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事前公開<自分年金に強くなる法「厚生年金基金の話」>連載12

2010年06月12日 | 厚生年金基金

運河の国オランダの郊外はこんもりとした森の多い国で、1990年に地方小都市の基金事務所を訪問したとき、調査団のバス(UDにあらずベンツ)が訪問先の事務所が森の中で分からなくなってしまい、しばし立ち往生。街角の花屋のガーベラ咲き誇る店先で。


事務所からの迎えの車に先導され森の中の街路をしばらく行くと、敷地を示す簡素な門を入って森の中の点在する木々の下の芝生が見事に養生された中の曲がりくねった道を5分も走っただろうか、3階建ての事務所の前にバスは止まった。見れば、事務所わきの小屋の前に「PENSIONENFONDS PGGM」とシンプルに記されていました。


ほとんどが森の広大な敷地の中央に3階建ての独立ビルを構えたこの年金基金事務所は加入員数36万人、年金受給者6万3千人というオランダの病院および福祉事業従事者を対象とした基金で、オランダで二番手の大きさの基金とのこと、職員数は600人である。


部屋を薄暗くして行われたプレゼンテーションで印象的だったのは、年金をインフレからまもって保証することを基金の目的にしていること、35年という長期展望のもとに計画をたてていること、分散投資に注力していること、不動産投資で極東・日本にまで投資しているとのこと等々でした。1990年当時の日本の厚生年金基金レベルとは天と地の開きの有る現実に、調査団一同ただただ呆然とするばかり。叩きのめされたようなインパクト!



あれからほぼ10年、グローバルな金融の世界ではいろんなことがあったし、本邦金融機関にも未曾有な事態が押し寄せ、日本の基金サイドの研究・情報収集も進み、資産運用規制もほとんどなくなり運用体制も徐々に整ってきました。資産運用環境の激変はかってないスピードと量で行われています。


マネーの論理は、ついにソビエトの統制経済をも打ちのめしてしまいました。ロンドンには金融のウィンブルトン現象が発生し、東京には純然たる本邦金融機関は無くなりすっかり外資系金融機関と提携するに至りました。ベアリング、米国大和證券、住専、日産生命、山一、託銀、長銀、大蔵省等々、明らかになるのは<旧来組織の疲弊>ばかりです。ブレ幅の大きくなったボラティリティ増大のデリバティブ市場にβの資本資産評価モデルあり、投機に特化した莫迦なヘッジファンドあり、非相関運用あり、世界同時株安で怪しくなってきました国際分散投資理論ありで、市場環境はグローバルでボーダーレス化し、運用技術の多様化・高度化につれ瞬時性を高め、次々と規制・統制を破壊しつつあり、それに連れてリスクは高まる一方です。



出所:「厚生年金基金事務長奮闘記」平成12年
   「人様のお金」平成12年

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