ナガイクリニック院長ブログ!

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サイエンスの話 17 脳の老化

2022-04-29 14:01:17 | 日記
気力とは、、、
やる気と表される精神力。

最近結構いろんなことが面倒になって、、、いわば先送りしていることも多くて、いかん、いかん、と気合いを入れ直して、、、

この気力というやつ、例えば、受験勉強の学生さんからITの起業から、主婦の夕食の準備から、何をやるにしても必要で、ある意味記憶とか計算、創造とか数ある脳の働きの中でもかなり上位にあると考えられる。
話は飛ぶが、個人的に動物園ってあまり好きじゃない。野生と違って動物にどうも覇気がないのを見ていると可哀想に思えてアフリカに連れて行って解き放してやりたい気がする。片や囚われの身として未来がない、そういう環境因子の故に仕方ない、本人たちはやるせないと思う。

このように考えると、気力を決定する因子の一つに環境。
環境によってそれが内分泌因子ホルモン系にフィードバックされて気力がなくなる。確かに、成長ホルモンとか注射すると何もなくとも無性にやる気がみなぎったりすることが実感できる。
それから、こうして作家の真似事のように文章を書いている時など必ずと言っていいくらいカフェインに依存している。
カフェインの刺激によって、気力がアップするとともに、頭の回転も良くなる。
個人差があるということもマウスで実験的に証明されているものの、個人的にはコーヒー>紅茶>緑茶がよく効く。
効きすぎて5時以降に飲むと眠れなくなる。
最近は以前のような毎日のスターバックスをやめて紅茶党に宗旨変えしたのでやや朝の活力は少なめですが、そのぶん夜とてもよく眠れる。

そこで、もう一つ、気力は老化に伴って衰える、、、つまり、脳の老化の一つの表現系という考え方。
確かに、無気力な子供などというのは見たことがない。

これが科学的に脳の老化であればそのメカニズムなど興味深いと同時に、極力予防したいものです。

でもって、最近のサイエンスの流行のテーマの一つに老化細胞とそれを標的にした老化細胞除去senolyticsがあります。

これは異常細胞を細胞死に追いやることで健全な細胞を選択したり増やしたりという概念。 細胞のがん化を防ぐなど、私たちの体をより良い状態に保つためのシステムとも言えます。
もともと90年代あたりに発ガン抑制のメカニズムなどで流行ったプログラムされた細胞死(apoptosis)の概念と同じですが加齢性疾患を遅らせる、予防する、緩和する、または逆転させる薬剤を発見または開発すること、あるいは老化を抑制する方向に発展性が垣間見える。

そこで、
脳の老化
と言ってもその本態は何か、という辺りから探ってみる。

Microglial replacement in the aged brain restricts neuroinflammation following intracerebral hemorrhage
老齢の脳でミクログリアの置換による脳内出血後の神経炎症の抑制
Cell Death & Disease volume 13, Article number: 33 (2022)


背景

ミクログリアmicroglia細胞は中枢神経系グリア細胞の一つであり、発生学的に骨髄由来の単核細胞の前駆細胞が血液脳関門が不完全な間に脳内に移行して、そこで成熟を遂げたものであることから中枢のマクロファージ的存在として知られている。

このミクログリアは強い貪食作用を示し、障害を受けた死細胞を取り除く作用により、有害な細胞内因子の漏出を防いで脳内環境を保つ意味で重要な働きを担う。

また、最近は生きた神経細胞を貪食して組織中から取り除くといった現象としてファゴプトーシス phagoptosisが知られており、病原体や細胞からの分泌物や老廃物の除去という、健常状態においてある種抗老化作用を維持する重要な役者と言える。

 だが、しかし、同時にミクログリアは病的状況においては凝集したタンパク質やその他の長期にわたる有害刺激に応答し、放出されるTNF-α、IL-1β、IL-6などの炎症性サイトカインやケモカインにより慢性的な炎症がニューロンなどの脳細胞にとって非常に有害なグリオーシスと呼ばれる慢性的な炎症促進性の反応を引き起こす主体ともなる。
結果として、多発性硬化症やアルツハイマー病などの中枢神経系疾患の悪化につながることが示唆されている。
 
 つまり、このミクログリアの二面性、ミクログリアは急性の有害なイベントから脳を保護する機能を持つ一方で、ある環境下でミクログリアが長期にわたって活性化されると疾患の進行に寄与するようになるという側面があり、よく出てくる多発性硬化症やアルツハイマー病やに加えてアストロサイト障害のハンチントン病 (HD) など難病を誘発する原因になりうる。
 簡単にいえば、程よいところでこのミクログリアは仕事したら引き上げてくれないとそのまま居座って、長期に活性化されると疾患の進行に寄与するようになる。

内容

では、そうした背景を踏まえ、すでに老化した脳からミクログリアを除いて新しくやり変えると(ミクログリアを除去して置換することにより、ミクログリア細胞を若返らせた結果)脳は若返り、ダメージに対する抵抗性が増したり、病状が早く改善したりするのか、試してみたというのが本論文。

実験

1→2→3→4
1. 老化マウスモデル

老齢のマウスC57BL/6(16~20か月)を用意。

2. ミクログリアを除去して置換する

ミクログリアは、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)の薬理学的阻害を介して排除することができることが知られており、CSF1R阻害剤であるPLX3397を固形飼料で3週間与え、その後、3週間阻害剤フリー食を与え飼育し、PLX3397の離脱症状を観察し、離脱を確認した。

→この作業によりミクログリアは脳内で古いものが除かれ新たにリフレッシュされた「若いミクログリア」に置き換わった=ミクログリアの置換。

3. コラゲナーゼ注射による脳内出血の誘発

→コラーゲン分解により血管を脆くすることで誘発。

4. 老化脳におけるミクログリア置換の影響を観察した。

若くなったミクログリアのによって炎症反応は抑制されるのか否か。


結果

・コントロール食を与えられた高齢の脳内出血マウスと比較し、ミクログリアの置換(若いものにリフレッシュ)したものでは、まず脳内出血後のミクログリア自体の数が減少したことを発見した。

ミクログリア置換マウスでは脳内出血後の神経学的欠損と脳水分量の減少が見られた(症状の軽減)。

老化脳におけるミクログリアの置換は、脳内出血後の脳浮腫の重要な原因となる血液脳関門の破壊と神経細胞死を弱めた

・ミクログリアの置換は、脳内出血後の高齢脳における白血球浸潤(炎症のミクロでの指標の一つ)とミクログリア活性を抑制した。

・ミクログリアの置換が脳内でどのような影響を及ぼしているのか、好中球、単球、NK細胞など脳内出血マウスの脳内の免疫細胞サブセットの数を測定したところ、免疫細胞系の活性抑制から炎症の抑制を惹起しているという一つのメカニズムが判明した。

・ミクログリアの置換は、ICH後の老齢マウスの脾細胞に有意な影響を与えなかった(その他臓器(の代表としての脾臓の)免疫系に影響はなかった)。


まとめ

老化した脳のミクログリア置換が脳内出血後の神経炎症と脳損傷を軽減した。老化の予防や治療に使える可能性を示唆。

考察

老化脳からミクログリアによる免疫にいわば過剰反応の表現系である炎症を抑制することで脳のダメージ軽減、あるいは回復を助けることができる。


では、次に、
他のサイトカインや分泌元の細胞群など抑制したらどうなるのか、という疑問に対する他の論文。

Neuroblast senescence in the aged brain augments natural killer cell cytotoxicity leading to impaired neurogenesis and cognition
老化した脳における神経芽細胞の老化は、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性を増強し、神経新生と認知の障害を引き起こす
Nature Neuroscience
volume 24, pages 61–73 (2021)


老化した脳におけるNK細胞の蓄積が神経新生を損なうことを発見した。
NK細胞を抑制することで老化した集団の認知を改善するための治療標的として役立つ可能性がある、という報告。

脳内の「炎症」というキーワード。

実験系では炎症のモデルとして脳出血が用いられていたのですが、何も脳出血ばかりが炎症ではなく、他にもバクテリア性や日本脳炎、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスなどウイルス性脳炎や脊髄炎、髄膜炎からの派生、外傷性の脳損傷、など多くあります。

また、血液脳関門(BBB)の健康という観点からはBBBを大切にすることが炎症予防の一歩手前にある重要な段階なのではないかと考える。

高血圧,急性虚血後再灌流,慢性低灌流糖尿病が脳室 周囲領域を中心とした脳全体のバリア障害をもたらす 。概ね高齢者脳に生じている病態と類推できるのでは。


また、最近ではこういう報告もある。

The SARS-CoV-2 spike protein alters barrier function in 2D static and 3D microfluidic in-vitro models of the human blood–brain barrier
Neurobiology of Disease
Volume 146, December 2020, 105131


肌のように目に見える部分と
メンタルや脳など見えない部分含めて、
全身の老化予防には日頃から気を配っておきたいものです。



カクテル 13 パラダイス paradise

1930年代から存在するいわばクラシックなカクテル。
ネーミングもしかり、味、香りともフルーツ系でどことなく甘々な感じで臨むとそうでもない。ジンのせいか、実はかなりauthenticな印象を受ける。

・ドライ ジン        30 ml
・アプリコット リキュール  15 ml
・オレンジ ジュース      15 ml
・レモンジュース       5ml

シェークしてグラスに注ぐ。

Notes; 表向き甘いが、芯がしっかりとある。飲んで特にパラダイス感は感じないが、こうありたいという理想を感じさせる一杯。

Hymn To Freedom 🎵
The Oscar Peterson Trio

Oscar Petersonの演奏は休止符が少なく常にずっと弾いている感じがバーでお酒を飲むムードにマッチしているように思える。

サイエンスの話 16 「言葉遊び」 創造力とセレンディピティ

2022-03-29 15:30:45 | 日記
記憶を効率化する際に使うのは関連づけというテクニックがあります。
おそらく長期記憶の元になる分子は多い少ないという濃度差があり、効率よく、うまく引き出せない場合も多い。それらがいろんな形態にプールされていてそれを手繰り寄せることで省エネ的に記憶を再生させることができるのではないかと考えます。
例えば、新しく出会った人の顔など
「ああ、あの小説の主人公のお名前」
とか会話すればその場面が記憶される。
暗記という単純作業中心の勉強を行う医学部では一層磨きがかかる。

ただ、その逆、
関連させる能力とは逆に、
関連させない様な能力というのは実は関連させることを知っていて、あるいは極めてその結果「外す」脳のより高次の機能なのか。
C、G、F、D、、
そこへ、ちょっとDm7、Ddim7、、、と入れてみるとjazz風になる。

結局、頭脳効率の良さとは、何か。
暗記力、想像力、洞察力、、、この辺の総合力やバランスなのではないかと思うのです。
歌がうまい人、楽器がうまい人、巷に多く見かけますがほとんどが音楽と関係のない仕事をしている。
つまり、脳の働きに関してもっと高度で重要なことは創造、独創力であったり、非凡庸さであったりするのではないかということ。

でもってそれを科学的にどう客観的に捉えることができるのかという議題があって、最近その答えの一つとして、いわゆる「言葉遊び」にそのヒントがありそうだという話。私的には言葉遊びといえばやはりジョンを思い浮かべます。

GIVE PEACE A CHANCE♪
Plastic Ono Band

Ev'rybody's talking about
Bagism, Shagism, Dragism, Madism, Ragism, Tagism
This-ism, that-ism, is-m, is-m, is-m. 

C'mon
Ev'rybody's talking about Ministers,
Sinisters, Banisters and canisters
Bishops and Fishops and Rabbis and Pop eyes,
And bye bye, bye byes. 

All we are saying is give peace a chance 
All we are saying is give peace a chance 







ー創造性の尺度とは何かー


Naming unrelated words predicts creativity

PNAS June 17, 2021 | 118 (25) e2022340118 |
 

Mind the gap: an attempt to bridge computational and neuroscientific approaches to study creativity

Front. Hum. Neurosci., 24 July 2014 



創造性を客観的に測定する、定量化することができれば、人材の選択、例えば学校や会社の試験において効率化されるとか、人が限界ならAIにそのエッセンスを教えて進化を期待するとか、科学の効率的な発展に寄与するかもしれない。
あるいは、もっと簡単に身近なところでは、ユーモアのセンスも磨かれるかもしれない。
例えば、タジキスタンと聞いて、
「ああ、知ってる。ウズベキスタンやアフガニスタン、トルクメニスタン、宗教は、、、人口は、、、首都は、、、」
と答えるのはメンデルスゾーンの音楽ばりにmajor codeの直球。
「ああ、知ってる。ウズベキスタン、アフガニスタン、北新地、南千住、、、今どこだっけ?」
もちろんTPOによるが、うまく応用すれば話が退屈な人ではなくなることができるかもしれない。

さて、
創造性の定量化が難しいのは
でその背景には言葉とか文化の影響というのがあり均一化するのに困難がある。
たとえば、世界には時制のない言葉などもある。ある地域では井戸を掘るのに想像力を働かせているかもしれません。
言葉や文化、教育による素養の違いがあります。

そこで、
「客観的なスコアリングにより短く単純に創造性の測定が信頼性高く行えるシステム」を構築した、という論文。

内容

 創造性の定量化という課題は以前から特にUSAでは心理学等の分野で試みられてきたが難しい問題でした。おそらくその様な能力を手テストで見極めることができれば教育面のみならず様々な分野への応用ができます。

しかしながら、これまでの所、創造性の多面的な性質を適切に捉えることができる単一の手段や方法はありません。
実際、これまでに100をはるかに超える対策が開発され、この目的に適用されています。

例えば、RAT リモートアソシエイツテスト Remote associates test(1962)があります。
RATは、人間の創造性を判断するために使用される創造性テストです。 
テストは通常40分続き、それぞれが無関係に見える3つの一般的な刺激語で構成される30から40の質問で構成されます。 テストされる人は、最初の3つの単語のそれぞれに何らかの形で関連している4番目の単語を考えなければなりません。

例題:「紙 」、「石」、「火」
があります。
これら3つのものと有効な複合語を作成する言葉を考えなさい。

答え; 壁(壁紙 wallpaper、石壁 wall 、ファイアウォール firewall)

これって正直難しい。
よくあるマッチ棒の問題の様に「とんち」の要素が入ってきてる様でちょっと違う気もする。言葉のアヤというか、背景が複雑で地域や年代の影響も受ける様に思われます。
そこで、
もう少し簡便で偏在因子の少ない、一般的なアプローチはないか、、、

ということで、
Divergent Association Task(DAT)
というスコアリングのための方式を提案します。

DATの提案

創造的な人々がより多様なアイデアを生み出すことができると仮定します。これが正しければ、単に無関係な単語に名前を付けてから、それらの間の「意味的距離 sementic distance」を測定することは、発散的思考の客観的な尺度として役立つ可能性があります。
「意味的距離」とは、「手」と「足」あるいは「水」と「風」は近い。「ノコギリ」と「晩御飯」は遠いという風に。
この仮説を検証するために、8,914人の参加者に、可能な限り異なる10個の単語に名前を付けてもらいました。

次に、計算アルゴリズムが単語間の平均意味距離を推定しました。
関連する単語(猫と犬など)は、関連しない単語(猫と指ぬきなど)よりも距離が短くなります。より大きな意味的距離を生み出す人々は、従来の創造性の尺度でもより高いスコアを獲得すると予測しました。
また、Divergent Association Task(DAT)の結果は、
「従来ある他の2つの定評のある創造性テスト」
AlternativeUsesTask(代替使用タスクAlternative Uses Task,AUT)
Bridge-the-AssociativeGapTask (BAG)
の結果と一致し、
同じくらい効果的であることを示唆しています。

方法

被験者 8,572人 にDAT、と共に従来型のテストである代替使用タスク(Alternative Uses Task,AUT) 、Bridge-the-Associative-Gap task (BAG)を行ってもらう。
相互の相関関係を分析する。

・AUT  (代替使用タスクAlternative Uses Task,AUT)

拡散的思考法の測定方法の一つで1967年にJ.P.ギルフォードによって考案された。
    その独創的なアイデアをできるだけ多く回答させる。レンガの使用は壁を作る、のほかに、鉄アレイの代わりにする、ドアストッパーにするなど。
流暢性 fluency 重複のないアイデア、その用途の数
柔軟性 flexibility  重複のないアイデアの種類の数
独創性 originality アイデアの希少性の度合い、用途のの違いの度合い
綿密性 elaboration アイデアの表現における詳細さ、綿密度合い
を持って判定します。

・BAG  (Bridge-the-Associative-GapTask)
収束的思考のテストであるBridge-the-Associative-GapTaskでは、参加者には、互いに関連している、または関連していない単語のペアが提示されます。
たとえば、「キリン」と「スカーフ」が提示された場合、
関連する3番目の単語=答えは、
「首」
になります。

(収束的思考と拡散的思考 故障したコピー機の話) 

Fig4
 

しかも、
DATは、時間のかかる主観的なスコアリングシステムを必要とする多くの従来の創造性テストよりもシンプルでたった10個の単語をピックアップするだけのタスクで約4、5分で終わります。

従来型の創造性測定に関するシステムは多文化評価を難しくしますが、98か国の8,572人の参加者にDATを試みた結果、意味距離は人口統計によってわずかに変化しただけであり、テストは人口統計学的バイアス無く、多様な集団で使用できました。

結論として、
DATは、簡便で優れた創造性タスクのモニターリングシステムと言えます。

DATの実際

内容は簡単でやり方は次のとおりです。


・以下のサイトで、
定義、カテゴリ、または概念において、可能な限り無関係な10個の単語を考えて、入力します。それだけです。



誰でも行うことができます。

ルールは単純で以下の様になります。

1)単一の英単語のみを使用してください。

2)名詞(物、物、概念など)のみを使用してください。

3)固有名詞は避ける

4)専門用語は避ける

5)自分で言葉を考えてください
(たとえば、周囲の物を見てペン、紙、パソコン、、、とやれば思考が偏在します)。

6)このタスクを完了するには大体4分かかります。

DATの結果

・参加者

参加者は、オーストラリア放送協会によるキャンペーンの一環として、テレビ、ラジオ、ソーシャルメディアの広告を通じて募集されました。合計8,572人の参加者が98か国から調査を完了しました。参加者のほとんどはオーストラリアからでした。

・スコアの実際

次に、それらの間の意味的距離(ssemantic relations, distance)を計算します。最小スコア(ゼロ)は、単語間に距離がない場合、つまりすべての単語が同じ場合、理論上の最大スコア(200)は、単語が可能な限り異なる場合に発生します。

実際には、スコアは通常65から90の範囲であり、100を超えることはほとんどありません。
50未満のスコアは、無関係な単語ではなく、反対の名前(昼と夜など)などの指示の誤解が原因であることがよくあります。

このように、スコアは直感的に試験の成績と考えれば、
50歳未満は貧弱で、
平均は75から80の間で、
95は非常に高いスコアになります。

これ実際自分でチャレンジしたところ89.4のスコアでした。

セレンディピティ serendipity

この様に言葉遊びの他にも
「頻繁な引越し」
(北斎の93回、ベートーベンの79回など)
はなんらか関連がある様に個人的には思っています。
他にも脳機能に関連して興味深い事象は
「独り言」
「カフェイン応答性」(実際ジョンとポールも集中して作曲する際には紅茶というクスリをよく使ったと述べています)
などなど。

このうちひとつ取り上げてみます。

「セレンディピティ」

セレンディピティ(serendipityー造語)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
wikipediaにうまくまとまっている様に思えるのでそのまま。


以前も書いた様に思いますがフレミングの話は好き。
目的とするブドウ球菌の培養実験中にシャーレにカビが生えてしまい、
通常なら
「あーあ、失敗しちゃった。やり直しか。」
が、それを改めて観察すると青カビの周りにはブドウ球菌が発育していなかったことに気づいた。もしかしてその青カビには菌を殺す殺菌作用があるのではないか、と考えたことから抗生物質ペニシリンを発見しノーベル賞をもらった。

O・ヘンリーの短編に「手入れの良いランプ」というのがあります。
普段から万事準備怠りなくしておきなさいという話、少し通じる点もある様に思えます。
ちょうど網を張る様な多彩な発想、洞察力と心の準備。
多様な無作為に広がる思考をベースに新たな発想が生まれる
というのがセレンディピティが起きるタイミングではないでしょうか。

カクテル 12

アラバマ・スラマー
Alabama Slammer

ジャニス・ジョップリンも好きだったというサザンコンフォートSouthern Comfortというその名も南部で作られるウイスキーとフルーツミックスのリキュールをベースに使うカクテル。

材料
サザンコンフォート 20ml
アマレット 20ml
スロージン 10ml
レモンジュース 10ml

やっぱり「南の快適 comfort」とか言われるとどんなんだろう、
どうしても気になってこれは飲んでみなきゃいけないんじゃないかと、、、、
カクテルのタイトル、Alabama Slammerはそのまま「アラバマの刑務所」という意味になるそうですが、特にアラバマにも刑務所にも関連はなくこれも一種の言葉遊びらしい。
トム・クルーズの映画「カクテル」にも登場したカクテルらしいので、調べてみようとうちにあったDVDを入れたら機械の間に滑って落ちて結局観れず、そこはわかりませんでした。

Notes; 甘い。ピーチが前面に来る感じ。どこかノスタルジックな味。

上記文章から連想する言葉列
peach, hippie, motorbike, sunglasses, accident, microphone, cocktail, spy, conspiracy, disc

All we are saying is give peace a chance ♪
All we are saying is give peace a chance ♪

この時期近所でとても綺麗に咲いていたミモザ


I Didn't Know What Time It Was ♪
Buster Williams · Herbie Hancock · Wayne Shorter · Shunzo Ohno · Al Foster

サイエンスの話 15 プリオンと記憶

2022-02-28 16:55:56 | 日記
なぜ記憶が生き物にとって大切なのか。

Behavioral flexibility is essential for survival, and it relies on the plasticity of the nervous system. 

「行動の柔軟性は生存に不可欠であり、それは神経系の可塑性に依存している」

背景

短期記憶(STM、数秒から数時間の短期間持続)と異なり、数日、数ヶ月、数年、または生涯にわたって安定している長期記憶(LTM)は、核遺伝子発現の変化とde novoタンパク質合成を必要としています。
様々な実験度物でタンパク質合成阻害剤の効果を観察から長期記憶の形成には神経活動によって遺伝子発現の変化を誘発、結果として新たなタンパク質合成を伴うことが示されています。

記憶形成に必須のシナプスmRNAの翻訳制御では、mRNAは輸送され、翻訳的に抑制された状態でシナプスに局在し、RNA核タンパク複合体(リボヌクレオタンパク質 Ribonucleoprotein、RNP))にパッケージ化されて存在します。
mRNAの翻訳は、ここで翻訳の複数の段階で制御されることが知られています。

また、RNA結合タンパク質に加えて、ニューロンのmRNAの翻訳は、脳組織に豊富に存在するマイクロRNA(miRNA)などの非コーディングRNAによって制御されます。

記憶が分子の代謝回転よりも長持ちする、場合によっては一生続く記憶というのもあります。
ここで、関与する分子崩壊によって記憶、つまりシナプス局所の翻訳を始めるとそれを留め置くことができない、「分子回転」という問題に直面します(一生とか長期間タンパク質が残存できない)。


REVIEW article
Front. Behav. Neurosci., 30 March 2021 | 

The Making of Long-Lasting Memories: A Fruit Fly Perspective
長期記憶の作成:ショウジョウバエにおける展望

長期記憶の「維持」のために提案されたモデルは、主に、シナプス関連タンパク質合成が、ほとんどのタンパク質の崩壊が数時間の間に起こることを考えると、数日または数年続く記憶をどのように説明できるかを説明する必要がありました。したがって、LTMの持続性に関する理論は、継続的なニューロン刺激を必要とせずにシナプスの持続的な変化状態を保証するためにプリオンの無毒なコンフォメーション状態の伝播が記憶の保存などの細胞機能の根底にある可能性があることを示唆するプリオンの記憶理論についての考察。

始まりは、
酵母プリオンが環境シグナルに応答して遺伝性の表現型の多様化を確実に誘導する
という98年頃の論文から導かれる仮説。

Prion proteins as memory molecules: An hypothesis. Neuroscience 1998; 86:1037-43

分子の代謝回転に耐性のある方法の一つのオプションとしての
プリオンのようなコンフォメーションスイッチ自己増殖で説明できるのではないかという考え方がありました。
実際にCPEBタンパク質(前回分、アメフラシのプリオン様核タンパク質)は、in vitroでプリオンのようなコンフォメーションに存在することができ、アメフラシでの長期記憶に必要であることが証明されています。CPEBタンパク質の有するプリオンのような特性が、特定のシナプスの長期可塑性の持続を促進するために、可溶性モノマーから自己増殖性オリゴマー「プリオン」型への活性誘導コンフォメーションスイッチングを可能にするモデルが提案されました。

以下ショウジョウバエの例になりますが、
アメフラシでのCPEBに相当するプリオン様タンパク質(ortholog オーソログ) であるOrb2が、Orb2モノマーと自己組織化(コンフォメーションスイッチ)によって形成されたオリゴマーは、mRNAの調節において異なる役割を果たします。

・ニューロンのアメフラシCPEBと同様に、Orb2は単量体およびアミロイド様のオリゴマー形態で見られます。

・Orb2アイソフォームOrb2Aはオリゴマー化に重要であり、単一点突然変異(F5Y)は、その凝集特性、ならびにコートシップコンディショニング(Courtship Conditioning Assay、ショウジョウバエの訓練と記憶の尺度としての実験系)、および食欲コンディショニングに関連する記憶の固執の欠陥を示す。

・精製された単量体またはオリゴマー(多量体)のOrb2AおよびOrb2Bをinvitro翻訳アッセイで使用した研究では、
単量体のコンフォメーションが翻訳抑制因子であるのに対し、
オリゴマー(多量体)のOrb2AまたはOrb2Bは翻訳を促進させることが明らかになった。

・Orb2Bアイソフォーム(構造は異なるが同じ機能をもつタンパク質)は、そのRNA結合ドメインが記憶形成に関与するmRNAを翻訳的に調節するため、従来のCPEBとしてmRNAの翻訳調整機能をする。

Orb2の働きについての仮説

Orb2単量体と自己組織化(コンフォメーションスイッチが入ることにより)によって形成されたオリゴマー(多量体)は、mRNAの調節において異なる役割を果たし、形成された記憶の持久力に必要な刺激されたシナプスの変化の維持を可能にする可能性を示唆します。

・導かれるモデル系

単量体は結合したmRNAの脱アデニル化を促進し、分解を受けやすくしますが、オリゴマー(多量体)はpolyAの長さを増加させ、mRNAを安定させ、翻訳を促進します。
結果として、記憶が再生されます。



このモデルを確立するための重要な要件として、
活性シナプスでの単量体からオリゴマーへのコンフォメーションスイッチをもたらすことを証明する必要性があります。

そこで、提起される問題点として、
まずPrpはどのようにして特定のシナプスに送達されるか。
またはこれらの場所における「タグ」(前回記述分)によって「捕捉」されるのか。

考えられる可能性として、

(1)新たに転写されたmRNAは体細胞質で翻訳され、タンパク質は関連するシナプスに輸送されて捕獲される。

 (2)新たに転写されたmRNAは関連するシナプスに輸送され、そこで翻訳が行われる。 

(3)PrpをコードするmRNAは、構成的に存在し、沈黙した状態でシナプスに保存され、後でシナプス活動に応答して翻訳される。

これまでの多くの研究は、
mRNAが活性シナプスで局所的に翻訳されること、およびこの局所的なmRNA翻訳が長期のシナプス可塑性に必要であることを示しています。

・記憶形成におけるOrb2の制御

 以前の研究でOrb2の発現は神経活動によって誘導され、記憶獲得のために発現されることがトランスクリプトミクス分析(翻訳されたタンパク質の質や量の解析)で判明しました。
 CryoEM顕微鏡を使用した最近の研究ではOrb2は、長さ75nmの3重対称アミロイドフィラメントを形成します。これらのフィラメントの形成により、Orb2は翻訳抑制因子から活性化因子およびさらなる凝集を開始すべく変化しました。

 これらの研究は、ショウジョウバエOrb2のようなプリオン様タンパク質が長期記憶形成中に分子タグとして機能する可能性があるというエビデンスを提供しています。
これまでに報告されたその証拠:

A、Orb2Aはシナプス膜に富み、複数のシナプスタンパク質と相互作用します。 
B、Orb2は活動依存的にアップレギュレーションされます。 
C、この活性化は刺激された、関連するシナプスに制限されている。 
D、Orb2Aの活性化は単量体からオリゴマーの形に変化します。 
E、ほとんどのシナプスに存在する可能性のある単量体型は、翻訳抑制因子として機能するため、可塑性に関連するタンパク質の翻訳を阻害します。

しかし、
これらはプリオン記憶仮説の核となる要素を証明するには不十分です。

ここからが興味深い。

病気のプリオンについて。
プリオン病や神経変性疾患では不可逆的なアミロイドの形成を特徴としています。
アミロイド凝集体 Amyroid bodyがプリオン様ドメイン(独特の構造、LCモチーフ(low complexity)と言われるグリシンのジッパーモチーフ、つまり、GxxxG (G グリシン)として表される 3 つの介在アミノ酸によって隔てられた 2 つのグリシン残基のパターンが連続する構造etc.,)を有するタンパク質の立体構造が相互に凝集する形で糸がもつれた糸玉のように固まるイメージで生成されるとそれが毒性を持つことから神経細胞の機能不全、変性へと連なることが知られています。
プリオン様ドメインを有する仲間のタンパク質、FUS、TDP43など多く見出されており、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、癌などの他の非感染性変性疾患に関連している感染型のプリオンPrPSc(ミスフォールドされた異常型)と呼ばれ、アミロイド形成というのがそのミクロの病理メカニズムのエッセンスであるということです。

では、reviewに戻って、
、、、中でも筋萎縮性側索硬化症(ALS)および前頭側頭型認知症(FTD)の病理に関与しているTDP-43、FUS、TAF15およびhnRNPアイソフォームA2B1およびA1などこれらのRNPコンポーネントのLCドメインの変異は、神経変性疾患との遺伝的または病理学的関連を示し、これらのRNP(RiboNucleoProtein 核リボ核タンパク質、細胞核に存在するRNAとタンパク質の複合体)コンポーネントを含む過凝集誘導封入体は、疾患の病理にも関連しており、どちらもアミロイド様アセンブリの駆動におけるLCドメインの役割を示唆しています(これまで述べたとおり完全に病気に関与しています)。 

つまり、この様な複雑でな神経疾患を引き起こすプリオンタンパク質やプリオン様ドメインはアミロイド凝集体という分解不能で不可逆的な構造物を形成して正常の働きを損ね、神経系に機能不全をもたらすいわば元来タチの悪いものだということがまずコンセンサスです。

一方で、そういうものが記憶という生命にとって大切な働きに関与していたとするならば、有害なアミロイド凝集体は蓄積してどう処理されるのか、という疑問だ出てきます。

そのあたりの説明・考察が以下になります。

簡単に言えば、
プリオンタンパク質やプリオン様ドメインが
より緩やかでかつ可逆的な、立体構造を形成することが可能であり、そのいわば良い作用によって長期記憶形成に有用に働くのではないかということです。

・プリオン様ドメインの働きはRNA調節に関連する(既説)

プリオン様ドメインはRNA結合タンパク質が著しく濃縮されており、RNA調節に関連していることを示唆しています。
さまざまな予測アルゴリズムを使用しプリオンドメインを特定していくと酵母、ヒト、アプリシアにおけるRNPのRNA結合成分は、アミノ酸の複雑さ(LC)が低く、疎水性残基がなく、荷電残基が豊富であることを特徴とする本質的に無秩序な領域(IDR)を持っているという特徴があります。
驚くべきことに、ヒトゲノムの1%のみがRNA認識モチーフ(RRM)を含んでいますが、タンパク質を含むヒトプリオンドメインの11%がRRMを持っており、サブセットで濃縮されています。

しかしながら、vivo(生体内)でのこれらのドメイン間の相互作用の生物物理学的性質および構造的詳細は、依然明確に特定されていないままです。

・シナプスにおけるmRMAの翻訳調節

一方で、これまで見てきた様にニューロンの活動に応じたmRNAの効率的かつ迅速な翻訳には、mRNAが安静時のシナプス領域に便利に局在化する必要があります。
それらはまた、ニューロンの活動性に従ってタンパク質合成を可能にするために、翻訳的に抑制された状態で輸送される必要があります。

ここで注目されるのがさまざまな翻訳調節因子とともに非翻訳mRNAを含む真核細胞の細胞内顆粒P-body(PB)とストレス顆粒(SG)など細胞内の顆粒です。
(RNAとタンパク質の複合体からなる細胞内顆粒 液液相分離の項)

・ニューロン顆粒と長期記憶形成

ニューロン顆粒は、mRNAの輸送、局在化、および局所翻訳に関連するニューロンで発生する潜在的に多様なRNP凝集体です。ニューロン顆粒は、組成的にPボディおよびストレス顆粒に関連しています。
ニューロンのRNP(RiboNucleoProtein 核リボ核タンパク質、細胞核に存在するRNAとタンパク質の複合体)は、RNA代謝のさまざまな調節をおこなうことができます。
例えば、脱分極によって誘発された樹状突起へのRNPの輸送の増強は、ニューロンのRNP輸送がシナプス入力によって調節されています。細胞骨格タンパク質Fragile-X Mental Retardation Protein(FMRP)は、ニューロンの翻訳調節および活性誘導RNP輸送に関与するもう1つの確立されたRNPです。 FMRPとmiRNA機構との相互作用は、RNPに収容されたmRNAの翻訳の調節におけるその役割と密接に関連しています。
 実際に、培養海馬ニューロンでは、ニューロンの活性化により、特定のニューロンRNA顆粒が分解されると同時に、これらの顆粒に局在するRNAの局所翻訳が増加します。刺激は、抑制解除を示すリボソームと同様に遊離mRNAを放出します。これにより、記憶の根底にあるシナプス可塑性に必要なmRNA翻訳と局所タンパク質合成が可能になります。
 同時にアタキシン2、シュタウフェン、FMRPなどのいくつかのニューロンRNA顆粒成分は、長期記憶形成にも必要であることが示されています。

・プリオン様ドメインはRNA顆粒の調節

一方で、プリオン様ドメインはRNA顆粒の集合を調節する可能性があります。
 RBP上のプリオン様ドメインはRNA顆粒の組み立てと分解に重要な役割を果たしていることを示唆する一連の証拠が最近増えています。

 プリオン様ドメインは従来の高親和性相互作用もRNA顆粒の集合に寄与しますが、最近は、プリオン様ドメインが、細胞質内の分散した可溶性状態から凝縮状態への「液液相転移」を促進するRBP間の弱い相互作用を媒介することが示されています。 
これはそのまま「液滴」に似ています。
 このようなモデルと一致して、RNA顆粒は、液滴のように、それらの構成タンパク質が顆粒内で自由に交換および移動し、細胞質プールとも交換するという点で動的です。このような液液分離相分離の重要性は、線虫 C.elegansにおける P-body凝集でもよく示されています。ここで、顆粒は、膜の湿潤、凝集中の融合および滴下などの典型的な液滴特性を示します。 Whi3タンパク質の場合のように、調節タンパク質の液滴集合体の特性を変更することにより、相分離を強化します。 
 タンパク質集合体のドメイン間の多価の弱い相互作用は、相分離を促進することができます。相分離につながる同様の多価相互作用もシナプス後密度(PSD)の形成と関与に関係しています。

 また、いくつかの研究は、LCドメインが骨材のようなRNPの凝集を駆動できることを示しています。酵母スクリーニングから同定されたプリオンドメインは、独立したドメインとして機能して細胞質凝集体を形成することができます。
 無細胞系における実験系では、LCドメインが相分離を促進すること、相分離してヒドロゲル(hydrogel 液体成分として水をもつ。ゼリー,豆腐,こんにゃくなど)の形成を誘導することが示されていますが、LCドメインが必要かつ十分であることが証明されています。

 vitroでは、これらのヒドロゲルは、LCドメインのプリオンのような傾向を示唆するタンパク質を含む他のLC配列を介して結合し、保持すること、また、細胞質内に液滴を形成するために相分離した異なるタンパク質を形成することなど示されており、相分離におけるLCドメインの能力は、RNP凝集体の形成およびRNA代謝の基本であることが示されています。 

・プリオンドメインによって媒介される可逆的アミロイド集合

 電子顕微鏡およびX線回折を用いた研究では、ヒドロゲルが特徴的なクロスβシート構造を有する繊維のような形態学的に均一なアミロイドを含むことを示しています。
 しかし、それらとは異なり、LC誘導繊維は非常に不安定で低濃度のSDS(界面活性剤、タンパク質の変性作用)に敏感です。これは、生理学的条件で形成されるアミロイド様の集合体が、不可逆的な病理学的集合体とは異なり、一過性で可逆的であることを示している可能性があります。

 FUSおよびRNPA1変異体の最近の研究では、これらのタンパク質のアミロイド型結合を妨げる変異は、RNA顆粒と結合して機能する能力は妨げないことが示されています。
 このようなドメインは一過性のオリゴマー集合体を形成します。
(つまり、別々の部位の働きで立体構造への関与が異なり、それぞれに強弱が調整されている仕組みを示唆)
これらの凝集は、ポリグルタミンドメインで最も明確に提案されている弱い多価相互作用から、一時的なβシート相互作用によって媒介される可逆的なオリゴマーアセンブリへのモノマーの可逆的な積み重ねによって生じる可能性があります。

結論

安定した凝集をして様々な病気に関与するプリオン様タンパク質が
より弱い立体構造変化によって可逆的な凝集、さらに分解により長期記憶のシナプスでの調整を行なっている可能性がある。
良いプリオン作用とでもいうべきか。
筆者は この様なプリオンドメインの作用をoxymoronic オキシモロニックとも表現している(一見矛盾する言葉による一種の強調様式。例えば、負けるが勝ち、急がば回れ、など)。

 一過性で可逆的な高分子複合体の形成につながるタンパク質の自己組織化→シナプスにおける翻訳調整→長期記憶形成という道順を示しています。

 機能的な「アミロイド様」凝集の例ではありますが、細胞における記憶の発生などのきっかけに応答して発生し、多くの細胞プロセスを支配するとともに、時空間調節を行うのではないでしょうか。

課題

長期記憶の形成、統合、および維持のための転写と翻訳の時間的要件に関するものは依然として課題です。

アメフラシでは、トレーニングの24時間後と48時間後にタンパク質阻害剤(PSI)でシナプス翻訳をブロックすると、長期記憶の発現が損なわれます。驚いたことに、これらのPSIがトレーニングの72時間後に与えられた場合、この記憶障害はもはや観察されません。
 これらの結果は、記憶が不安定で破壊される可能性がある特定の時間枠でのトレーニング後に翻訳が必要であることを示唆していますが、LTM形成によって誘発される変化が安定すると、タンパク質合成はその維持に必要なくなります。
 また、1972年に公開された「古典的な」論文では、トレーニング後にPSIを注射したマウスは、24時間および48時間の記憶を取得できませんでしたが、72時間の記憶は正常でしたがこれと一致します。
 さらに一歩進んで、2017年にはDNAメチル化などのエピジェネティックな変化も指摘されています。

 同様にショウジョウバエでは、麻酔抵抗性記憶のように特定の行動経験のみが完全にタンパク質合成に依存しない長期記憶を形成できる例がたくさんあります。

長続きする記憶がタンパク質合成に依存しない場合、これらの記憶の形成をもたらしたシナプス修飾はどのように維持されるのでしょうか。

記憶が一生続くという不思議な質問は未解決のままです。


カクテル 11

ミックスではなくてリキュール単独ののソーダ割りです。
正月にカンパリのソフトな、ちょっとフェミニンな飲み口にはまって飲んでいたのですが、それをやめることにしたのは、最近のカンパリには合成色素 赤色○号とか、あの綺麗な赤色を出すのに使われていると知り、脱カンパリを決意してみたわけです。
でもって、代わりにのんびり、かつ簡単なソーダわりでゆるく、美味しく飲めるような、いわば愛飲するリキュールを探していて、ここに来て有力な候補2つ。

・コアントロー ブラッドオレンジ
Cointreau Blood Orange

コルシカ島のブラッドオレンジほかいろいろなオレンジの皮をアルコールに漬け込んで作る100%ナチュラルソースなリキュール。普通のコアントローで十分美味しいのですが、プラスしてオリジナリティが入ったような感じ。とっても香りが良くて、爽やかな飲み物に仕上がります。少しだけレモンジュースを加えると味もキリッとします。

・コアントロー ノワール
Cointreau Noir 

コアントローの黒。
ブランデー「レミーマルタン」をアルコールベースにしたオレンジリキュール。言わずと知れたレミーマルタンはブランデーの中でも辛口(他にはカミュ)なのでとても好みです。これで美味しく無いはずはない。全体にブラッドオレンジに似ていますが、さすがにもうちょっと何か飲んでいる雰囲気にさせてくれます。

Christian McBride
 'Tangerine' 
Live Studio Session

サイエンスの話 14 記憶の分子機構 1

2022-01-31 11:38:50 | 日記

サイエンスの話 14 記憶の分子機構

マウスを新しい環境に置くと神経細胞の一部に遺伝子発現の変化が数分で生じルことが知られています。
環境からインプットされた情報が神経細胞に新たな高次機能を形成すべくスウィッチを入れた、その変化を印として脳に残した、という、いわば記憶の始まりとも言えます。つまり、記憶には分子変化が伴う、そうした記憶の痕跡を保存していく、またそれを必要に応じて引き出すような役割を担う細胞、そのカスケードが存在しているということになります。
記憶には大きく短期記憶と長期記憶があります。
短期記憶はおよそ数分から数時間続きますが、長期記憶は数日から数週間、時には一生続きます。

自分の長期記憶、、、うーん、例えば、小学生の時友人と筏を作って海に出たら途中でバラバラに分解して泳ぎには自信があったのだけれども、服を着ていたのでなにせ進まない。本気で溺れるかと思った怖いという記憶。思い返してみると、怖かったなど記憶の方が多く残っているように思うのですが、これも最近では科学的にそれなりの理由があるみたいです。現象には理由がある。

さて、これまでわかっていること。
分子学的には短期記憶と長期記憶の重要な違いの1つは、後者の形成には新しい遺伝子発現が必要なことです。短期記憶は、新しい遺伝子発現を必要とせずに誘導できます。対照的に、長期記憶の確立には、新しい転写と翻訳に完全に依存しています。

では、神経伝達経路におけるシナプス可塑性という特異性。
シナプスでの局所タンパク質合成によって部分的に媒介される反応により局所での遺伝子発現が長期に及ぶ、すなわち神経伝達物質の増加により維持されることが必要です。
この仕組みに関してやはりRNA、および結合タンパク質が主役となって様々なモデルが提唱されています。
この点大きな進歩になったのは、当初その意義がよくわからなかった、なんだかDNAのように色々とRNAもアデニル化(ポリAを介して翻訳調整するなど機能が知られる)、メチル化、非コーディングRNA(siRNA など)他様々な修飾や調整を受けていることが明らかになってきてからです。

集まったデータを合わせて眺めてみると、
・そうしたRNAの修飾が神経系細胞に偏在している。
・局所でのタンパク質合成 local protein synthesis、local translationが神経の樹状突起や軸索で行われている。
・蓄積したRNAは配列特異的なRNA結合タンパク質やCPEB(cytoplasmic polyadenylation element binding protein)やFmr1(脆弱X症候群の原因遺伝子)などのRNA結合タンパク質を含む様々なタンパク質と複合体を形成する。

この辺りで点と点が繋がってくるわけです。

つまり、
プールされたmRNAから先の翻訳レベルを神経細胞の「核」で合成されて運ばれているという機構は分子回転、つまり、生化学的に核酸から合成され、やがて分解されるという代謝機構に入ってしまうと代謝時間的にその分子の長期の存在が難しい、効率上も上手くないということ。
ここを考慮すれば、移送されたRNAを度々翻訳したりしなかったり、局所で適宜調整して、いわば核以外の場所で調節され、小出しにするメカニズムがあれば長期記憶の分子機構として合うのではないかという考えです。

実際RNAの秋雨色の一つのパターンであるアデニル化について調べてみる。
マウスの脳全体を対象としてアデニル化(m6A)を調べたところ、シナプス由来のRNA9323遺伝子に16539箇所のアデニル化修飾部位を同定した。うち、18%は脳全体のm6Aシークエンス解析では観察されないシナプスのみにm6A修飾を受けている遺伝子(シナプスm6A epitranscriptome)であった(シナプス分画は密度勾配遠心分離で得た)。
つまり、脳全体がシナプス由来のRNAを内包するにも関わらずシナプス由来サンプルでのみm6Aが観察された、という理由の一つとして考えられるのは
シナプスにおけるm6Aの増加→翻訳制御遺伝子群(記憶制御遺伝子)の存在。
(実験医学2018vol 36 no.19 p3229)


RNA調節は長期記憶形成の中心に位置する。

RNA Biol. 2017; 14(5): 568–586.
doi: 10.1080/15476286.2016.1244588

Long-term memory consolidation: The role of RNA-binding proteins with prion-like domains


長期記憶を産生する刺激は、シナプスに保存されているmRNAの局所翻訳を活性化します。

分子の代謝回転に耐性のある方法で記憶がどのように耐えられるか,
というのはプリオン蛋白の出番として次の課題においておくとして、
よく研究されているアメフラシAplysia(触れると縮む反応をする=刺激)の例。

アメフラシニューロンでは、CPEB(前出、翻訳制御RNA結合タンパク質)はシナプスに局在し、シナプス後肥厚(PSD)に富んでいおり、そこではニューロンの刺激に応答して、CPEBはCaMKIIおよび3’UTRにCPEを有する同様のmRNAの翻訳を活性化している可能性があります。
実際CPEBの活性誘導リン酸化により、複合体から解離し、mRNAはポリアデニル化されて翻訳を引き起こします。

結果

・セロトニン(5X5HT)は、正確な刺激に応じて24時間または72時間持続する長期記憶をもたらします。
24時間と72時間の長期記憶はどちらも、mRNAの転写と翻訳に依存し、72時間の長期記憶は以下のような順番で開始して安定した新しいシナプス接続が始まります。

5X5HT(セロトニンの多数回=5回刺激)→
プロテインキナーゼAとMAPKを活性化→
これらキナーゼの核への移行を誘導 on

核では、
リン酸化→
キナーゼが転写活性化因子CREB1のスウィッチを on→
転写抑制因子を不活性化→
長期記憶に翻訳が必要なmRNAの転写カスケードがスタートする

・シナプスのタグ付け

ここで、
核の転写が、単一のニューロンによって作られる数千のシナプスのごく一部だけをどのように強化できるかという問題が残ります(神経系の細胞、中でもとりわけ記憶というメカニズムにとって必要な分を必要なだけどのようにして作動させるのか)。
一般に転写は核で起こり、mRNAの翻訳は全体細胞で起こるが、活性調節されたmRNAによってコードされるタンパク質産物は、何らかの方法で「タグ付け」されたシナプスでのみシナプス強化を誘導できるということが示されています。
(それによって翻訳調整する機能が発揮される場所が限られる)

表1(Table1)にあるように、

(1)5X5HT(セロトニンの多数回=5回刺激=町域記憶のモデルとしてのしつこい出来事)は、シナプスで翻訳抑制された形で保存されている既存のmRNAの翻訳を誘導するように作用します。
→長期記憶における蛋白合成が起きる

(2)1X 5HT(セロトニンの1回刺激=短期記憶のモデルとなるような単純な出来事)タグのついたシナプス(S2)は、CREB依存性mRNAがタグの近くに輸送される、および/またはタグの近くで特異的に安定化されるようにします。 
→新たなタンパク質翻訳は伴わない

(3)数日間にわたって、タグ付きシナプスの近くで翻訳されたmRNAは、シナプスの成長と新しい安定したシナプス接触の局所的な形成を可能にするタンパク質を発現します。これらは長期記憶の礎になります。
→タンパク質合成が阻害されると、捕捉された長期記憶は72時間で減衰します





ここで、
記憶が分子の代謝回転よりも長持ちする理由、その方法が大きな問題となります。
長期記憶の形成は、神経伝達物質の放出、シナプス膜上の受容体密度、シナプス接触数の増加、または変化に起因しており、それぞれがタンパク質翻訳の増加に依存している可能性があります。 

ところが、長期記憶の維持のために提案されたモデルでは、主に、シナプス関連タンパク質合成が、ほとんどのタンパク質の崩壊が数時間の間に起こることを考えると、数日または数年、あるいは数十年と続く記憶をどのように説明できるか、という問題がそこから提起されます。

したがって、長期記憶の持続性に関する理論は、継続的なニューロン刺激を必要とせずにシナプスの持続的な変化状態を保証するシステムを模索していくことになります。

つづく



カクテル⑩

厳密にはカクテルではなくて
ソフトリキュールのソーダ割りです。

きっかけは正月に「天井桟敷の人々」や「巴里の屋根の下」、ジャンギャバンなどなど夜中じゅうのんびりと古いモノクロのフランス映画など見ながら冷蔵庫にあったカンパリをソーダで割って飲んで過ごしたせいでリキュールのソーダ割りにハマり、それ以来シャンパーニュもカシス・リキュールで割って、以前にはあり得なかった飲み方もこれはこれで案外イケるとか思って、、、好みもだいぶ変わったように思います。



では、
中でもよかったものいくつか。

リモンチェッロ・ディ・カプリ Limoncello di Capri

カプリ島の有機レモンの皮から作るリキュール
日本風にいうとレモンチューハイという感じだが、
全く違うのはジュースではなく、皮 peel を使っていること。
何気にあまり日頃考えないことですが、柑橘系、特にキンカンなどがそうですが、皮に含まれるエッセンス、特に香りこそが価値のあるゴージャスな果実の本質、ということを改めて認識させられます。
なので、レモンピールを入れるとより一層引き立ちます。




サンジェルマン  St Germain
エルダーフラワーリキュール

サンジェルマンは
水面があって、大学も近くてアカデミック、なぜか美味しいアルザスレストランが多くあって、カフェで道行く人を眺めるも良し、、、パリの街の中でも一番好きなquartierの一つなのですが、
これは
「エルダーフラワーリキュール」
といって花から抽出するエキスで作るお酒。
香水作りのバラのように時間を決めて手摘みしたものを使用し、ビンのデザインから、香りから、もう何から何まで全部素晴らしい。
実際飲んでみると爽やかな中に複雑な、これ以上上品な味わいのお酒を自分は知らない。味が上品かどうか、という定義のは難しいのだけれど、考えてみるに、紅茶でいうとダージリンのような言葉でさらっと言えないような複雑さを指しているのでしょうか。ジョニーウォーカーでいうとブルーラベルのような味わい。セイロンティーのように色、味が単純にパッとイメージできないもの、かな。

おまけに、
ラベルには直訳すると、
「+ la vie parisienne en bouteille」
なんてあります。


これで美味しくないはずがない!



最近もクリニックに弔意、弔問をたくさんいただいております。
お花もいっぱいいただいています。
きっと喜んでいるでしょう。



本当にありがとうございます。

My One and Only Love
Oscar Peterson trio

サイエンスの話 そして 今年という年

2021-12-29 14:21:45 | 日記
「サイエンスの話」
全世界的に
RNA
が流行った年ではないでしょうか。

元来の働きに加えて様々な機能があるという発見が最近多く、
興味深い進化におけるその役割も少しずつ明らかにされてきました。
大きくまとめると、

脳神経 
↘︎
RNA 
↙︎
生殖系 
⬇︎
<進化>・・・病気で消滅する別系統もあるかもしれないが、それも進化のプロセスとして-benefitばかりではない。 それから問題としては、DNAへのstorageはどの段階で起きるのか。
⬇︎
脳神経
↘︎
RNA 
↙︎
生殖系 (進化した次世代)

相分離の項で書いたように
シークエンスによらずRNAが核酸の凝集に関与するというのはなかなか衝撃的でした。
進化(その裏としての病気も)にRNAのこれまで未知だった機能が関与しているということが近年明らかになってきており、また、さらに未知の機能、例えば、生命発生起源への関与なども以前から指摘されています。このようにまるで一つの生命体のように振る舞うRNAという分子、大変興味深く思い色々書いてきました。同時にまた、ウイルス感染ではなく、簡単にそういうものを操作したり加えたりしない方が良いのではないかという意味合いも込めて。
思えば松原研にいた頃などゲノム一色でDNAに書いてある情報が何なのか、それを解読すれば生物のすべての情報が、、、などという時代でしたが、本当の奥深い通の世界というのはこっちだったようです。
今目の前にあるパソコンで例えれば、DNAはいわばフォルダーの中の書類やファイル、対してRNAはインターネットのような存在でしょうか。

といわけで、
ではもう一軒(吉田類 風に)、
まだまだ来年もRNAで行ってみたいと思っています。


カクテル⑨

マンハッタン Manhattan


マリリン・モンローが映画「お熱いのがお好き」の中で作ったととか、フォローしていませんでしたが、昔はよく飲んだものです。
私が卒業した20代、思えば1984年当時はバブル期で日本中あちこちに高層ビルやホテルが新築され、大抵その上層階には景色の良いバーなるものができて、、、夜景を見下ろしながら気分はマンハッタン。
このカクテルはベースがウイスキーなので馴染みやすく、飲みやすい。
薄暗いバーの中、人のざわめき、氷やグラスの音、外の街に流れる明かり、、目を閉じると浮かぶ情景があります。そんな中、50代、60代の自分は果たしてどんな風に暮らしているだろうか、未来のことを考えたり、夢や将来のことを思ったり、、、いろんなことをいろんな人と語らい、、、そして、乾杯。

Notes; 「想ひ出」 
 
ウイスキー(バーボン)50ml 
スイート・ベルモット 25ml
アンゴスチュラビターズ 1dash

ステアし、カクテルグラスに注ぎます。
チェリーを飾ります(マンハッタンに沈む夕日のイメージらしいので必須みたいです)。


「今年という年」

私のとって
妻・恵子が9月に48歳で子宮がんで急逝するという大変辛い後半でした。

突然の
あまりに予期せぬ出来事で
もう何も気力がなくなり、
毎日毎日泣いてばかりでした。
それまで考えたこともなかったのですが、
涙というのは枯れないということを知りました。

(2021年1月)

現実を振り返れば
クリニックのスタッフもいる、
経営には膨大な仕事があるし、
家に帰ると掃除に洗濯、散歩に、ご飯も作んなきゃいけない、、、
一時はいっそもう全てやめて放り出して
愛犬と山に籠ろうかとも考えたところ
友人や患者さん、周囲の方々、
大勢の方に励まされ、
自分が支えられていることを実感し、
なんとか一人で頑張ってみようと決心しました。

そういうわけで婦人科を閉院してしまいました。
ご迷惑おかけいたしました。

人が亡くなると
いろんなことに気づきます。
自分が勉強好きの部類なのであえて天が学ばせてくれているのか、
などと考えたりもする。
いや、
あまり学びたくないこともあります。


人が亡くなると
離れていく人
寄り添ってくれる人
はっきり見えてきます。
なんとかだいぶ持ち直してきたかに思えた矢先の12月にまさかのトラブル発生。


そんなこんなで、
ここへ来て
またまたどっと疲れ果てて、
もともと自分の誕生日もあって一年でも一番楽しい月なはずなのに
今年はクリスマスもオールディーズをコピーして一人ショボーンと
繰り返し繰り返し弾いていました。




秋になって、
故人の好んだ場所を訪れた際
草が伸び放題の野原の中
彼女が春に植えたコスモスの花が見事に咲いているのを見つけました。


夏草の
生ひしく野辺に 
花恵む
君が居ぬ間に 
忘るるもなく

(生(お)ひしく=生い茂った)






それでは、
来年は良いお年を迎えられますよう。

いろんな願いを込めて。