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シザーハンズ(映画)

2012-03-06 01:35:00 | 映画
今回の記事は『シザーハンズ』(1990年、監督:ティム・バートン)です。
鬼才ティム・バートン監督が贈るラブ・ファンタジー。独特の幻想的な映像美は素敵で、美しくも切ない現代寓話として仕上がった本作は紛れも無い傑作です。
その後すっかりバートン監督の映画の常連となるジョニー・デップとのコンビ第一作としても記念すべき作品でしょう。
第2回午前十時の映画祭上映作品。

■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
エドワード(J・デップ)は発明家の博士によって生み出された人造人間だ。
だが、完成直前に博士が急死してしまった為、彼は両手がハサミのままこの世に残されてしまう。
ある日、街に住むボッグス一家の母ペグが化粧品のセールスにと山の上の屋敷を訪れ、その両手がハサミの青年エドワードを気に入り、家に連れて帰った。
エドワードはそのハサミを使って植木や奥さんたちの髪の毛をおしゃれにカットし、一躍人気者に。
最初はエドワードを毛嫌いしていたペグの娘キム(W.ライダー)も、彼の優しさに次第に惹かれるようになるが……。

あなたを抱きしめる事は出来ない、
なぜならば、あなたを傷つけてしまうから。


シザーハンズ

シザーハンズ

シザーハンズ


■感想
映画のヴィジュアルで魅せることのできるティム・バートン監督は流石だなと思った。
ティム・バートン監督の十八番と言えば、やはりその独特で幻想的な映像美だろう。
その本領発揮はまだ先の作品だと思うのですが、シザーハンズの映像も間違いなくセンスが高い。
エドワードが住むどこか不気味な城のシックな色合いが見せる美しさ、そうした不気味な城に似つかわしくない様々な動物の形に刈りこまれた植木の楽しさ、カラフルな家々と同じくカラフルな車(パステルカラーというところがオシャレ)、エドワードの顔のどアップに彼が刈った髪の毛が舞う演出、氷のカッティングによりそれが幻想的な雪へと変わるシーン。
こうした魅力的な映像の数々がこの映画を現代の寓話と言ってもいいようなファンタジックな世界観へと高めている。

博士の超個性的なお菓子製造装置は『チャリチョコ』を彷彿させたり、現代寓話的なこの作品のストーリー性は、これまた現代のおとぎ話を美しい映像で描いた『ビッグ・フィッシュ』をイメージさせたりと、以降のティム・バートン作品へと繋がる要素がたくさん散りばめられているので意識してみるとちょっと面白いかも。

ちなみに『シザーハンズ』は今ではすっかりお馴染みとなったティム・バートン監督とジョニー・デップの2人のコンビによる最初の作品です。記念すべき作品でしょう。
実はティム・バートン監督は初めて会ったときのジョニー・デップは箸にも棒にもかからない程に下手な役者だった語ったそうです。しかしその後の二人の名コンビぶりからして、バートン監督はこの作品で役者としてのジョニーの才能と気質にそうとう惚れ込んだに違いない。
実際この映画でのジョニーの演技は下手とは無縁で、表情の作り方に関してはとにかく上手かったと思う。

この映画ではジョニーの顔のアップがすこぶる多いのですが、そのどれもが彼の不安や戸惑い、楽しさや怒り、そして悲しさや寂しさいったエドワードの感情を見事に表現しています。
感情爆発という大げさな演技ではなく、どこか控えめな表情の作り方が、エドワードの純粋無垢さと孤独さを上手く観客へと伝え、大きな共感を与えてきます。
後半の残酷な現実の仕打ちがエドワードへと向けられて以降は、彼の寂しそうな表情が悲しくてたまらない。
ハサミの手でぎこちなくキムを抱くシーンの彼の瞳があまりに切なすぎて思わず目頭が熱くなってしまう。
やっぱりジョニー・デップは凄いです。

映画の脚本・演出面も上手です。
人間の持つ心優しく好意的な一面と、身勝手で残酷な一面という対極的な二つを上手く物語に混ぜている。
展開としてはシンプルだけど、そんな二つの面に接し、結果傷つけられてしまうエドワードの姿に言いようなない哀しさを強烈に感じます。

警官の優しさはかっこ良かった。
結末はけっこう残酷だと思うのですが、こういう切ないテイストの映画は好きだな。

ヒロインを演じているウィノナ・ライダーも可愛かった。

↓予告編・字幕なしオフィシャルHD版


映画データ 
題名 シザーハンズ 
製作年/製作国 1990年/アメリカ 
ジャンル ファンタジー/ロマンス 
監督 ティム・バートン 
出演者 ジョニー・デップ
ウィノナ・ライダー
ダイアン・ウィースト
アンソニー・マイケル・ホール
キャシー・ベイカー
アラン・アーキン
ロバート・オリヴェリ
ヴィンセント・プライス
コンチャータ・フェレル
ビフ・イェーガー
ジョン・デヴィッドソン
キャロライン・アーロン
ディック・アンソニー・ウィリアムズ
オーラン・ジョーンズ
スーザン・ブロンマート
リンダ・ペリー
ジーナ・ギャラガー、他 
メモ・特記 第2回午前十時の映画祭上映作品

英国アカデミー賞:プロダクションデザイン賞受賞 
おすすめ度★★★★☆
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒シザーハンズ - goo 映画

+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧

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