Humoreske(小噺ひとつ)

ここでおひとつ、小噺をひとつ。
フモレスケはユーモアからきたことば。

コーラスラインにかける夢

2008-11-14 | 映画♪DVD噺
最近、仕事ばっかりの毎日だったので、
少し早めにあがって映画を見てきました。

ブロードウェイ♪ブロードウェイ
コーラスラインにかける夢



いやーーーーーー。


チョーーーーーーー

面白かった!!!

終わった後に、もう一回見たいと思うほど!

DVDになったら買いたいけど、権利関係難しそう。


ブロードウェイミュージカルの名作「コーラスライン」。
舞台の主役ではない、いわゆる「群舞」ひとりひとりにも
ドラマがあることに目をつけ、そのオーディションの様子を
そのままミュージカルにしてしまった異色の作品。

その、「コーラスライン」の舞台に立つための
オーディション風景をドキュメンタリーで描いたのが
この映画。。。


つまり、

オーディションを受ける役を舞台で演じるための
オーディションを受ける姿を映画にしたもの。。。

リアルの中のよりリアル。
おもしろくないわけがない。

オーディション志願者役を志願するダンサーたち。
19名の枠に何千名の志願者がブロードウェイに並ぶところから
シーンは始まる。

ひとつの「役名」をめぐって、いくつもの名前が争う。

不安や途惑いは全てどこかの押入れにつっこんで、
したたかに、情熱的に、自分と重ね合わせて、
自分を押し殺して・・・

コーラスラインの初演メンバーや、スタッフたちが
どんどんとふるいにかけていく。

オーディションのリアルな風景がそのまま
録画されているわけなので、見ている私たちもどこか
審査員にでもなった気持ちになる。

ああ、この子はだめ。
この子は、踊りはいいけど歌がね。
この子は、もう始めから目を引く!離さない!
この子は、自信がありすぎる、うますぎて、ダメ。

といった感じにね。

もともとが、ブロードウェイのダンサーの
リアルな22時間にわたる語り合いをもとにして
作られたミュージカル。
そして、再演の振り付けは、初演で演じた本人も関わると。

本人役の前で本人を演じるには、そのままじゃなくて
より本人じゃなければならなかったり。

想いの強さは「叫び」になってしまって、聞けるものじゃ
なくなってしまったり、「私が一番」と思う気持ちと
親友を認める気持ちのせめぎあい・・・。

とにかくまぁ、リアルだから、面白い。

ブロードウェイの舞台を求め、役を求め、
オーディションを受けてまわる人を「ジプシー」と
呼ぶらしいが、まさに、ほんとに、この役が欲しい、
落とされても、人生は続く。
選ばれた場所が舞台という、「ジプシー」たちの
タフさはスゴイ!!もちろん、脆い部分を持ち合わせて
いるからこそ、人間味のある演技が出来るんだろうけどね。

オーディション風景なのに、
まさに、神様が与えたもうた!?くらいの
ドンピシャなはまり役が登場した時には、、、
そこには批評も何もあったもんじゃない。。。ただ、
審査員も感動して涙するだけ。。。奇跡の瞬間は、
何もにも代えがたいものだろう。

「この人で決まりだな」と思っていたけれど、
最終も最終、輝きを発揮できない人もいる。

過酷な天命。

もたらされる結果に、歓喜する人。
そこから何年続くか分からない、もしかしたら明日にも
興行が終わってしまうかもしれない、そのポジションを
死守すべく、プロとしてその役を演じきる、誰にも渡さない
精神力を、さらに持たなくてはならない運命を担う人たち。

結果に涙する人。
落ちることもまた運命。自分の場所を探しに
再び放浪し始める。より磨きをかけて、自分だけの
役を探しに。


ワーキングプアとか、、、就職難とか、、、
言ってる場合じゃないよ。ニッポンの若者たちよ。

もちろん格差のある国アメリカ。
あるからこそ生まれる「アメリカンドリーム」というもの。
だけれども、その夢をつかむための執念というか、
ひたむきさというか、努力、根性、精神力、
あなたの!その役の!そのポジションの!ONLY ONEが
私であるという意気込み・・・。。。。。。。。。。


世の中が私を必要としていない・・・と泣くのではなくて、
必要とされる「私」に磨きをかけていく、メタモルフォーゼしていく!
そのド根性は、、、どこへ?


ねー。なんというか、、、
夢がうまくいかないときに、
周りのせいにしたくなる気持ち・・・

オーディションが良くなかった、
審査員が悪かった、
調子が良くなかった、、、
などなど・・・

ほんとの意味で、ファイナルまで残った人間たちは
誰もそんな「負け惜しみ」を言っていなかったのが
新鮮だったかな。。。

オーディションに落ちても人生は続く。
やりたいことがいっぱいある。
自分の場所をさがす。

不器用だからこそ体当たり!

だから楽しい。

人事を尽くして天命を待つってのは、
ほんとなのよね。

為せば成る。為さなきゃ、成るわけないわけで。
為したけどダメだったら、きっとそこは自分の
運命とはちがったわけで。

運命は変えられない。

でも、決まっているものを「探す」とか
「それに向けて努力する」とか、きっつい宿命の先に
開かれた運命が先にあるものだと思って
とりあえず動いてみるとか、邁進してみるってのは、

悪くはない。。。

とにかく、「作り手」としても「鑑賞者」としても
「生きる人間」としてみても、すがすがしい!

ミュージカルってのは、、、ほんとにエンターティメントで
「いい夢見ろよ」って老若男女にポヨンと潤いをくれる。


というわけで、来夏、来日するというコーラスラインの舞台は
見逃せないと思ったわけでした!


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