……いわば小生は自己の内部と周囲とに、すばらしい、ただもう無限の対応を感じているのであります。そしてその相互に対応している物質のうちには、小生がそのなかへ流れこんでゆくことができないようなものは何一つないのです。そんなとき、小生には自分の肉体が、すべてを小生に解明してくれる暗号ばかりから成っているように思われますし、或いはわれわれが心臓で思考しはじめるならば、全存在との新しい、予感に満ちた関係に入ることができるのではないかというように思われます。
(ホフマンスタール)
いろいろな角度からの性格づけを無数に繰り返していく中でヴィジョンとして相手の本質がだんだん目に見えるものになってくる……
(高橋巌)
東洋の思考方法はその対象の中心を、輪を描いて回るものだ。さまざまな視点から見た単一の印象を重ねていき、多角的、つまり多次元の印象が形成される。
(マラ・ゴヴィンダ)
それゆえ、<跳び>は自由なもしくは方向づけられた連想の諸要素を結びつけることができ、秘儀受伝者の<意識の拡大>に関して、まったくおどろくべき結果をもたらし得る。<跳び>は精神の隠れた過程を明るみに出す。
(ショーレム)
このようなパノラマ的ないしヴィジョン論理は、巨大な観念のネットワークのなかで、観念が互いにどう影響し合い、どう関係し合っているかを把握する。
(K.ウィルバー)
日常意識の下で互いに複雑に縺れ合い絡み合いつつ混在するそれらの<意味>の発散する気の如きものが、我々の表層意識の認識機構に働きかけ、我々の原初的感覚体験のカオスを様々に区切り、それらの区切りの一つずつが、あるいは明確な、あるいは獏としたものという存在形象を生み出していく。
(井筒俊彦)
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