ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

ここに泊まらせてください!

2010年06月03日 | 中国(2)呼市→西寧
ウラト前旗という街で、旅社(地元民向けの宿泊所)の
おばちゃんは食い下がる。
「不可以、政府規定」(決まりだから、ダメ!)
こちらも粘る。
「大酒店、太貴了」(ホテルは高すぎます!)
しばらく睨み合い、周りのおじさんたちが面白がって
助け舟を出してくれる。
おばちゃんは折れたが、今度は「複印が必要」と言い出す。
そんなもの聞いたことないと応戦するも、今度はなかなか折れない。
周りの人も、それが何なのか説明してくれるが、
いまいちよくわからない。

「だからそれがねぇと、ヤツらがきたときに…」
「ヤツら…そう、ポリだ、ポリ!」
…と言っているところにポリ登場。
すばらしすぎるタイミングに、思わず吹き出してしまった。
(そして、中国語でも『ポリ』って言うんですね)

おばちゃんは筆談の紙切れを見せて、必死に弁解している。
「だからわたしゃダメって言ったんだけどこの人が…」
お巡りさんは、自転車を見て、
「天津から、これで新疆まで行くの?」と言いながら、グーのポーズ。
一同爆笑。


結局、わざわざ公安局へ滞在登録しに連れてってくれるようだ。
近くの交番から、車に乗せられる。初連行。
お巡りさんも、シートベルトはしない。
彼は日本語での自己紹介と数字の1から10を披露してくれた。
こちらも中国語で応戦。
そういえば、内蒙古に入った頃はまだ自己紹介をメモに書いて
渡していたけど、いつのまにか要らなくなっている。

肝心の車はまともに動かない。エンスト頻発。これで犯人を追えるのか?
しかし、本庁は外観も、中も床までピカピカ。
滞在登録は役場みたいな窓口で、お姉さんの対応。
終始大変友好的。


宿に戻って、向かいの食堂でご飯を食べていると、
宿の主人がやってきて手招きする。
表へ出ると、見慣れた自転車。
あっ、肖だ!

旅の神のいたずらか?ネタ投下のプレゼントか?
まだまだチームの旅は続くようです。



○現場の宿です


○あなたは本当に本当のキティちゃん?
 それより下のルイヴィトンの布団シーツ…あってたまるかw


(補足情報)
法律上では、外国人が三ツ星以下のホテル、招待所、旅社に宿泊する場合、
毎回管轄署でこのような手続きが必要なんだとか。
ちなみに、運悪く未登録で公安の巡回に遭うと罰金刑。
数年前の旅行記だと形骸化していて全くノータッチと書かれているが、
少なくとも今回、都市部のビジネスホテルや田舎の安宿でも
3分の1くらいの確率でこの規定により断られてしまっている。
状況が変わってきている。
(泊まれてしまう場合はおそらく、宿屋が規定の存在を知らない)
中国内蒙古方面を貧乏旅行する予定のある方は要注意!


下のバナーをクリックし、応援いただけると嬉しいです。

にほんブログ村 旅行ブログへ


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宿泊と未解放地区の許可証 (kousyujin)
2010-06-26 10:28:51
こんにちは広州人です。

中国には日本にはない法律があり、外国人は都市部では24時間以内、田舎では72時間以内に宿泊する管轄の公安へ行き臨時宿住登記を行なう必要があります。(全国)
ホテルなどで(渉外ホテル)はパスポートをコピーし公安へ届けます。(渉外ホテル以外は毎回公安へ行き申請が必要なので通常は外国人は泊めません)
星なしホテルでも渉外ホテルであればOK。
 もう一つ重要なことがあり、中国にはまだ未解放地区があります。この’未解放地区へ入るにはビザ以外にもう一つ許可証が必要です。特にチベットは外国人は陸路での(鉄道は除外)入域は禁止されています。
そのた、ウイグル、など’まだ未解放地区が有るので自転車で行かれる場合は注意が必要です。捕まると罰金、拘束、強制退去される可能性があります。
 必ず未解放地区であるか確認しておいたほうが良いですよ。
返信する
はい (hiro)
2010-07-01 12:05:30
ありがとうございます。
しかしなにぶん全て渉外賓館に…と言うわけにはいかず…旅社しかない村で日暮れを迎えることもしばしば…。何のチェックもない宿も多いですが。
中国の法体系で自転車旅行は想定されていないということですね…。
ちなみに、またひとモメありました。後日アップします。対策は…旅を終えるか、認識しつつ進むか。
余談ですが、とある招待所で民族記入欄に「漢族」と分類されました。しかし日本人は一体何族なんですかね?日本族?
返信する
宿泊 (kousyujin)
2010-07-05 16:06:27
確かに法律通りにはいかない場合も有りますね。
旅店の経営者が好意または利益に為に泊めてくれることが多いですがタレコミや一斉査察でも無い限りは問題は有りませんが、問題が起きた場合は厄介ですね。
 特に辺境地区は軍事的な意味合いもあるので注意が必要ですね。
 民族記入欄はあくまでも国内用ですので外国人は範疇にありませんが、規則で身分証に記載されている民族名を書くようですね。
 日本人はモンゴル系ですのでモンゴル族の方が近いかも。
返信する