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雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

2013年08月13日 | ポエム

▲ついこの間田植えしたと思っていたら、もう稲に穂が
 

季節の何処かに
忘れものをした様な気がして
ふと、雨降りを眺めたくなった。
瓦屋根をたたく
雨の音を聞きながら、
乾き切った白い地面が
しゅんと音でも立ちそうに
雨を吸い込んでいき、
太陽と土のまざった匂いが立ちこめ
みるみる黒くなっていくのを
ふと、見つめたくなった。

雨は大粒がいい。
やがて地面には
小さな流れが幾筋も出来、
よどみ、
干涸びたバッタの死骸や
草の葉を浮かべ、
小石を動かす。

雨は同じ調子でいつまでも
変わらないほうがいい。
すると僕は
何時間も縁側に腰掛けている。

ふと、雨降りを眺めたくなった。
瓦屋根をたたく
雨の音を聞きながら
僕は、
何を考えているだろう。
(1979)
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