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ナバロンの要塞(映画)

2011-05-07 23:23:00 | 映画
今回の記事は『ナバロンの要塞』(1961年、監督:J・リー・トンプソン)です。
ギリシャ・ナバロン島の大砲を破壊するため敵地へ潜入する特殊部隊を描いた戦争アクション映画の傑作。
重厚な人間模様と潜入任務に当たる特殊部隊の緊迫した冒険活劇がマッチした娯楽大作であり、J・リー・トンプソン監督の最高傑作との賛辞を受けている。
第2回午前十時の映画祭上映作品。

■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
第2次世界大戦中、エーゲ海のケーロス島でイギリス兵たちが生命の危機に瀕していた。
エーゲ海はドイツ軍に制圧され、加えてナバロン島の2門の大砲がイギリス軍による救出活動を阻んでいたのだ。
そこで、フランクリン少佐は少数精鋭でナバロン島の絶壁を登って基地に潜入し、大砲を破壊するという作戦を立てる。
そして登山家のマロリー大尉(G・ペック)や科学者でもあるミラー伍長(D・ニーヴン)などの5人が選抜され、少佐を隊長とする潜行チームが嵐の夜にナバロン島へと向かう。

ナバロン島の要塞の攻略を命じられた6人の精鋭たち。
連合軍の運命は、彼らの力量と勇気にかかっていた…。


ナバロンの要塞

ナバロンの要塞


■感想
第2回午前十時の映画祭は上映作品のチョイスが渋い。
なんだかそんな印象を受けます。
第1回は誰もが知ってる名作がラインナップの大部分を占めていたのと比べるとじゃっかん趣が異なる感じがします。
けれど第2回の上映作品も名作であることは同じで、古き良き名作を知る良い機会であることに変わりない。

『ナバロンの要塞』は重厚なドラマ、人間模様が描かれていて面白かったです。
この映画を観ると、「戦場においても人は殺すべきではない」なんて甘い偽善は吹き飛んでしまう。
もちろん倫理的に言えばどんな理由があろうと人を殺すことは善ではないのだろう。
しかし戦場においてはそうも言ってはいられない現実がある。
殺さなければ自分が殺られるのだ。
仲間に多大な被害が出てしまうのだ。
これは戦争の悲しさだと思う。
その為、指揮官は全体のことを考え、時に冷酷な行動を取らなければならない。
そのことでまわりからは人間性を疑われ、自分自身でも自己嫌悪に苛まれてしまう。
この映画でもそういった指揮官の孤独がしっかりと描かれていて、いろいろと感じ入る所がありました。

敵地潜入というサスペンス展開はドキドキさせられ、映像も迫力があって魅せられました。
敵の車に乗り込み、敵要塞内へ入り込むシーンはリアリティある映像で迫力満点!
最悪の天候の中での断崖登頂、戦地における村の中での人々の温かい交流、疑心暗鬼から生ずる仲間内での亀裂、多くの困難と悲しみの中で次第に生まれる一体感、タイムリミットが近づく中での任務達成(=要塞の爆破)なるかという緊迫感。
物語の展開には一部の隙もなく、映画を面白くする要素が完璧に詰まっている。
これは面白い。
戦争映画にしてはバッタバッタと人が死んでいかないのも個人的には好きです。
(もちろん死んでしまう人もいますが…)
アンドレア・スタブロス大佐が不思議な魅力があって良かった。(内容紹介画像2枚目の右のヒゲの人です)
何というか、ひょうひょうとしているのだけれど、しっかりとした自分の世界というものを持っている、そんな印象を受けました。

映画データ 
題名 ナバロンの要塞 
製作年/製作国 1961年/アメリカ 
ジャンル 戦争/アドベンチャー/サスペンス 
監督 J・リー・トンプソン 
出演者 グレゴリー・ペック
デヴィッド・ニーヴン
アンソニー・クイン
スタンリー・ベイカー
アンソニー・クエイル
ジェームズ・ダーレン
イレーネ・パパス
ジア・スカラ
ブライアン・フォーブス
ウォルター・ゴテル
ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス
リチャード・ハリス
アラン・カスバートソン
パーシー・ハーバート
アルバート・リーヴェン、他 
メモ・特記 第2回午前十時の映画祭上映作品
原作:アリステア・マクリーン

アカデミー賞:特殊効果賞受賞
ゴールデン・グローブ:作品賞受賞 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒ナバロンの要塞 - goo 映画

+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧

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