ナガイクリニック院長ブログ!

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病気の話 27 老化②

2020-01-31 13:49:32 | 日記
巷ではコロナウイルスの大騒ぎとなっています。
患者を病院に入れたとしても薬がない以上外部が思うほど何もできない。
USAではワクチン開発を始めたとい聞きますが実用化されるには早くて数年かかるし、できたとしてもこのような得体のしれないウイルスに対して生ワクチンを作成することはできないから不活化ワクチンという選択肢しかない。
つまり、できてもインフルエンザワクチンのような効き方をするものしか作れない。
大震災以来の人災になりそうだという意見もあるのは、一言で言うと国に「防疫」という概念が欠如しているから。
水際で防ぐことなく、いまだにインバウンドが、、とか言ってるし、、、
これも科研費を減らすとか、不採算といって地方の病院を閉鎖するとか、ひとえに最近の現場軽視、科学軽視傾向が表面に出てきたと考えられます。
明治以来医療と法律を充実させるため全国に国立大医学部と法学部を作り、長年にわたり作り上げてきた社会資本を今になって医療費削減という大義名分のもとにノミとトンカチで削って壊していく、、
その一方で、3ヶ月滞在で外国人に保険医療を提供するとかバラマキ。
当然日本人がヨーロッパに出かけて行って何年居てもそのようなサービスは受けられません。
いちばんの問題はこのタイミング。だいたい長野の水害や311の復旧もままならない状況で経済もガタガタ、不況入り。これで首都地震とか来たらどうなるのかと。
医師免を更新制にしたらどうかという意見を時折目にするが、そんなことより国会議員に知能や教養、愛国心というテストを義務付けて欲しいと最近思う。
さて、愚痴はこの辺にして。
(今日はgoo blogに移動して初めてでヒヨコ絵文字の操作方法がよくわかりません。😓 次回までに学習しておきます。)

脳の老化と対策

前回の免疫細胞の話でナイーブな細胞が、例えば麻疹ウイルス抗体産生など役割を持った場合衰える、老化の始まりということだったのですが、分化して獲得免疫細胞のように、全身の組織の中で足になったり、手になったり、肝臓になったり、なんらかの役割を担うということが細胞において起こるプロセスが成熟、そしてその後は老化というステップに繋がります。
そう考えると、そうしたパーツ、例えば歳をとると眼とか、新品に交換できないものかしらということは結構誰しも考えたりしたことがあると思います。
でも、実際には形成されたパーツの老化は分化というプロセスの一環として避けられない運命にあるということも言えます。
脳細胞も分化した細胞なのですが、一方で、脳の働きは絶え間なく発展させることも可能です。

中学の公民の授業で思い出すのは先生が、
「みなさん、◯◯までに日本国憲法の条文を全部覚えてきてくださいね。僕は歳だから難しいけど、みなさんは若いからすぐできますよ。」
進学校と言われる学校での授業内容とはだいたいこんな感じ。

脳が若いというのはナイーブな免疫細胞のようにこれから新しいことを詰め込める余地がある状態ということです。もしそう仮定するならば、一通り社会人生活をして社会の役割を持ってしまうと獲得免疫細胞のように成熟し、老化する、そのプロセスにそのまま当てはまるわけです。
科学的には免疫系の老化が寿命始めさまざまな意味合いでの老化とリンクするという背景を考えれば、これもよく知られている免疫と脳の関係と言えます。

前回挙げたアレルギーや自己免疫疾患、炎症、がん、など実にさまざまな疾患が免疫系とリンクする一方で、これもよく言われている、脳と免疫の関係。脳神経細胞は免疫系と共通するサイトカインを分泌したり、受容体を持っていたり、その働きは相互に密接にリンクしており、実際にモデル動物で調べると脳の機能欠損によって免疫障害が誘導されることで示されます。
このように免疫系の老化には脳の老化が関与するのは十分理解できます。

では、まず免疫系の老化を防ぐには、、、
免疫機能の担い手である臓器は白血球、脾臓、肝臓、胸腺、腸管などに限られており、このうち直接刺激できる部分は腸管しかありません。
つまり、今や乳酸菌補充やプレバイオティクス、プロバイオティクスに相当する重要な健康法だと知られています。

一方で、無限の能力を有する脳を活性化して老化を防ぐには、、、
脳の働く環境を考えてみると、何人もなんらかの社会集団に属しているのでその影響は重々受けます。
一方で生体である一個体に備わっている普遍的な制御機構であるフィードバックfeedbackは一種の監視機構とも言えるもので、ポジティブ、ネガティブの方向制御があるように、私たちは社会からも制御を受けていると考えることができます。
簡単に言えば、集団の中で持ち上げられたり、下げられたり、、、
もちろん社会といっても、USAもあれば、EUROもあれば、当然一様ではないし、それ自体も老化するプロセスにあったりしますから対する個の適応という因子も考慮しなくてはなりませんが、社会の変化は次回考察するとして、影響する最大の負の因子はストレスであることは間違いないでしょう。
よく言われている、ニートは顔が若い、ホームレスはハゲが少ない、ボケたら長寿などなど、、、統計的にはわかりませんが、ストレスから逃げることも一つの選択肢であることは間違いない。

逃げられないまでも、時折それを外す、、、feedbackに対するlaid back(レイドバック、のんびりする)という発想はいかがでしょう。
時折都会から離れて外国や海、森に行ってみるとか暮らすとか。色々あるはずです。
laid backがうまく働いている一つのパラメーターは自律神経機能です。
もちろん免疫系は自律神経系の影響を受けています。
方向としては、よくいう副交感神経(アドレナリンじゃない方)が作用するように持っていく。
自律神経をいたわることで胃痛、睡眠障害、生理不順、動悸や冷えなど症状を緩和する。
具体的には、冷たい飲み物より暖かいものを摂取するとか、手足先を暖かく保つとか、いつも幸せな状態を常にイメージするとか、、、

一方で、ポジティブな制御を受けられないと身体はサボってしまうのも重要な事実です。
代表的なのはステロイドや性ホルモン系のように外部から薬として与えると上位からの指令がなくなって自分ではサボり始めやがて合成しなくなる。
つまり、laid backするにしてもプラスになるような刺激は重要だといいう点。
上記の流れで言うと、若い頃にはなんでも詰め込めたのに年齢を重ねると、特に社会に出て仕事という機能を持ってしまうと、だんだんと経験でものを考えるようになる。それはそれでいいとしても、徐々にその型にハマってしまうということは、あまり脳を使っていないとも考えられるしその結果として、それがそのまま思考回路の老化であることに自身で気づかなくなってしまう。

では、具体的にこれにに対抗し脳の若さを保つには、laid backしつつも新しいことにチャレンジすること。それから、恋愛のような何かときめくような刺激が有効でしょう。現実にそれは難しいとしても、他に日常の中にも、例えば副交感神経が優位になると言われている食事時に楽しい話をしたり、シェイクスピアを久しぶりに読んでみるとか、数学の本を広げて無理数と有理数、虚数とはどんなものだったかもう一度学んでみる、新しいスポーツやゲームを覚えるとか、皆でゴルフボールを追っかけたり、、、
逆に映画を見なくなったり、音楽に興味がなくなったありすると老けるよ、、、とよく言われますが、要するに映画や歌詞には往往にしてそのような刺激を受けるような要素が多く盛り込まれているからではないでしょうか。

以前にも書いたことがあると思いますが、
とりあえず、いつもと違う道順でお家に帰ってみるとかから始められる。
服とか車とか身に付けるものを選ぶ際にも、
それが良いものか、それが自分に似合うとものかと普通考えますが、
もう一つ足して、
それが若い気分にさせてくれるという刺激を与えるものか、
と考えるのもありでしょう😊

以前NYの画家にもらった色紙

Marcus Miller en live à Jazz à la Villette 2019
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病気の話 27 老化①

2019-12-28 15:33:24 | インポート
5年ぶりに免許証の更新で警察署に
もうかれこれ30年以上ゴールドなので今回プラチナ免許になりました
(、、、てなことはありません。)

それにしても、5年間はあっという間です
周期といえば男性は何年周期で、女性は何年周期で体調に変化があるとかCMを思い出します
関連して、最近、スタンフォードが出した34歳、60歳、78歳に科学的な老化の節目があるという論文が話題になっています
これは科学的に血漿の多くのたんぱく質を解析したところ1379個のたんぱく質はこれらの年齢に伴って変動する、いわば老化関連たんぱく質だということが分かったという話です

普通に考えてみると、
厄年というのはこの辺の年齢
うまく言いえて妙

医学的には、
体内のホルモンレベルの変動に関連しているのは明らかです
30歳半ばは例えば、ニキビもできにくくなる、当直するのがつらい、あるいはダウン症の発生率が異なったりするとか。60歳というのはがん年齢。また、50歳代から始まる更年期などのホルモン変化の時期が終了する時期とも考えられます。78歳では肺炎など感染症が増加する

では、もう少し深く科学的に考えてみると、
細胞レベルでの老化のカギとなるのは何か
加齢、老化に関連した疾患、がんや成人病などの発生に関連して着目すべきは免疫細胞です
免疫系は生後感染症から身を守る役割が主である一方、成人ではがん予防や甲状腺や膠原病など自己免疫疾患の発生に関与しています。その主体はT細胞といわれるリンパ球なのですが、世界に無限大に存在する病原体など抗原に対応するため分化して、記憶し増殖することで次回からの接触にうまく対応する仕組みはよく知られています
この、抗原にいまだ接していない、いわば無垢のT細胞である「ナイーブT細胞」を作ったり成熟(分化)したりしている場が胸腺という組織なのですが生後1歳までがその発育のピークで、思春期くらいまで活動は盛んですが、その後退縮し、成人以降では脂肪に置き換わっていき機能はほぼ残っていない
その活躍を裏付けるように、胸腺は生後間もなくから1歳までで体重比では最大となり、一つのピークを迎えますが、思春期に臓器自体の重量は最大となります
身体の中で最も老化の早い臓器といわれる所以でもあります

これはつまり、成長するにしたがって遭遇する未知の抗原が減少するということを反映しているのか、それとも、胸腺の退縮というのが他の生物種でも共通事象である点からあらかじめ刷り込まれた既定路線なのか
胸腺の退縮はステロイドや成長ホルモン、性ホルモンによって促されるということが知られており、成人までにナイーブT細胞を作っておけばそれまでに役割の決まったT細胞、例えば、はしかやジフテリアの抗原担当とかを担う「獲得免疫T細胞」が一通りセットとしてあるだけで、必要時にいつでも引き出しを開けてそれから迅速に対抗できる細胞を増やす、、、という手段に移行できるシステムになっています
このようなシステムが一つはホルモンの影響を受けるということは、それ自体が、そしてそれに続く成熟、老化の道筋はあらかじめプログラムされた出来事のように思えます

このような既往の感染に対応する獲得免疫T細胞はいわば大人になって職に就いた社会人。多種類にわたりいろんなパターンのセットが備わって免疫系の準備が完成する。成熟した存在であるので、そのまま老化して老人になると少し適応性がうまくいかなくなったり、逆に不要に先鋭化したりする。これはそのまま40-50歳ころから増える炎症疾患、自己免疫疾患やがんという疾患に免疫異常が関与していて、いわゆる「免疫老化」に伴う疾患が増加するという結論に至る
まさに良いところと悪いところ、諸刃の剣という免疫系というものの性質を表しています

例えていうならば、
免疫系の老化現象の全体像は
先進国で多くみられるような人口問題、子供(ナイーブT細胞)は少なく知識は豊富だが老人(獲得免疫T細胞)、そうした老人がたくさんいる社会
免疫細胞と胸腺の発達という視点からみると1歳でピークを迎え、思春期以降衰え始める
言い換えれば老化は生まれた時から始まっているという事実

さて、それがわかったところで私たちはどう対処できるのか
日常で可能な対策を次回書いてみようと思います

では、皆様良いお年を

青山





高輪


Handbags and Gladrags
ROD STEWART こういう歳のとり方って、、、あこがれる。



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病気の話 26 記憶

2019-11-30 15:22:54 | インポート
さて、今年もあと一か月少々になって
スタッフの皆さんの計らいで
クリスマスと誕生日を兼ねてケーキを用意してもらうことになりました
どれがいいかと相談している最中、
「昨年はマロンケーキだったから、、、
と誰かが言い出したのですが、
「実は、、、全く記憶にない、、、食べた覚えすらない。」
なんてついうっかり言ったものだから
ちょっとひと悶着じゃなくてひとひんしゅく

記憶

記憶というと
最近TVとかでも観たことがあるかもしれませんが、
移植転移というお話
これは、心臓移植や肝臓移植を受けた患者さんがドナーの嗜好や経験を受け継いでしまった例があるという事例から作られた不思議な概念です。もちろん事実なのかどうか、そもそも科学的に取り扱うべき材料か否かもわからないし、すべて未解明ですが、あらゆる可能性をもとに仮説を立てていくのは面白いかもしれない

もちろん、
現社会で言う実際の記憶というのは短期記憶、長期記憶から始まり
海馬と大脳皮質と、、、シナップスの連携による伝達物質が、、、
というのはありきたりの教科書的ストーリーであってあまり面白くはない
そのあたりは普通に考えて想像にも難くないのだが
では、そもそも、記憶物質とは、DNAやRNA、たんぱく質のように形が存在するものなのか
あるいは例えばそのような核酸の配列を変えないままで修飾するのか
または、電気信号のように形はない、、、
実体は何なのか、、、、不明です

とても印象に残っている話があります
80年代のnatureであった科学論文で、
免疫抗体のIgEを希釈していく、100万分の一とかものすごく希釈して元のIgEなど残っていないくらいの、ほぼ水の状態にしてもそれが元来の働きの一つであるヒスタミン放出反応を引き起こす、という内容のもので、編集者が何度再検してもそうなる。だから、仕方なく事実として記載されたものなのですが、理屈が分からない。おそらく、希釈した水の分子に記憶する能力があるのかもしれない、というディスカッションで終わっていました
まさか抗体という分子を包み込む水分子に記憶力がある
というのは大胆な仮説だろうが、それはそれでおもしろい。ただ現実には単なるH2Oではなくて水はなかなか深い。巷では、いわゆる水が合わない、なんていう言い回しもあるくらいで
通常ミネラルやらなにやら溶け込んでいる物質があるので水の性質が際立つのですが、この実験では蒸留というステップを含む純水を使用しています

多くは謎なのですが、事実として、
この話がとても好きでずっと以来分子の記憶について考えています

さて、
最近2018年にアメフラシを使った実験でRNAに記憶する能力があるという発見がありました
アメフラシに電気刺激を与えるしっぽのあたりが収縮するのですが、繰り返していくと記憶して電気刺激ではなくとも触っただけで収縮するという記憶が成立する
次にそのしっぽの神経細胞からRNAを取り出して別の、全くそうした記憶を持たない関係ない個体に移植すると触っただけで収縮する反応が見られたち追う内容です。試験管内でも再現されているこの反応は原文によると収縮反応は約50秒、普通に触っただけでは10秒以下なのではっきり違う反応として誤差は出にくいと思われます

ポイントはRNAにはいろんな種類がありどれが具体的に機能しているのかわからない点、DNAの修飾反応も伴っているという点です。こういう場合はすでにRNAの特定に向けて進めているのでしょうが、DNAまで関連していて複雑そうに見えます。ただ、機能性においてはRNAが優位なのでRNAによるDNA修飾の誘導というメカニズムが考えられ、つまり、記憶の本体はRNAということになります

もしも、RNAに分子記憶の能力があればどうなるか
RNAは臓器移植レベルでは容易に移植されますので

さて、今年のクリスマスはアイスのケーキが無事用意していただけることになりました
めでたし。めでたし




Canadian Sunset
Jimmy McGriff



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病気の話 25 左利き

2019-10-30 12:56:56 | インポート
先日二子玉に行く用がありました
改札を抜ける時には何気にさっとパスモを取り出して、、、
前でつっかえる人がいる
後ろでイライラさんが何か声をあげる
駅ってほんとchaosな場所(磨きがかかってる感じ)。
最近楽天の会社が移転してきたので朝はとても人が多くて混雑しています
考えてみたらゲートは右にタッチする場所がある
当然世の中には右利きが多いから左利きの人には不便かもしれない、、、
普段全然考えたこともない、、、でもこういうの、いっぱいありそう

左利き

もちろん病気ではないのだけれども、少し堅い話が続いたので

左利きといえば人はそれぞれいろんなことを連想するのだろうけれども
自分の中ではポール・マッカートニー、ジミ・ヘンドリックス、ダビンチ、アインシュタイン、モーツァルト、ビル・エバンス、ビル・ゲーツ、ピカソ、、、、、多くの「天才」。とても昔から興味があり、不思議、かつある種の憧憬の念も持ち合わせる存在
科学的にはどうなっているのか、というのも興味深い

ちなみに、
自然界動物では右きき左ききは半々
人間だけが10:1と偏っている存在です
この点に関して、
人間特有の言語を介したコミュニケーションが発達した分、
言語中枢である左脳と関連する右利きが優位になったという説があります
右脳は創造するはたらきをすることが知られていますが
左利きでは右脳優位に働くのはプラスな点としても
やはり言語を操る能力は必要なので左脳としょっちゅう連絡を取って情報伝達しなくてはならない
現に脳梁という左右脳をブリッジする部分の発達が左利きの人では大きく発達しているという点でこの左脳優位→右利き説があります
以前DNAが右巻きだから説もありましたが
全然違っていて、たまたま右巻きのDNAからすべての複製がスタートしたためからだということであくまで偶然によるものと否定されています

さて、統計的に左利きの人は
右利きと比較して
よりIQが高い、収入が多い、アルコール依存症や不眠症が多い
などと分析されています

いろんな情報をまとめると
総じて創造する力が豊かだということ
合衆国大統領に多いのも財を成す+クリエイティブな発想が求められる職であるから
と考えると当てはまるかも知れません

想像し、創造する、というと
アーティストやサイエンス向きなタイプと考えられます
逆に公務員や官僚とかには少なそう

自分の経験では、
パスツール研究所など一流と言われる施設に在籍してみて
実に頭がいい人だらけだが、
想像力がある研究者は非常に少ないのは実感します
ほとんどが研究のための研究をしていて全然大したことない、、、ムダ
クリエイティブな発想ができる人は大体10人に一人くらい
調べてはいないけれど、左利きの割合と同じ程度

パスツール研究所といえば、
当時フランス語を学習していて
ふと疑問に思ったことがあります

右はdroit
左はgauche
まっすぐは、tout droit

なぜまっすぐは右と同じdroitなのか
右左は時として間違えると命取りになることもあるような重要な指示メッセージを載せている。もっと、はっきり違った方がいいのでは、、、
でも、そういえば、英語でも右と正しいと両者にrightという表現を使う
つまり、「右=正しい」という解釈もあります
(もっとも外国語の学習の基本はひたすら覚えていくことで、聞いた音はオウムように真似て喋るだけ、なぜ、なぜはあまり必要ないとよく言われる。Allez, on y va!

この点、よく知られているように
左利きというと歴史的にもネガティブなイメージが強いのも事実

さて、
このように謎な存在左利きですが、
最近この左利き遺伝子が同定されたという話題があります
SNPという遺伝子の多型解析によると(あくまでSNPも統計理論ですが、40万人のサンプルで)MAP2、MAPT、WNT3、MICBという4個に関連が見られており、これらは脳形成の一時期に必要な働きをするとともにアルツハイマーやパーキンソンなどの疾患とも相関するということです
つまり、遺伝的に違った背景があり、明らかに違った構造をしているということ
もしモーツァルトの音楽がなかったら、、、
この「違う」ということに感謝すべきなのでしょう

驚いたのは
このように右利きの凡人からすれば左利きはとても気になる存在なのですが
逆に左利きの人に聞いて回ると
ハサミや楽器や
から何から何まで世の中不便だらけなのだが、ただ、
「右利きの人」については関心がないという記事のことです

まるで映画(アマデウス)の中で
サリエリはとてもモーツァルトのことが気になって仕方ないのに
片や眼中にない、ああいう存在なのかも知れない


伊豆


My Foolish Heart
Bill Evans Trio



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病気の話24 ベル麻痺

2019-09-30 13:20:05 | インポート
久しぶりの患者さん「この間顔面神経麻痺になっていろいろたいへんでした。」
「でも今は全く異常はない様子ですね、、、診断はベル麻痺?」
「そうです。」

ベル麻痺 Bell’s palsy

イギリスのベルさんが200年以上前に報告したのは顔面神経麻痺症状で通常予後は良好なものを一般に称しています
その後当然その中身はいろいろと明らかになって、脳腫瘍や血管障害などを除外して原因不明(特発性)の片側性抹消顔面神経麻痺を今ではこう呼んでいますが、多くはウイルス、特に単純ヘルペス(HSV)という割とありふれたウイルスであったりします
分類上同じヘルペスでより強力な帯状疱疹や水疱瘡や水痘帯状ヘルペス(VZV)はラムゼイ・ハント症候群と呼ばれていて、強力な感染症の分、めまいや耳鳴りといった症状に加えて耳に水泡性病変を確認できることもあります。抗ウイルス剤とともにステロイドを使いますので難しい判断が必要なケースです

このようにベル麻痺はそうした明らかな原因を除外することで残った、尚且つ、たいていが急速に治癒する顔面神経麻痺という定義になります
そうすると、VZVのように症状が強く出ない単純ヘルペス(HSV)感染によるものが相当数これに該当し、6割以上という報告もあります
いずれにせよ、除外診断になるので頭のCTとか耳鼻科的検査とか内科領域では深追いしないのですが、ポイントは単純ヘルペスや帯状疱疹は日常とてもありふれた病態である点ちらちら視界に入ります
もう一つ、これまた小児のありふれた病気で突発性発疹というのがありますが、これもHHV6/7という同じヘルペスウイルスの仲間によって引き起こされ、その後成人になっても約9割でその後というか、潜伏感染しているということが知られています

つまり、このヘルペスウイルスは疲れた時に口の周りとかにブツブツできる単純疱疹、成人になって水痘様皮疹が再発する帯状疱疹、そして、HHV6/7しかり、いずれも体内にウイルスが長期間残っている、「潜伏感染」という特徴がある点特殊です

潜伏感染はなぜ興味深いかというと、二点
どうしたら再発による病気を予防できるのかという点と
もう一つはそれが長期間体内に共存するということはうまく制御できれば遺伝子を持ち込みで治療に使える可能性がある点です

さて、生き物は周囲の環境条件など状況が悪くなるとその活性を抑えて状況が好転するまでじっと長く我慢するものがいます。たとえば、最近では月に行ったクマムシとかどうなるのかという話題もありますが、乾期で水がなくなるとじっとして雨季を待つ肺魚とか、カエルや動物の冬眠などもその一種とも考えられ、ヘルペスウイルスの潜伏感染は宿主の免疫との関連性があるのでそれに似たような背景が想定されます

最近、潜伏感染のきっかけになるパーツとしてVLT(the spliced VZV latency associated transcript)の存在が明らかになっています
それによると、VLTと遺伝構造的非常に類似した物質(VLTly)は増殖時期に多く認められ、増殖を活性化する因子(アクティベーター)の一種あるいはその上流の制御因子とも考えられますが、VLT自体は潜伏期に限って多く認められている点、両者は同じ遺伝子からスプライシングという機構で作られている類似物質ということが分かります
つまり、二つの相反する作用を持った物質が、ウイルスの短い遺伝子の同じ部分からスプライシングという機構で作られて、アクセルとブレーキをコントロールしている可能性を示唆しています
スプライシングという機構はしんかく高等生物が不要に外部から組み込まれたりした有害な遺伝子産物を除外するために切り取りを行う作業なのですが、さらにその中間でできた産物を組み合わせたりすることで実に多彩な編集をしていて、たとえば、ヒトのジストロフィーなどの疾患ではその関与が知られているものもあります

どうしてヘルペスウイルスがこのような複雑な宿主のスプライシングの機構にうまく乗っかったかは謎ですが、そもそもこの手の「へえーっ」という現象、実はあまり大したことはない
「たまたま」「偶然」の結果によるものが多く
その積み重ねと振るい落としが進化の本体ではないか、
と考えるのが柔らか頭です

朝市








First flight home
Gregg karukas



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