伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

いわき市医療センターの免震装置データ改ざんに思う

2018年11月30日 | 市政
 昨日開会したいわき市議会11月定例会の市長提案要旨説明で、国の認定内容に適合しないKYB株式会社等の免震オイルダンパーが、先頃竣工した「いわき市医療センター」(現、いわき市立総合磐城共立病院)に使用されていた問題に触れた発言があった。

 発言では、医療センターに使われたオイルダンパーについては、製造にかかわるデータがないため、同社として全て不適合品として取り扱い交換するとのことで、市としては早期の交換を求めたという。交換時期ははっきりしていない。

 一方、国土交通省は、不適合製品を設置した施設でも、「進度6強から7程度の地震で倒壊する恐れはない」としており、市としては当初の予定通り、12月25日開院で作業をすすめているという。

 それにしてもひどい話だ。災害に備える大切な装置にもかかわらず、その性能のデータを改ざんしたという。人の命と財産を守るために、多額の費用をかけて装置を導入しているのに、その信頼を裏切る行為はいわば詐欺。企業の倫理観が大いに問われる事態と言わざるを得ない。

 最近、自動車メーカーでもデータ改ざんが次々発覚しているが、儲けさえすればいいという企業論理がまかり通っているように感じる。おそらくそこには、竹中平蔵氏などが唱えた、新自由主義の問題点が噴き出しているのではないだろうか。

 例えば水道法改正案。こんな報道があった。

 「上下水道を扱い「水メジャー」と呼ばれるヴェオリア社と関係のある女性が、内閣府の「民間資金等活用事業推進室」に政策調査員として在籍しているとして、社民党の福島瑞穂氏が「利害関係者で立法事実の公平性がない」と批判した。」(共同、2018/11/29)


写真は「朝日新聞」


 内閣府は「一般的な海外動向調査に従事し、政策立案はしていない」と利害関係者ではないとしているが、現在の状況を見た時に額面通りに受け取れるのだろうか。何らかの関係があるとみるのが普通の目。

 この水道の民営化を一生懸命進めているのが麻生経済相のようだが、もともと2013年4月19日にCSIS(戦略国際問題研究所)での講演の際の質疑で、「水道の料金を回収する99.99%というようなシステムを持っている国は日本の水道会社以外にありませんけれども、この水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものを全て民営化します。」(出典:ブログ「晴耕雨読」)と発言している。「水道をすべて民営化します」。非常に乱暴な発言をしていたようだ。

 こちらのページも分かりやすい。ゆるねとニュース「【危ない】安倍政権が水道民営化への動きを加速か!?2017年に法改正!TPPで最後は外資に乗っ取られるシナリオも!」


 何で麻生氏が水道の民営化に熱心なのか、ツイッターでは麻生氏の娘婿がヴェオリア社の役員をしているというツイートがあふれている。



 結局、水メジャーまたは企業のために日本の水道を売り渡そうという狙いがこの背景にあるようにしか見えてこないのだ。

 外国人労働者の受け入れを拡大する労働法制の改正案だって、現状のままの外国人研修生の劣悪な労働環境をそのままにしていれば、安く使いやすい労働力の確保を企業に保障すると同時に、日本人労働者の低賃金と労働条件悪化を招きかねない。

 ここでも企業のための政治しか見えてこない。

 考えてみれば森友疑惑、加計学園疑惑も、お友達と言われていたが、こうした経営者を助けてやるために行政をゆがめた疑いが濃厚だ。

 企業優先の政治が、企業の緊張感を融解させ、儲けのためにデータを改ざんするような不良行為を招いているのではないか。そんなふうに考えるのは間違いだろうか。

 いずれにせよ、医療センター新築という、いわきの医療の新たな門出に水を差した免震オイルダンパーのデータ改ざん。メーカは大いに反省し、早期の取り換え実施を期待したいものだ。


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