今日は、以前から読もうと思っていた藤村の『夜明け前』(第1部 上)を、読む。
余りにも有名な作品なのに、未読。
藤村作品は『新生』と『おさな物語』ぐらいしか読んでおらず、藤村はいわゆる食わず嫌いだった。
読んでみて、驚いたのは明治維新を俯瞰的に眺めている視点である。
それは、やはり東海道と並ぶ幹線の中山道の重要宿場町の本陣の主という立場が、そうさせたのだろうか。
『夜明け前』の主人公は藤村の父がモデルである。
その父は平田篤胤学派だったという。
なるほど、と思った。
続けて、第4部まで読むとする。
藤村は、日本を「この国」と表記する。
司馬遼太郎もそうだった。
このように表記する感覚が、面白いなと思う。
「日本」と表記するより、距離的に近く、にもかかわらずなんとも客観的な言い回しではないか。
さて、「この国」は、どうなるんだろう。
アメリカのこんにちの在りようとはまた違う不安な気持ちが湧いてくる。
まぁ、政権担当者に独裁思考がないだけいいのかも。