三脚マンと弱力女の登山日記

登山が趣味の夫婦です。

北岳(5日目)北岳の登頂

2010年03月09日 | 登山
日付 :2010年1月10日(日)
天気 :雪のちガスのち晴れ
コース:八本歯の頭→北岳→八本歯の頭→ボーコン沢の頭との中間点















1日目
2日目
3日目。
4日目前編
4日目後編。



















朝目覚めると、昨夜から降り続いた雪で周りは真っ白。
今日は北岳を往復して、この場所でもう1泊。
もしくは少し先に進んで泊まろうと考えていた。












無情にも展望はなし。
雪も一気に積もったようで、アイゼン等の道具も雪に埋もれるほどだった。












やる気も急降下。
弱気になり、
「北岳は行ったことがあるし・・・。」ということで、
テントを片づけ、下山することにした。












凍りつく八本歯の岩。

テントを片づけ、八本歯を登り、歩いていると、真っ白なガスの中から一人の登山者が現れた。











「ガスは朝のうちだけですよ!」

登山者のその言葉に、非常に迷った。
















一度帰ると決めると、下山したくなる。
弱力女も心配しているだろう。
人恋しい。

でも、登頂もしたい。
晴れてくるなら、なおさらだ。















迷った挙句、晴れてくるのであれば・・・。
行ってみることにした。

















荷物を置いて、サブザックに荷物を詰め、八本歯を降りる。

雪はもうやんでいたが、昨日からの積雪で、歩くところはさらに雪が深くなっていた。












埋もれる(苦笑)












前方に先ほどの登山者を発見。

見通しのきかないガスの中、不安もあり、
「早く追いつきたい。」という気持ちでズンズン進むことができた。












かなりのハイペース。
ついていくのがやっとであった。












吊尾根の分岐に取り付くところ。
「エイヤ!」っと乗り越える。

歩きながら、青空がフッと顔をのぞかせる。












北岳!
諦めていた頂上に到着!

嬉しかった。

展望はなかったが、やっぱり嬉しかった。

お互いの登頂を喜びあった。












残念ながら頂上からの展望はなく、下山することにする。
丸太の階段を下りていく。












再度、八本歯を登っていく。












八本歯の頭で荷物を拾い、下山を始める。

荷は少し軽くなっていたが、心はズッシリ満足感で満タンだった。












歩いていると、みるみるガスが晴れていった。












真っ白な北岳が顔を出してきた。












何度も何度も北岳を振り返る。
歩が進まなくなった。












あるき沢橋まで明るいうちに降りてしまえば、あとは林道歩き。
今日、下山してしまうつもり。
林道歩きであれば、ヘッドランプを点けておれば、迷うこともない。
そう考えていたが。












「こんないい天気なのに・・・」
「帰りたくないなぁ~。」

足取りは重くなる一方・・・。












「や~めた!」

「ここにテントを張ろう!」

歩くのをやめてしまいました。












穴を掘って、テント場を作りにかかる。
しかし、またもや、木の枝が出てきてしまった。

もう掘り進めないのだ。












テントも傾いたまま。
別の場所でもう一度・・・。

「もうなるようになれ!」
「明日下山できればいいや!」
そのままここに、設営することにした。












そうと決めたら、やることはそれなりにあるのだ。

4泊もしていると、シュラフはしっとり湿っている。
乾燥させるべく、テント上に干した。












破れたテントシューズは、ビニールテープで応急処置。












水作り。
日が差して火を使っていると、テントの中はそれなりに暖かい。













お湯割りでなく、水割りごとく雪割り。
お酒をゴボゴボ飲んだ。

荷物をさらに軽くするべく、食料も無駄に食べ続けた。












時々吹き抜ける風で、北岳の稜線は雪煙りが舞っている。












迫るバットレス。
夏の間はクライマーを惹きつけるが、今の時期、登っている人はいないだろう。












時々、吊尾根にも強い風が吹く。
雪中深く張り綱を潜らせることにより、テントの安定を図った。












ボーっと何時間も過ごした。
至福の時間。













昨日と同じく、間ノ岳の肩に日が沈んでいった。












残光に浮かぶ間ノ岳。












静かな夜が始まる。












満天の星空の下。
北岳も星明かりに浮かんでいた。












街の明かりがユラユラと煌めいていた。
まだ、5日しかたっていないのに、
なんだか、街の喧騒を懐かしく感じてしまう。
「弱力女は何しているだろう?」
「心配しているかなぁ?」
「明日は急いで帰ろう。」

そう思って、寝た。













続きはこちら

















この時出逢った亀ケ川さんの記事はこちら

















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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見事ですm(__)m (河童)
2010-03-09 07:30:17
周到に準備を整え、慎重に判断し、
そして勇気と好奇心を持って行動したものだけが見る事が出来る一期一会。
感動させて頂きました。
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おはようございます! ()
2010-03-09 09:14:00
冬山単独。。弱力女さんの待つ身は長いですねf^_^;
でも青空見るとテンションあがりますよね!青と白が何ともキレイで北岳がはえますね!
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さすが~ (RN)
2010-03-09 09:48:20
う~ん「剣岳・点の記」の映画みているようだね~
雪の北岳を楽に登ってるんだね~

新田次郎の小説「富士山頂」に強力(ごうりき)が出ているけど弱力女ってなに?
三脚って測量機器の脚だけどカメラの…
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Unknown (ぽっか)
2010-03-09 11:23:25
改めて、素晴らしいファイト&ロケーション
ですね。白銀の北岳を眼前に仰げて寝れるって。

夏山だって人恋しくなるのに、このような
極地ならなおさらなんでしょうねえ。
弱力さんのコメントも聞いてみたいものです。
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Unknown (スロートレック)
2010-03-09 16:20:51
>心はズッシリ満足感で満タンだった

そりゃそでしょ♪
こんなロケーションで、も一泊するか~
なんて自由に時間過ごせるなんて
ある意味世界で一番自由で幸せなときですね
しかし、弱力女さん
心配してないワケないですよねw( ̄ー ̄)
そやって、ふと人恋しくなる瞬間もいいもの
です、はい。
残光に浮かぶシーン最高です!
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ほ~ (Mukluk)
2010-03-09 22:31:01
それはそれは、静かな夜だったんでしょうね。冬に単独5日間、なんて信じられないですよ~。

でも、すばらしい世界です本当に。

ちょっと感傷的に弱力さんを想う、三脚マン、素敵じゃないですか~。
下界の弱力さんは意外と楽しく過ごしていたりして。笑(←嘘です。)
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心配してましたよ。 (弱力女)
2010-03-09 23:15:00
(皆様、コメントありがとうございます

今回は、かなり心配をしてました。

一度は、冬の北岳に登頂をしてるとはいえ、
今回は、単独で6日間と長い
送り出すのは、不安でしたが、一緒に付いて行くのは厳しいし

毎日、三脚マンに天気の情報など、メールをしてました。
が・・・全く連絡はなく・・・。
まさに、この5日目に「ボーこん沢。」と短いメールが送られてきました(汗)
やっと、安否を確認したのでした。

出張は、大歓迎なんですけどね(笑)
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男って、、(笑) ()
2010-03-10 02:27:22
待ってる方は心配して毎日メールしても数日後やっと一言みたいな…ですよね。帰ってきたー!と思ってシッポ振れば疲れたとか煩いで終わりですし(--)
でも弱力女さんの事、すごく思ってるんですね三脚マンさん。伝わってきます!あるblogでも見ちゃいました(^^)いいなって思いました!その方のblogも私大好きでホロリときました!
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Unknown (ぽっか)
2010-03-11 01:34:02
こんばんは。

「ボーこん沢。」・・・笑

やはり、心配されてますよね、弱力さん。

冬の6日間、しかも北岳。
待つほうも、待たれる方も、
長いし不安ですよねえ。


「ボーこん沢。」・・・・・笑
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1日1メール (よさこいおばちゃん)
2010-03-11 02:47:28
人恋しくなって
弱力女さんを想う三脚マンさん
わあ素敵
そう思ってましたが…。

5日目に「ボーこん沢。」の一言

それはダメです
せめて1日1
心配して待ってる弱力女さんの気持ちを思いやってあげて下さいね

夜の富士山の写真裾野が光ってますね
不思議で美しい写真です

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