異文化交流クイズ、第三シーズン「異文化間に芽生えた愛情とすれ違い」第8回の問題は、客から遊女にプレゼントを渡す際の仲立ちとして使われた、部屋の中に必ず備えてある『あるもの』とは一体何でしょう? という問題でした。
幕末維新期、日本を訪れた外国人達が一様に驚いたことに日本の女性の髪型があります。
時代劇を見ても分かると思いますが、あの髪型。毎朝結い直すわけにもいかず、そのために当時の女性は、器用に木の枕に自分の頭を載せて就寝したそうです。当時の来日外国人が残した日記でも、髪を結った日本人少女が形を崩さないように器用に木の枕を使っていたことが記されています。
そしてその髪型が花魁ともなれば更に大変であって、形を崩さない為には木の枕が必須であり、当然の事ながら就寝時には一番身近な家具ということになります。
ということで、今回の正解は・・・『木の枕』でした。
以下、カリージョの本からの引用。
『このちっぽけな家具はよくよく見ると、人形用の黒檀の椅子のようでもあり、絹の靴下を履いた西洋娘の足台のようにも見える。しかし、本当は秘密や宝物を入れておく箱なのだ。その小さな神秘的な引出を開けると、一時の恋の相手が寄越したプレゼントやら、好きな男の手紙が入っているのである。
ある歌にこうある。“ひとり気ままにいるときに、人知れず見るものは、我が枕に隠されしもの”
こうして彼女たちが見るものの中には、恋文やら口説きのプレゼントの他に決まって春画がある』
さてこのカリージョ、吉原同様に春画についても非常に熱く解説しています(笑)。
春画を『誰でも好奇心から一度は見た事があるだろう』とまで「当時ヨーロッパで発売されたスペイン語の本の中で」語っています。
……「昔春画、今アニメ」という構図も満更間違いでもないようでw。そして次の一節も現代の「萌え」にも通じるモノが。
『日本は婦人達が人目を憚らずに入浴し、男性が裸で道を歩き回っているという途方もない国であるのに、こと春画に関してはどの画家も、狂気のヴィーナスや恥知らずのファウヌス(半獣神)に、絹の豪華な衣裳を纏わせて描くのである。実際春画には裸体は出て来ない。性愛の無上の恍惚の中でさえ着物を纏ったままである。精々描かれるのは、帯を解き、着物の前を開け、袖をたくし上げている姿までである。』
……つまり、既に春画の時代から「チラリズム」「絶対領域」の概念の原型はあったと云っても過言ではないでしょうw。
我々はこのような偉大なご先祖様を先祖に持ち得たことに、深く感謝すべきでありましょう。
さて最後に今回の元ネタ本の紹介。『誇り高く、優雅な国、日本』(人文書院)。勿論吉原の話だけでなく、日本の武士道やら詩歌、自然にまで踏み込んで描かれています。
ちなみに余談ですがこの本、カリージョの元本は20世紀初頭のスペイン語圏では大いに評判となり、スペイン語圏の日本像の形成に大きな影響を与えたそうで。スペイン語圏で「日本人=芸者、ハラキリ」というイメージが定着したのはこの本が原因であると、この本の訳者は推定しています。
・・・と云うことは当時からスペイン語圏では「日本人=無口無表情少女萌え、絶対領域万歳!」という素敵な構図も認知されていたということになりますが、さてw。
幕末維新期、日本を訪れた外国人達が一様に驚いたことに日本の女性の髪型があります。
時代劇を見ても分かると思いますが、あの髪型。毎朝結い直すわけにもいかず、そのために当時の女性は、器用に木の枕に自分の頭を載せて就寝したそうです。当時の来日外国人が残した日記でも、髪を結った日本人少女が形を崩さないように器用に木の枕を使っていたことが記されています。
そしてその髪型が花魁ともなれば更に大変であって、形を崩さない為には木の枕が必須であり、当然の事ながら就寝時には一番身近な家具ということになります。
ということで、今回の正解は・・・『木の枕』でした。
以下、カリージョの本からの引用。
『このちっぽけな家具はよくよく見ると、人形用の黒檀の椅子のようでもあり、絹の靴下を履いた西洋娘の足台のようにも見える。しかし、本当は秘密や宝物を入れておく箱なのだ。その小さな神秘的な引出を開けると、一時の恋の相手が寄越したプレゼントやら、好きな男の手紙が入っているのである。
ある歌にこうある。“ひとり気ままにいるときに、人知れず見るものは、我が枕に隠されしもの”
こうして彼女たちが見るものの中には、恋文やら口説きのプレゼントの他に決まって春画がある』
さてこのカリージョ、吉原同様に春画についても非常に熱く解説しています(笑)。
春画を『誰でも好奇心から一度は見た事があるだろう』とまで「当時ヨーロッパで発売されたスペイン語の本の中で」語っています。
……「昔春画、今アニメ」という構図も満更間違いでもないようでw。そして次の一節も現代の「萌え」にも通じるモノが。
『日本は婦人達が人目を憚らずに入浴し、男性が裸で道を歩き回っているという途方もない国であるのに、こと春画に関してはどの画家も、狂気のヴィーナスや恥知らずのファウヌス(半獣神)に、絹の豪華な衣裳を纏わせて描くのである。実際春画には裸体は出て来ない。性愛の無上の恍惚の中でさえ着物を纏ったままである。精々描かれるのは、帯を解き、着物の前を開け、袖をたくし上げている姿までである。』
……つまり、既に春画の時代から「チラリズム」「絶対領域」の概念の原型はあったと云っても過言ではないでしょうw。
我々はこのような偉大なご先祖様を先祖に持ち得たことに、深く感謝すべきでありましょう。
さて最後に今回の元ネタ本の紹介。『誇り高く、優雅な国、日本』(人文書院)。勿論吉原の話だけでなく、日本の武士道やら詩歌、自然にまで踏み込んで描かれています。
ちなみに余談ですがこの本、カリージョの元本は20世紀初頭のスペイン語圏では大いに評判となり、スペイン語圏の日本像の形成に大きな影響を与えたそうで。スペイン語圏で「日本人=芸者、ハラキリ」というイメージが定着したのはこの本が原因であると、この本の訳者は推定しています。
・・・と云うことは当時からスペイン語圏では「日本人=無口無表情少女萌え、絶対領域万歳!」という素敵な構図も認知されていたということになりますが、さてw。