goo
カウンター

とおくへ


とおくの唄に耳をすました
かすかな言葉の音階は
見知らぬ暮らしを
おとぎのように奏でている

とおくから来た人に訊ねた
空や空気 食べ物やアパート
地図もひらかずに
うわさに聞いたあこがれ

田舎よりも都会がいい
道ゆく人の語らい
たとえばフランスのカフェ広場
そこで変われる

日ごろのとおくは
となり町の信号まで
見あきた歩道を行ったり来たり
すれ違うのは同じ自転車

汚れた机をあっさり捨てて
どこまでもどこまでも
離れたくなる思い
いったいどこへ

変われるなんて幻想
それとも冒険
いつかだれもたどり着けない
彼方まで
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする