加速度:新潟県柏崎市西山町池浦:1018.9gal(全方向合成)[6]
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