バブルの頃、六本木あたりに縁のあった方ならわかると思うが、、写真は、外苑東通り、旧防衛庁(現 東京ミッドタウン)角あたり、ガソリンスタンドのある交差点そばに立つ、コリンズビル。
当時、六本木周辺に、コリンズビルがいくつも建った。高級なバーなどが入る飲食店ビル。大学卒業後働き始めた頃。私にとってはバブルの象徴のようなイメージがある。怪しいビルだった。金銭感覚もない学生上がりにも、とてつもない額だろうという事は感じる事ができた。
先日、ちょっと近辺に行った時、写真のビルは囲われ、解体工事の看板が掛かっていた。
バブルの塔がなくなる。。
全く縁のなかったビルだけど、これがなくなるという事は、私の中の「あの時代」が終わる気がした。しかし、後ろを振り返れば 東京ミッドタウン!・・・形を変え、ここにはバブルは生き続けるのだな、と思った。。
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昨日今日と、立て続けに名前を知っている建築関係の会社が民事再生手続きに入った事を知った。
今年に入ってからも、多くの不動産デベロッパーや建設会社がつぶれている。
今までそれらの会社の名前を聞いても知らないし関わりのない会社だったので、どこか遠い話のような気がしていたが、知っている会社の名前を見ると、今の時代の建築業界の低迷の深刻さを、身に浸みて感じる。
その一つは、一度仕事をした事がある。もう一つは、隣の区にある会社で、都内で建売事業を行っていたので、チラシや実際の現場をみかけていた。どちらも、少なくても2年くらい前までは、急成長していた会社だ。
理由は、不動産不況や銀行の融資引き締め。
ちょっと状況は違うけれど、バブル後の状況と似ている。
サブプライムの問題も大きいのだろうけど、銀行も不動産、建築関係の会社も、何を「あの時」に学んだのだろう。。
この状況はさらに加速し数年は続くという見方がある。資材の高騰が追い打ちをかける。
さらに、来年から、建設会社は、建築工事を受注する時に、瑕疵担保責任の担保としてに保険金または供託金を払わなくてならなくなる。国土交通省の耐震偽装後の建築関係法の改正だ。
これは、消費者保護という観点から言えば「もっとも」という事なのだが、反面、施工者からすると、とてつもなく重い。
供託金の場合、<10年で1戸の新築工事しかないと、2,000万円必要>だという。
日本中、小さな工務店や「ひとり親方」という個人事業者が多くいるのだが、結局資本力のない、そのような小さいところは 「 もう元請できないよ 」という事になる。要は、「あなたたちはもう止めなさい」と国が言っている。廃業するか下請けとして続けるかしかなくなる。(平成21年10月より適用・・・しかも、着工ではなく建物完成時が10月でも適用)
建物は、現場の職人達が作る。様々な事は、その末端の人達にすべて行く。ものを作る人達が自信と誇りをもてなくなっていく。日銭を稼ぐために仕事するだけになる。。。
技術と経験と知恵のある職人は、、、
もういなくなってしまうのかもしれない。