あなたには何に見えましたか。
わたしには向こうの方にゆったりと泳いでいくエイに見えました。
久々に、ふわふわの羽のように見える雲が撮れました。
秋の気配を感じさせるこの頃です。
空を見ていて面白いと思うのは、全く同じ瞬間はないということ。
ふと見上げて雲ひとつない真っ青な空が広がってるな~と思い、またふと見上げると
今度は風に吹かれた雲が踊っている。
次はどんな表情を見せてくれるのだろうと思うと、もうそれだけで空の見せてくれる
表情に嵌まってしまう。それから、草木を通してみる空もやはり表情が違う。
どんどん嵌まっていくのがわかる。上を見ながら歩いている人がいたらきっと
それは自分だろう。
こんなことは以前はなかったことだ。昼間の空をぼーっと見上げている余裕は
全くなかった。とにかく机にかじりついていた。でなければあちこち呼ばれていた。
雲がどんな形をしていようが関係なかった。
せいぜい、帰りに雨が降るかどうかの心配をするくらい。
夜、仕事で疲れた身体で雨の中を帰るのは、余計疲れがのしかかってくる気がした。
仕事帰り。真っ暗なはずなのに妙に空が明るい。見上げると満月だった。
冬の日、真っ暗な中を白い息を吐きながらの仕事帰りではよく空を見上げた。
白い光を放っている星々を見ていると、仕事であった嫌なことや仕掛中の作業は
忘れることができ、気持ちも少し明るくなって帰ることができた。
今、空を撮ることに嵌まっているのは、きっとこんなことの積み重ねが沢山
あったからなんだろうと思う。
じっくり見ることのなかった昼間の空。
ふっと一息ついていた夜の空。
別に感傷にひたっているつもりはない。
過去を冷静に見つめられるようになってきたから、こんなことも書けるのだと思う。