ラーメンの思い出

今日も素敵な天気に恵まれています
ありがたいです

さて...もう20年前くらいの話ですが...
「ラーメンの思い出」

僕が...若い頃で塾講師をしてた時の話です

ちょうどこの時期だったかなぁ
夏季講習会をしてました...
午前中の授業を終え...お昼は休みになってて...また夕方から授業って感じだった
ものすごく忙しかったけど...
子どもたちの熱心な姿勢とやる気に応えるべく
僕も必死だった

あの当時...
塾と言えば、成績の優秀な子たちが通い...私立の有名高校受験へ向けて取り組むってのが主流でしたが...
僕が勤務してた塾は...成績優秀の子から...今で言う、授業についていけない子や不登校気味な子たちも通ってました

その中で...いつも仲良し女の子三人組
成績が思わしくなく...勉強大嫌い
なのに、絶対この塾に入りたいとやってきた

一緒に勉強してみて分かった
中３だったが...数学だと正の数負の数の計算ができなかった英語だとbe動詞の使い方も理解していなかった
これじゃ、学校の授業についていけないだろう
それで...特別に朝の夏季講座が始まる１時間前や休みの日に来てもらって...基礎・基本からの復習に力を入れていた

そんなある日...
午前中の授業も終え...さぁ、お昼だぁ
と思っていたら...例の三人組...家にも帰らず塾内でウロウロしている
いつもそうだ...
どうしたんだろうと思い聞いてみたら...
「家に帰っても、いつも叱られてばかりだし...」
「お昼とかはどうしてるの」
「三人で...適当に店からおにぎり買ったり...お菓子で済ませたりしてるよ」
「...」
家にいても面白くないし...学校は友達がいるから楽しいけど...
と言うことだった
なんとかしてあげなければ...
まずは学習面で力をつげなければ、何か自信をつけてあげることが大事
少しでも問題が解けたら...大げさでも褒めて育てることにした

「じゃ、今日は先生のおごり...と言ってもラーメンだよ」
ということになり...三人にラーメンを買わせた

「先生は、授業の準備をするから...ラーメン作って」
と言い三人に作らせた...
しばらくすると...パンパンパン
な、なんだ、なんだぁ
ガスコンロのところへ行ってみると...
あらまぁ
なんじゃこりゃ
なんと...ラーメンを袋ごと入れてるではないか
「バカっ、袋ごと入れるやつがあるか」「ラーメンも作ったことないのか」
...本気で怒った
三人はうなだれ泣いていたが...
「勉強ができなくても、女の子ならラーメンぐらい作れるようにしなさい」
...ちょっとキツイ言葉だったが、彼女たちのために叱った

三人にもう一度ラーメンを買わせ...
三人に...僕が作り方を教えた
四人でテーブルを合わせラーメンをすすった
三人は涙を流しながら「美味しい、美味しい」と食べていました

話を聞いたら...家で料理を作ったことがないと言う
家では掃除をするくらい...

「勉強ができなくても...」
と言ったことは言い過ぎだったけど...女の子なら料理はできるようにしておこうね
今日から...家では料理の作り方を勉強しなさい片付けもちゃんとやるんだよ
...そう語りながら、彼女たちを励ました

ラーメンを買いに行ってる時...
三人の会話で「家でも学校でも叱られ...彦リンにまで叱られたら自分たち行く場所ないねぇ」と話していたと言う。

ラーメン事件から...彼女たちも頑張って勉強し、高校へも無事全員合格
今では三人ともりっぱに主婦をやっている

その内の一人は...内地で結婚し...なんと旦那さんとラーメン屋を経営していると言う
不思議な縁だ

人はどう変わるか分からない

だから...その子たちの可能性を信じ...根気強く指導するしかありまんね

昔の子たちは...どんなに叱られてもついてきてくれた
今の子たちは...ちょっと叱ったら...ひねくれる子が増えた
時代が変わったのか...僕の支援方法が古いのか
信念や情熱は変わっていないつもりだが...

今日もラーメンを食べましたが...
ラーメンを食べるたびに思い出す
なんか不思議と元気をもらえる...僕の「ラーメンの思い出」です


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