ワイワイ4人で大騒ぎになった本は・・・の続きです(^^ゞ
「大人へおくる ちいさな物語 ちっぽけな心」
絵と文 さとうたつお
河北新報出版センター
1,200円+税
2013年11月初版
旧河北町出身の方で
もう亡くなっています
内容は
昭和30年代前半の子どもの様子が中心です
高度成長のちょっと前で
まだ経済的に豊かではなく
親は生きていくのに精一杯な様子で
こどもの接し方も・・・ひどい・・・
でも、弱者に対してはやさしい
けど
どこか不合理を感じてしまう
それをこどもの純粋な心のまま
感じたままを文章にし
とてもやさしい眼差しが
絵にも現れています
生前、個展は開かれていたとのことですが
気まぐれは、知りませんでした
河北新報社って、こういう人を
見つけて出版してくれるのがいいですよね
で、皆さんに読ませていただいたもの
「芝居がやってきた」
役者という自分より小さな女の子について
お芝居を観て来た
お嫁さんいびりで有名なお姑さんの話・・・
なんとも、的確なんです
「お盆さま」「さよならお盆さま」
「紙芝居」
「ぺスの小犬」
「五郎君のこと」もいいんですよ
短編小説「北上川~どこまでも青い空だった日」では
戦争のことについても
考えさせられます
1番盛り上がったのは
以下の散文でした
「仙台にもいたのよ!おちかちゃん」
「知ってる!」
「気仙沼にもいたよ。しげかっつぁんっていうおじさん
でも、ものもらいではなかったのかな・・・」
「都市伝説みたいに、こういう人って
どこにでも居て
昔は頭が良かったとか
お金持ちだったとか いうんだよね」
「世の中、皆今みたいに豊かじゃなかったけど
気持ちはやさしかったんだよね」
「弱者と思われるような人に対しても
気持ちは寄り添って、助け合っていたんだよね」
「皆でね・・・」等々
あじのある縦書きの文字で
イラストもあって
ちょっと雰囲気が出せないので
本を是非、見てみてくださいね
文章のみ記載させていただきますm(__)m
「みのおんつぁん」
みのおんつぁんという
物もらいのおじさんがいます。
夏でも冬でもミノを
着ていて、
ヒゲぼうぼうのおじさんです。
親たちは、子どもが悪いことをすると
みのおんつぁんに
くれてやる・・・
といいます。
だから、子どもたちは
おっかながって
あまり近寄りません。
おじさんが来ると
米やお金をあげるのは、
ぼくの役目です。
いやだ
というと、
人がこまっているのを
助けられないような人間は
人間じゃないといって
母ちゃんがひっぱたくのです。
でも、おじさんは
ぼくのようなちっちゃい子にも
ていねいに頭を下げる
やさしい目をした人です。
おじさんは
とてもお金もちの家に生まれて
すごい学者だったらしいけど
どういうわけか
世の中をすてて
小さなワラの家に住んで
食べものがなくなった時だけ
村にやってくるのだそうです。
でも、あんまり多く
あげてはいけないといいます。
多くあげると
おじさんが気にするから
少しずつあげて
それでも、何軒も歩くと
いっぱいになって、
みんなが
みんなでくれたほうが
おじさんは
喜ぶのだそうです。
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