hiroya_ikeda の物欲の館

独身貴族(?)の私が手に入れたいろんなGoodsを紹介するページです。カメラ・レンズとPC関係が多いですが・・・。

ギミック満載のプロ向け一眼レフ『キヤノン New F-1』

2009年01月08日 01時19分46秒 | カメラ・レンズ
明けましておめでとうございます。というにはもうすでに1月も8日となってしまいましたが。
<mushi img src="http://www.canon.co.jp/Camera-muse/camera/film/data/1976-1985/large/1981_newf-1.jpg">

年明け早々のアイテムはキヤノンNewF-1とさせていただきましょう。

1981年、キヤノンがNew F-1を発売するにあたり、ユーザーがアクセサリーなどをチョイスすることで機能が変化するというシステムを取った。標準的なボディはマニュアル露出のみで、AEファインダーを取り付けると絞り優先AEが、モータードライブまたはパワーワインダーを取り付けるとシャッタースピード優先AEが可能になるというものだ。さらに、フォーカシングスクリーンを交換することで測光方式(中央重点平均測光/中央部分測光/スポット測光)も替えるというシステムだ。アマチュア機での自動露出が当たり前になってきて、ニコンF3が絞り優先AEを採用したことで、プロもAEを使いはじめだす、という流れの中でのキヤノンの回答であった。

私が高校生当時にこのカメラが発売され、父に買ってもらった。私はすでに同じくキヤノンのA-1を所有していたので、2台持つことになり、高校生としてはかなりの贅沢者であった。ちなみに購入したものは標準的なアイレベルファインダーFN付きのモデル(定価149,000円)。当時、マニュアルで撮影できないのはカメラマンとしてレベルが低いという風潮があり、それに乗せられてしまった。デザイン的にはAEファインダーFN付きのほうが好きだったが。また、後日AEパワーワインダーFNも購入。
NewF-1は当時最高機種ということで頑丈感は感じるのだが、表面塗装が細かいヤスリのような黒色塗装で、爪でこすると白い粉が着いた。また、巻き上げレバーのゴリゴリ感が気に障った(ワインダーを使えば関係ないのだが)。
そんなわけでA-1に比べてあまり愛着がわかず、大学生になって写真を撮らなくなったとき、プロを目指す中学校の同級生にプレゼントしてしまった。ま、彼は現在もプロカメラマンとして活躍しているようなので、NewF-1も酷使されて本望だったのではないだろうか。

話を戻して、アクセサリーの組み合わせで機能が変わるというNewF-1のシステムは、ギミックとしては面白いが、結局、評価されずに終わってしまったのではないだろうか。
プロであろうとアマチュアであろうと、撮影現場ではその都度、使いたい機能が変わるのは当たり前。なので使える機能は全て盛り込んでおいて、現場でその都度必要な機能をユーザーがチョイスしたい、というのが当然の要望であろう。自動露出についてはAEファインダーとパワーワインダーを着けておけば対応できることになるが、測光方式を替えるために現場でフォーカシングスクリーンを交換するというのは現実的ではない。ただ、当時としては測光方式の切り替えは難しかったのかもしれないが。
まぁ、NewF-1は机上の空論で作られた感のあるモデルであった。
その後発売されたT-90は自動露出、測光方式を含め、あらゆる機能がてんこ盛りになったマニュアルフォーカス機としての最終型となった。そして、その後のAF一眼レフ「EOS」シリーズはプロ機「EOS-1」も含めて機能てんこ盛りとなり、現在に至るということになる。


NewF-1のその他の特徴について2つほど。

プロ向けとして外せないメカニカルシャッターは1/125秒以上の高速シャッター、X(1/90秒)、B(バルブ)で使われ、電池がなくともシャッターを切ることができた。精度の必要な低速シャッターは電子制御というハイブリッドシステム。A-1は完全な電子シャッターだったので、バルブで天体撮影をしたら一発で電池がなくなり、全く使い物にならなかった(笑)。その後、電池は常に予備を持つようになったし、天体撮影もしなかったので、あまり電池切れを気にすることはなくなったのだが、メカシャッターがあるというのは、確かに安心感はあった。

AEモータードライブFNまたはAEパワーワインダーFNのグリップは表面がツルっとしたラバーになっており、また少し自分の手には大きく感じた。A-1にモータードライブMAを装着した時のほうがしっくりきた。

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