滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2019.05.23 熊野古道中辺路(滝尻王子~伏拝王子)その1

2019-05-23 23:18:13 | 和歌山の山
2019.05.23[滝尻王子08:48〜08:56乳岩08:57〜09:15剣ノ山09:16〜09:47髙原熊野神社09:50〜09:52高原霧の里休憩所09:58〜10:18高原池〜10:24大門王子10:25〜10:41十丈王子10:42〜10:50悪四郎屋敷跡〜11:07上多和茶屋跡〜11:18逢坂峠〜11:36道の駅熊野古道中辺路〜11:44牛馬童子11:56〜12:05近露王子12:07〜12:08近露商店前12:14〜12:27楠山坂入口〜12:43比曾原王子12:44〜12:53継桜王子13:02〜13:33小広峠〜13:37小広峠下休憩所13:43〜13:55草鞋峠〜14:28岩上峠〜14:52蛇形地蔵〜14:55湯川集落跡14:59〜15:20三越峠休憩所15:22〜16:12発心門王子16:35〜16:38発心門王子休憩所16:42〜17:03水呑王子〜17:29伏拝王子跡]

危険箇所なし・案内板 道標多数・休憩所 トイレ多数

【滝尻王子~剣ノ山】
急な登りで石段の箇所もある。木の根につまずかないように。

【剣ノ山~髙原熊野神社】
多少アップダウンはあるが、平坦部分が多い道。髙原熊野神社が近づくと車道になる。

【髙原霧の里区間】
髙原熊野神社からすぐに駐車場兼展望所。その先は集落の中の舗装路を少し歩き、溝に清流が流れる登りのやや細い新しい石畳道(旧旅籠道)に入る。
石畳道の上部にある喫茶欅を越すと再び舗装路に出るが、すぐ山道となり集落を抜ける。

【高原~逢坂峠】
長い登りが続き、池を見て大門王子へ。ここは一部古い石畳道が残る。
十丈王子までは平坦または緩やかな登り。その後悪四郎屋敷跡まではややキツい登りで、その先は小さなアップダウンをくり返しながら尾根を巻くように道がある(細い区間あり)。再び尾根道となり下ると逢坂峠。

【逢坂峠~道の駅】
峠で車道をまたぎ、つづら折の下りとなる。下りきったところにある大阪本王子からは橋を渡りながらの谷沿いの道で、古い石垣を見て車の音が聞こえてきたら道の駅に飛び出す。

【道の駅~近露】
道の駅前から少し登り、旧車道をまたぎ山腹道となる。牛馬童子像のある箸折峠からは下り。展望所を過ぎ、一旦車道に出て、再び下り山道に入ると、すぐ近露の町に入る。橋を渡ったところが近露王子。

【近露~小広峠】
ほとんどが車道区間。緩やかな登りをくり返し町を抜けると一旦山道となるが、すぐにまた舗装路になる。この区間は分岐が多いので注意。緩やかな登りの山腹の集落を結ぶ細めの舗装路を歩き、野中の一方杉のある継桜王子へ。この先広めの車道と合流、小広峠までこの道を歩くが実際よりも長く感じるところかもしれない。この区間は日陰が少ない。

【小広峠~仲人茶屋跡】
車道を外れ右へ山道を下るとトイレがあり、少しだけ舗装路を歩くと急に右に折れて橋を渡ったところに休憩所がある。ここから山道を登り草鞋峠を越え下る。この下りは古道の面影が残っている。

【仲人茶屋跡~蛇形地蔵】
ここは従来のルートが通行止めで迂回区間。
しばらく川沿い車道を下り、車道と分かれ橋を渡り、岩上峠への登りに入る。細めの山道で標高差220mを一気に登るつらい区間。岩上峠からは一旦平坦となるがすぐ急な下り。林道に出てなお下る。ここは風情も何もなく面白くない。林道から外れて右へ山道を下るとすぐに蛇形地蔵。

【蛇形地蔵~発心門王子】
橋を渡り、湯川集落跡から湯川王子を抜けると登りとなり、道が急坂にさしかかるとすぐ車道に飛び出し三越峠。関所のゲートをくぐり、山道の下り坂。谷に下りると足元に滝があり、それを見ながらさらに下る。集落跡、崩壊地を越えると林道に変わる。
林道から離れて船玉神社に行くのが本来のルートであるが、この区間が通行止め。迂回路はそのまま林道を歩く。谷をまたぐ箇所には足元に滝が見られる。山腹を巻きながら平坦に付けられた林道から舗装路に飛び出し、なおも山腹をくねくねと進む。この区間風景に変化なく長く感じられる。

【発心門王子~伏拝王子】
車道、古道が入り交じる集落を結ぶ道。ややアップダウンはあるが平坦部分も多い。風景を楽しみながら歩ける。



今回は仕事の取材で熊野古道中辺路を歩く。
時間も予算も限られた中なので京都から日帰り、通常2泊3日コースですが、それを1日で歩こうというもの。

仕事仲間のYさんと2人で、京都を5時過ぎに車で出発。8時半に田辺市の滝尻に到着。熊野古道館を見学した後、ここからは別行動。Yさんは車で、白浜、串本から熊野三山の取材。17時に熊野本宮大社で落ち合う予定で、私は歩いて熊野本宮大社に向かう。
写真を撮ったり取材をしながら歩くこと、そしてきょうは和歌山でこの時期にしてはかなり高温の29度の予報。きっちりペース配分を考え、むやみにペースを上げるわけにはいかない。また予定では8時15分スタートとしていたのが、今の時間は8時45分、すでに30分のビハインドがある。17時に着けるかどうか少し微妙だ。たどり着けなかった時のことを想定して、エスケープポイントをいくつか予め設定、タイムオーバーの場合はそのポイントまで迎えに来てもらうことになっている。

※「滝尻王子」とは熊野九十九王子の中でも、最も格式高い五体王子のひとつ。かつては熊野三山の神域の入口とされていた。

さて、「滝尻王子」の左から熊野古道に入っていく。いきなりの登りなのでペースは抑え気味。その坂道の途中に相次いで「胎内くぐり」「乳岩」「不寝王子」というポイントがある。通常の登山なら、登山開始以降、体が慣れるまでしばらくは休まないのが私流だが、今日は取材、きっちり写真を撮って案内板の解説を読むためにポイントでは足を止める。

※「不寝王子(ねずおうじ)」は、江戸後期にできた比較的新しい王子で、以前はネジもしくはネズ王子と呼ばれており、今は滝尻王子に合祀されて廃址とされている。



スタート地点、滝尻にある熊野古道館
滝尻王子社の所蔵品の展示や中辺路の資料、土産物まであります。


世界遺産に登録後、新たに設置された石碑


滝尻茶屋


滝尻王子社


滝尻王子より少し登ると、岩を抱え込んだこの木があります。


まずは剣ノ山に向かってのキツい登りから始まります。


胎内くぐり


乳岩


少し坂の傾斜が緩んできました。


不寝王子


再び石段の急坂


急な登りは「剣山経塚跡」のある剣ノ山までで、その先は坂があっても長続きせず快適に歩ける。高原集落までには「針地蔵尊」「夫婦地蔵」などといったポイントもある。
道幅が広がり、民家がぽつりぽつりと現れると視界も広がり、次のポイント「髙原熊野神社」も近い。
「髙原熊野神社」は樹齢1000年とも言われているクスノキの巨木もあって、厳かな雰囲気のスポット。その先にある休憩所は展望所でもあり、高原の棚田、富田川沿いの集落やその北に連綿と続く山々がはっきりと望める。ここには自販機もある。


剣山経塚跡のある剣ノ山頂上です。あとから「ノ」を無理矢理付け足しましたね。それで読みにくくなったので()にもういっぺん山の名前が書かれています。


剣ノ山を越えると樹間から日が射してきました。


平坦な尾根道です。


針地蔵


少し登ったあと、再び平坦な尾根道となります。


夫婦地蔵


高原霧の里が近づいてきました。


ガマズミの花の上で営みが行われていました。


高原霧の里から北方面を望んだところ


髙原熊野神社に着きました。


大きなクスノキが数本あります。


最大のクスノキで樹齢1000年と言われています。


休憩所先から道脇の溝に清らかな水が流れる新しい石畳の坂道(旧旅籠通り)に入ると、道ばたにはマンネンソウ、ユキノシタ、キンポウゲ、ニガナなどなど可憐な花が多く咲き誇っている。
色とりどりの花、飛び交う蝶、眩しい日光と青空、清流の音、振り返ると山上に点在する民家の景色、のどかで心安まる、日本の原風景だ。
旧旅籠通りの途中に喫茶「欅」があり、のんびり巡るにはちょうどよい休憩場所。テラスで天空の絶景の眺めながら田舎風カレーや自家製ジュースなどをいただくことができる。喫茶裏にはポニーの茶華ちゃんが気持ちよさそうに日なたぼっこをしている。


高原霧の里の集落


駐車場にもなっている休憩所からは山上の集落と麓の集落が見えます。


モンシロチョウやハチなどが蜜を吸っています。


高原霧の里の道(旧旅籠通り)脇には数々の花が咲いています。
これはユキノシタ


こちらはウマノアシガタ


これはマンネングサの仲間


霧の里上部には喫茶もあります。最高の景色を望みながら一服したいところですが、きょうは先が長いので通過です。


集落を過ぎて山中へと古道は続く。一部昔の道の面影を残す石畳が続く箇所があり、古道の雰囲気としてはこのコース随一ではないだろうか。
右から谷音が聞こえだし、それが近づいてくると高原池がある。人工的にせき止められたもので、水も濁っておりビューポイントとはいえない。
そこからひと登りで「大門王子」。さらにフタリシズカやコガクウツギが咲く小さな起伏の道を行くと「十丈王子」。「十丈王子」は十丈峠にあると思っていたが、峠より随分先にあった。ここは視界は開けていないものの、明るくて新緑美しく、休憩するのにもってこいの場所だ。

※「大門王子」は、かつて熊野本宮の鳥居があったことから、大門の名がついたとされている。

※「十丈王子」には、昔は茶店が数件あり、道行く人の休憩所でもあったといわれている。以前は「重點王子」。明治末期に春日神社に合祀され社殿は撤去された。


霧の里旧旅籠通りを後に山道に入っていきます。ここから道の駅までの区間は山中です。


雰囲気の良い石畳の古道になってきました。


途中見かけた木


これは何でしょう?


コガクウツギかな


高原池がありますが水は濁っています。


大門王子までは登りが続きます。


大門王子を過ぎると道はやや平坦


フタリシズカの花を多く見かけました。


続いては十丈王子
休憩所もあります。


「十丈王子」からは再び登り坂。「小判地蔵」を通り、坂を登り切ったところが「悪四郎屋敷跡」。このあたりがこのコース内では標高の一番高いところで700m弱ある。日も高く昇ってきて下界では気温がぐんぐん上昇しているころだろうが、ここは爽やか。
この先「逢坂峠」までは気持ちのよい山道。尾根の左山腹を巻くトラバース道が多く、やや道が細い区間もあるが、古道の雰囲気ではなく快適な山道。自然林も多く、ついついペースが上がる。途中「上多和茶屋(うわだわちゃや)跡」という舌を噛みそうな名前のポイントもある。
高原霧の里から逢坂峠の区間では多くのハイカーを追い抜いていった。そのほとんどが外人(西洋系)だった。日本人は僅か、アジア系外国人はいない。


小判地蔵


悪四郎屋敷跡を過ぎるとしばらく山腹に付けられた平坦な道を進みます。このあたりは古道の趣はありません。(写真は尾根上のだらかな道)


逢坂峠です。ここからは急な下りです。


峠から急坂を駆け下りる。「大阪本王子」から道は谷沿いとなり、雰囲気もがらりと変わる。古い石垣の横を通ると、車の音が聞こえてきて程なく「道の駅熊野古道中辺路」に飛び出す。
道の駅より再び山腹道を歩くと「牛馬童子像」のある箸折峠に着く。ここまでは新国道、旧車道、熊野古道の地道が3本平行に走っている。
「牛馬童子像」は熊野古道のアイドル的存在の50㎝ほどのかわいらしい像で、昔の旅人はこれを見てほっこりしたと言われている。

※「大阪本王子」は、大阪峠(逢坂峠)の麓にあることから名づけられた王子。以前は社殿があったらしいが、近露の近野神社に合祀され撤去された。


谷におりきると大阪本王子に着きます。


しばらく谷沿いの道となります。


古い石垣が残っています。


車道を走る車の音がすると、まもなく道の駅熊野古道中辺路に飛び出します。


道の駅前の道標


牛馬童子像前でオニギリ昼食


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