作らずして喰ひ、織らずして着る身程の、
行先おそろしく
鍬の罰(ばち)思ひつく夜や鴈(かり)の鳴(なく)
秋の風一茶心に思ふやう
袷(あはせ)きる度(たび)にとしよると思(おもふ)哉
思ふさま寝(いね)てはこして帰鴈(かへるかり)
思ふ人の側(そば)へ割込む炬燵哉