Humoreske(小噺ひとつ)

ここでおひとつ、小噺をひとつ。
フモレスケはユーモアからきたことば。

ミス・ポター

2007-09-17 | 映画♪DVD噺
早起きしちゃって、時間を持て余したので(苦笑)
朝一の回の映画を近くの映画館に見に行きました。

実は、今特に見たいものというのはなくて、
9月後半から始まる「幸せのレシピ」とか「エディット・ピアフ」
などを楽しみにしているので、何もここで見なくても
良かったのですが…。

見たのは「ミス・ポター

ピーター・ラビットの作者ビアトリクス・ポターの
物語。ブリジット・ジョーンズのレニー・ゼルヴィガーが
ポター役。相手役はムーラン・ルージュのユアン・マクレガー。

前にやった役のイメージが引きずって
ユアンのニコール・キッドマン相手のあの感じと
レニーのシカゴのあの感じが、ピーター・ラビットと
結びつかなくてどうなんだろうなぁ…って思っていたのですが
最初の違和感こそあれ、しまいにゃまったくそんなことは
忘れ、レニーはもはやまさにミス・ポター…でした。

この映画、なんと言ってもイギリス湖水地方のほんとのほんとの
ほんとーに美しい景色が、心に「すがしく」、自分の心が
湖面になったかのようにその景色が映し出される感覚が素晴らしい!!

小さい頃、実はピーター・ラビットやベンジャミンバニーや
ジマイマは好きだったけれど、蛙やキツネ、ハリネズミなど
ポターの絵は、リアルすぎて、怖かったので、ものすごい
ピーター・ラビットファンではありませんでした。
けれど、映画の中で映し出される本物の動物たちを
写し取ったようなピーターたちに心から納得。
子供だましの絵柄ではなく、動物そのものの愛らしさ、
愛くるしさを描いていたことを感じさせられます。

映画のストーリーはミス・ポターの
ピーター・ラビット出版に至るまでの
職業婦人として生きていくにあたっての両親との確執や、
恋、友情、そして結婚までの道のり、別離、
そしてピーターの故郷である湖水地方の開発からの
保護活動に至るまでの半生を描いていますが、
封建主義の残る当時のイギリスで、良家の子女が
職業婦人として働くことへの蔑視、独身でいることの
肩身の狭さなど、「等身大」な感じで描かれていて
今の女子にも充分に親しみがもてるはず。

運命の相手と出会い、恋に落ちて、
愛を深め、思いがけぬ別れを迎えるあたりは
心情表現が共感を呼ぶもので、映画館の中から
すすり泣きが…もちろん私もなんだかタオルが
ぐっしょりするほど涙出てました。


それでもやっぱりなんといっても
イギリス湖水地方の景色が最高に素晴らしいので
映画の映像そのまま風景画みたいに切り取られて
心に残ります。


期待していたよりも、面白かったかも。


空想家の絵の上手な女の子が作った
青色の上着を着た野うさぎとその仲間たちが
多くの子供たちを幸せにし、
その野うさぎたちのふるさとを
ひとりの立派な職業婦人が守り抜いたという
美しい話…。

心にすがすがしさを求めるならば、お勧めしましょう。



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