カイロからマドリードまで夢がゆく

エジプトで働きつつスペインのMBAで学び
卒業後は日本で働いています

Wall Street Journal Blue Feed, Red Feed

2018年10月22日 | 議論する力
昨日の記事で、Facebookによる"echo chambers"現象について書きましたが、当時この現象をわかりやすく説明したものの一つが、ウォール・ストリート・ジャーナルの"Blue Feed, Red Feed"だと言えるでしょう。

BlueとRedはそれぞれ民主党と共和党を表すトレードカラーですが、それぞれの政治的趣向を持つ人たちのFacebookフィードには、どういった記事が表示されるのか、両方をリアルタイムに横に並べて表示するページ"Blue Feed, Red Feed"をWall Street Journalは2016年5月に作り、公開しました。

米国では国民の世論を二分する政治課題が明らかだからできる技なのかもしれませんが、公開から2年半経った今も、特に"Immigration"のをテーマにしたページなどでは、以下のスクリーンショットのように、全く論調の違う記事が、政治趣向の異なる人のFacebookフィードで表示されていることがわかります。



毎日毎日、自分の政治的趣向に合った記事ばかりスマホの画面に表示されていれば、どんどん自分の考え方、世界観が硬直的になっていきます。
ともすれば、流れてくる記事の中に、真偽の不確かなものもあるでしょうが、一連の耳障りの良い情報のフローの中では、それもそのまま信じてしまうリスクもあります。

ふと、その「温室」から引っ張り出され、普段触れることのない考え方に出会った時、その刺激に寛容になれればいいですが、自分の「温室」を守ろうとして、信じている世界観を他人に押し付けたり、ヒステリックに他人を攻撃してしまうこともあるでしょう。

定期的に自分と異なる考え方に触れる機会をもつ。
これは億劫なことですが、自分自身のためにも必要なことです。
勉強会に参加するなども含め、多様な形で実践できることだと思います。
そしてそのうちの一つで、効率的かつ効果的なやり方が、議論だと思うのです。


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