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サイエンスの話 31 SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種による自然免疫抑制: G-quadruplexes、エクソソーム、およびMicroRNAの役割 2

2023-06-29 16:33:42 | 日記
サイエンスの話 31 SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種による自然免疫抑制: G-quadruplexes、エクソソーム、およびMicroRNAの役割 2 
Innate immune suppression by SARS-CoV-2 mRNA vaccinations: The role of G-quadruplexes, exosomes, and MicroRNAs

Food Chem Toxicol. 2022 Jun; 164: 113008.
Published online 2022 Apr 15.  doi: 10.1016/j.fct.2022.113008



mRNA-ワクチン由来のSARS-CoV-2スパイク糖タンパクが、大量のエクソソーム産生を介して細胞内IFN系に与える影響について考察する。

第7章 エクソソームとマイクロRNA

・エクソゾーム

細胞間の重要なコミュニケーションネットワークは、ある細胞から絶えず放出され、後に離れた臓器にある別の細胞に取り込まれる細胞外小胞(EVs)で構成されている。エンドソーム内で形成されるエクソソームと呼ばれる小胞は、ウイルスに似た大きさで、エキソサイトーシスにより細胞外空間に放出され、その後全身を巡る。エクソソームは、mRNA、マイクロRNA(miRNA)、タンパク質、脂質など、多様な生物学的に活性な分子の集合体を送達することができる。
また、ウイルス感染時には、感染細胞が大量のエクソソームを分泌し、細胞間のコミュニケーションネットワークとして機能し、感染に対する応答を指揮する。

Cutting Edge: Circulating Exosomes with COVID Spike Protein Are Induced by BNT162b2 (Pfizer-BioNTech) Vaccination prior to Development of Antibodies: A Novel Mechanism for Immune Activation by mRNA Vaccines
PMID: 34654691 DOI: 10.4049/jimmunol.2100637
J Immunol. 2021 Nov 15;207(10):2405-2410.

・COVIDスパイクタンパク質を含む循環エクソソームがBNT162b2(Pfizer-BioNTech)ワクチン接種により抗体産生前に誘導される: mRNAワクチンによる免疫活性化の新規メカニズム

内容

・mRNAワクチンを接種した人は、接種後14日目までにSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質を含む循環エクソソームを獲得することを見い出した。

・1回目のワクチン接種から14日後には、スパイク糖タンパク質に対する循環抗体が存在せず,抗原産生へとつながる免疫反応に寄与しない。

・2回目のワクチン接種後、スパイク糖タンパク質を含むエクソソームの循環数は最大で12倍に増加した。

・抗体は14日目に初めて出現した。

実験・結果

ワクチン接種を受けた人由来のエクソソームをマウスに投与したところ、スパイク糖タンパク質に対する抗体が発現した。
興味深いことに、発現がピークに達した後、循環するスパイク糖タンパク質を含むエクソソームの数は、スパイク糖タンパク質の抗体レベルの低下と同期し、時間の経過とともに減少した。つまり、これがヒトのモデル系であるとすれば投与されたスパイクタンパク質を内包するエクソソームが循環することで免疫反応の一翼として抗体産生に関与している可能性が考えられた。

考察

エクソソームの表面にはスパイク糖タンパク質が存在し、これが抗体産生を促進させと考えられる。

・ではなぜ注入されたスパイクタンパク質を内包するエクソソームが多く存在し、正常のmRNA代謝はどのように影響されているのか。

Regulation of exosome production and cargo sorting
Int J Biol Sci. 2021; 17(1): 163–177.
Published online 2021 Jan 1. doi: 10.7150/ijbs.53671
PMCID: PMC7757038 PMID: 33390841

以下二つの細胞代謝への影響が考慮される。

→ SARS-CoV-2分子ワクチン接種によりSARS-CoV-2スパイク糖タンパクが圧倒的に生産されている状況下では、当然ながら、過剰な細胞内スパイク糖タンパクのかなりの割合もエクソソームカーゴを介して輸出されている。
(スパイクが圧倒的に産生されるよう設計されているので当然といえば当然)

→ ストレス応答時のキャップ非依存性翻訳の増加
(細胞内の他の機能が影響される=mRNA代謝回転のメカニズム=ストレス反応としてのキャップ非依存性翻訳)

エクソソームは、ストレス条件下でストレス顆粒(SG, stress granule)やP体(PB, P body)と密接に関連しながらmRNA崩壊機構の一部として存在している。そもそもキャップ依存性翻訳への過剰な依存とも言えるワクチンmRNAの誘導、翻訳の条件下では、デキャッピング複合体の促進・集合に対する明らかな抵抗を示し、結果的に生理的mRNA崩壊過程に拮抗することになる。つまり、これは、メッセンジャーリボ核タンパク質(mRNP)が関与するmRNA代謝回転の共通のメカニズムによって決定されるはずの特定の合成mRNAの運命が妨害される(正常のmRNA代謝を妨害する)ことを意味すると考えられる。

 さらに、SARS-CoV-2ワクチンの合成mRNAがキャップ依存性翻訳に過度に依存している状況下では、多くのネイティブmRNAは、mRNA崩壊機構と強く関連しているキャップ非依存性翻訳を有利に選択する。

 キャップ依存性翻訳への依存の例として、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)について説明する。T-ALLではラパマイシンC(mTORC)-1が過剰に機能しているため、細胞はキャップ依存性翻訳に完全に追い込まれている。この非常に攻撃的な癌状態であっても、T-ALL細胞におけるキャップ依存性翻訳が阻害されている間、キャップ非依存性翻訳へと急速にシフトする。
 さらに、ピコルナウィルス感染などでも同様に、eIF4F複合体の構成要素の阻害とウィルスRNAのIRES(internal ribosome entry site の略。通常のタンパク質翻訳はmRNA の5′側cap構造を認識して開始されるが,IRESがあるとcap構造なしにリボソームに認識されて翻訳が開始される)により、細胞をキャップ非依存翻訳に向かわせることが観察されている。 

 また、ヒトでは無症状のピコルナウイルス感染症やストレス様状態によるアポトーシスであれ、mRNAキャップ駆動型の発がん性効果であれ、いずれの場合も、エピトランスクリプトーム機能の増大とmRNAの崩壊促進によりmiRNAレベルが上昇する。遺伝子発現の要求が高いため、特定のmiRNAがP体を経由してエクソソームに多量に含まれることが予想される。

このように、SARS-CoV-2ワクチンの結果として、
全体の翻訳量が減少している細胞のストレス時、あるいはアポトーシスによって誘導された反応へ応答する特定のmRNAの翻訳を担うことが知られるキャップ非依存性翻訳が増加する。

・SARS-CoV-2スパイクを導入した細胞の細胞反応におけるエクソソームの役割とは?

“我々は、SARS-CoV-2遺伝子産物であるスパイクが、宿主のエクソソームカーゴを占めて(modify)、それが遠くの非感染組織や器官に運ばれ、中枢神経系(CNS)内の破滅的な免疫カスケードを開始することができると提案する。”

Front Immunol. 2021; 12: 656700.
Published online 2021 Apr 14. doi: 10.3389/fimmu.2021.656700
PMCID: PMC8079643
PMID: 33936086
SARS-CoV-2 Spike Targets USP33-IRF9 Axis via Exosomal miR-148a to Activate Human Microglia

実験

実験では、ヒトHEK293T細胞を培養し、SARS-CoV-2のスパイク遺伝子プラスミドに曝露することで、細胞内でスパイク糖タンパク質の合成を誘導した。そして、この細胞が、スパイク糖タンパク質と特定のマイクロRNAを含むエクソソームを大量に放出することを実験的に発見した。そして、このエクソソームを採取し、ヒトのミクログリア(脳に常在するマクロファージ様免疫細胞)の細胞培養液に移し替えた。

結果 ⑴

ミクログリアはエクソソームを容易に取り込み、マイクロRNAに反応して急性炎症反応を起こすことがわかった。

結果 ⑵

さらに、エクソソーム中に高濃度で存在する2つのマイクロRNA、
miR-148aとmiR-590を同定した。
リン酸化されたSTAT1とSTAT2のヘテロダイマーがIFN刺激応答エレメントに結合するためにはIRF9が必要であり、したがってIRF9はシグナル伝達反応に必須の役割を担っている。
HEK293培養液から抽出したエクソソームに曝露したミクログリアは、USP33の細胞内発現が50%減少し、IRF9が60%減少することを実験的に明らかにし、さらに、miR-148aがUSP33を、miR-590がIRF9を特異的にブロックすることを発見した。
USP33はIRF9からユビキチンを除去し、そうすることでIRF9を分解から保護する。したがって、この2つのマイクロRNAは、IRF9を妨害し、I型インターフェロンに対する受容体の反応を阻害することになる。

考察

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、日本脳炎ウイルス(JEV)、デング熱など、さまざまなウイルス性疾患において、神経炎症を引き起こすミクログリアの役割はよく知られている。著者らは、COVID-19の重症例において、エクソソームを介した長距離の細胞間コミュニケーションが、神経症状を発現させるメカニズムである可能性がある。

2つのマイクロRNA(miR-148a、miR-590)が、I型インターフェロンシグナルを制御する2つの重要なタンパク質、ユビキチン特異的ペプチダーゼ33(USP33)とIRF9を抑制することにより、I型インターフェロンシグナルを特異的に阻害するというメカニズムを提案する。

・上記ミクログリアにおける炎症性の二つのマイクロRNAであるmiR148aおよびmiR-590は、ワクチン接種によるSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質の産生に特有である

Circulating microRNA profiles predict the severity of COVID-19 in hospitalized patients
Transl Res. 2021 Oct; 236: 147–159.
Published online 2021 May 26. doi: 10.1016/j.trsl.2021.05.004

COVID-19患者の血液中のマイクロRNAプロファイルと、疾患の重症度に基づくその量的な差異を調べた結果、複数のmiRNAがアップレギュレートおよびダウンレギュレートされていることが判明した。その中には、miR-148aのガイド鎖前駆体であるmiR-148a-3pも含まれていた。しかし、miR-148aそのものは、miR-590も含め、過剰または欠損とされたマイクロRNAには含まれていなかった。これらの結果から、miR148aおよびmiR-590とその炎症作用は、ワクチン接種によるSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質の産生に特有であると考えられた。

・エクソゾームを介したI型IFNへの影響

ワクチン接種がI型IFNの産生を積極的に抑制するのに対し、自然感染では疾患サイクルのごく初期にI型IFNの産生が促進される。

これまでトレーサー研究により、腕の筋肉への注射後、mRNAワクチンのmRNAは免疫細胞によってリンパ系に運ばれ、最終的に脾臓に高濃度で蓄積されることが示されている。
他の研究では、脾臓の胚中心でストレスを受けた免疫細胞が、迷走神経に沿って脳幹核に移動するエクソソームを大量に放出することが示されている。迷走神経は第10脳神経であり、喉頭付近で脳幹に入ります。上喉頭神経と反回喉頭神経は迷走神経の枝で、嚥下と発声に関わる構造を支配している。これらの神経に病変があると、嚥下困難(dysphagia)発声困難(dysphonia)および/または息切れ(dyspnea)に伴う声帯麻痺が起こる。

HEK293細胞は、もともと数十年前にヒト胎児の腎臓から採取した培養液に由来し、アデノウイルスDNAの感染により不死化したものです。腎臓から抽出された細胞ではあるが、そのタンパク質発現プロファイルから、神経細胞由来である可能性が高いことがわかっている。このことは、迷走神経のニューロンがSARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質に同様に反応することを示唆している。そして、これまでのエビデンスから、内因的に産生されたSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質がSARS-CoV-2の自然感染とは異なるマイクロRNAプロファイルを作り、その違いは潜在的に幅広い有害な影響を伴うことが強く示唆されている。

その影響に関する分析のポイントは、
I型IFNに対するワクチン接種と自然感染との影響の重要な違いである。
つまり、ワクチン接種がI型IFNの産生を積極的に抑制するのに対し、自然感染では疾患サイクルのごく初期にI型IFNの産生が促進される。
COVID感染の既往症のある人は、I型IFNのシグナル伝達に障害を示すことが多く、これがより重症、重篤、さらには致命的なCOVID-19につながる。ワクチンによって誘導された障害が、時間の経過とともに抗体レベルが低下しても維持される場合、ワクチンによって、ワクチンがない場合よりも深刻な疾患発現が引き起こされる状況になることが考えられる。

I型IFNを抑制することで予想されるもう一つの結果は、第9節で述べたように、既存の慢性ウイルス感染症の再活性化であろう。(つづく)

私評

 ここで述べられているのは、BNT162b2によって特異的と言える内因性スパイクタンパク質を内包するエクソゾームと特異的マイクロRNAがが出現し、神経炎症を引き起こす細胞であるミクログリアとの親和性があることを発見したという内容。その先はI型インターフェロンシグナルを特異的に阻害することで注射による疾患発現が引き起こされるという一連のメカニズムが提唱されている。VAERSのデータを見ても様々な後遺症が存在し両者に相関があることが明らかであり、これは、どのようにして、注射後の症状や後遺症が発症するかに関しての一考察となっている。つまり、自然発症でもワクチン接種でもI型IFNの産生を抑制するので同様の後遺症症状が発生するということは容易に想像がつく。その原因の一端を担っているエクソゾームは細胞間の物質のコミュニケーションを行うための一つの手段であると考えられており、その内包する物質を送達することによりいずれの方向性にも、つまり、生体にとって有利にも不利にもどちらにもその影響が及ぼされる可能性を秘めていることを示唆しています。


カクテル

簡単に作れるシンプル・カクテル2種類。

27.  カルーアミルク Kahlua and Milk

カルーア 30ml~40mlを氷を入れたロックグラスに注ぎ
牛乳 - 80ml~120mlを加え、混ぜるだけ。オリジナルでは生クリームをそのまま乗せていたのでとりあえずそのままムル区を乗せてみました。出来上がりはフツーにコーヒー牛乳。味も口当たりの良さも。
カフェインは少ないので夜にもいけます。



28. ウイスキー フロート Whisky Float 

氷と天然水を満たした上にマドラーの淵を伝うように静かにウイスキーを縦走して出来上がり。
ストローをさして中間で水割り、上がロック、下はチェイサーみたいに好きなタイミングで飲めます。オールインワンウイスキー。これ一つでOK。色々コップを用意しなくても良いです。Et alors?


Note;シンプル&リラックス

Louis van Dyke 
A Whiter Shade Of Pale ♪