goo
カウンター

マス目


はじめはたどたどしかった
四辺は空き地だった
書き順をまずおぼえた

余白はカラス口で
均等に割りふった
そのとき社員の一人になった

書かれることよりも
その収まり具合で計られた
つまずいた傷は
整った筆跡でかくした

ドレスの女性はその枠の向こう
名札を提げた中年が追いかける
ケモノたちが繁殖をする
扉ごしに大樹が茂る

マス目がならぶので
しつらえた場所に
家を建てた

暮らしはマス目どおりに
時間とともに区切られた
そうして誰かがやって来て
自由をしたり顔で説明した
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする