チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

シンフォニー・名曲名盤30選(1975『音楽現代』)

2014-02-10 18:06:31 | 名曲選

『音楽現代』1975年7月号の特集は「シンフォニー・名曲名盤30選」。
音楽評論家、作曲家、指揮者ら15人がそれぞれ30曲の交響曲の名曲と録音を選ぶという企画です。

その15人というのは相澤昭八郎、大町陽一郎、荻昌弘、鍵谷幸信、黒田恭一、小石忠男、関根俊郎、出谷啓、中河原理、福永陽一郎、廣瀬量平、藤田由之、三浦淳史、山根銀二、そして宇野功芳という先生方です。ボクでも名前を知っている人が何人かいますが、何しろ40年前の雑誌なので既に他界されている方も多いようです。

結果はどうだったのかというと

(15人中14人が推薦)モーツァルト40番
(13人)モーツァルト41番、ベートーヴェン3番,5番,9番
(12人)ベートーヴェン7番、ベルリオーズ幻想、ブラームス1番,4番、チャイコフスキー6番
(11人)ベートーヴェン6番、シューベルト ザ・グレイト
(10人)シューベルト未完成、メンデルスゾーン3番
(9人)フランクニ短調、ドヴォルザーク新世界
(8人)モーツァルト39番、シューマン4番、ブラームス2番、シベリウス2番
(7人)ベートーヴェン4番、チャイコフスキー4番、マーラー4番、ショスタコーヴィチ5番
(6人)ハイドン101番、モーツァルト35番,38番、ブルックナー4番,7番、チャイコフスキー5番、ドヴォルザーク8番、マーラー1番
(5人)ハイドン94番,100番,104番、ベートーヴェン8番、ブルックナー8番、マーラー2番,9番,大地の歌
(4人)メンデルスゾーン4番、ブルックナー9番、ブラームス3番、ビゼー1番、プロコフィエフ1番
(3人)ベートーヴェン1番,2番、サン=サーンス3番、ショーソン変ロ長調、マーラー5番、メシアン トゥーランガリラ

。。。とまあ、予想通りあんまり刺激的な結果ではないですね。やはり皆さん奇をてらうことなく、真面目に無難な選曲をされたということでしょうか。

しかし、15人の選者のなかで、一際目立つ選曲をされている人がいました!モーツァルト・ベートーヴェンとかドイツ系無視。

それは、三浦淳史(1913 - 1997)さんという音楽評論家。イギリス音楽の第一人者でいらしたということですが、それにしても当時としては斬新なチョイスだったでしょうね。LPを入手するのも大変だったのでは?

(三浦淳史氏の推薦曲)
ショーソン変ロ長調、シベリウス3,4,5,6番、ニールセン4,5番、ラフマニノフ2番、ヴォーン=ウィリアムズ1~9番(全曲!プレヴィン盤を推薦)、ストラヴィンスキー ハ調,3楽章の交響曲、アイヴズ2番,4番、エルガー1番,2番、ルーセル3番,4番、ウォルトン1番,2番、ティペット3番、マニャール3番、ブラックウッド1番。

コメントではマニャールの3番を絶賛されています。
『「情熱的な思索家」マニャールの交響曲がこの1枚のLP(アンセルメ)でしか代表されていないことを思うとき、埋もれた交響曲の宝庫はまだまだ開発の余地があるのではなかろうか!?』

そのとおり40年後はむっちゃ開発されていますよ~!マニャ3聴いてみますね。

ちなみに宇野功芳先生の30曲の中にブルックナーが一曲も入っていないので何故!?と不思議に思ったら、「2ヶ月前の特集に書いたから」だそうです。入れといて欲しかったです。