横浜のStormy Mondayに通っていた頃、飯は中華街の鴻昌本店でホンキートンク炒飯を食べるのが常だった。もちろんこんなメニューは存在せず、献立表には排骨あんかけ炒飯と書かれていたように思う。ここは入ってすぐに白のテレキャスが飾ってあり、店主はGolden Cupsのエディ潘(通称コウちゃん)さんという中華料理店だったので筆者が勝手にこう名付けた。
大好きだったCupsのオリジナルメンバーも次々と亡くなられ、元気なのはコウちゃんにミッキー吉野さんだけになってしまった。12日に神戸モズライト=カフェで彼らのライブがあり、馳せ参じる。ただバンドはタイガースの瞳みのる氏のバンドと銘打たれ、若手のベースがサポートに付いていた。演奏曲を記すが、曲名の後ろにある【】内はリードボーカルを示している。
①瞳氏が歌うカバーだが題名をメモし忘れた(笑)。有名な本家のリトル=リチャードが歌う粘っこい奴ではなく、POPSのクリフ=リチャードバージョンの②Lucille【藩】確かこれは3枚目のCups LPに入っていた。そして、ベン=E=キングの③STAND BY ME【瞳】。瞳氏が歌い終わってから同名の映画について熱く語りだす。彼が子供の頃、京都で線路下の穴に入り、頭上を駆け抜ける蒸気機関車の底を見ていたそう(笑)。危ねー坊やだな。
蒸気が水滴になり、顔にかかったと言ってたが、蒸気機関には復水器という蒸気を水に戻し、貯めるタンクがあった。ひょっとしてこれはトイレからじゃないか(笑)。なにせ、当時のトイレは床に穴が開いてただけのボットン式。この日の客はそれを知ってる世代ばっかりなので、女性客の顔が引き吊っていたのが可笑しい(爆)
アルバート=キング④Oh Pretty Woman【藩】タイトルを聞いて拍手してる客に『映画の主題曲じゃないからね』とウッチャリをかますコウちゃん。自分がＴバードと組んでた時はそっちばっかり演ってたくせに(笑)。そして今やスタンダードの⑥Danny Boy【瞳】。もうすぐ来日し、今回のチャージよりまだ高いチケットを売りまくってるボブ=ディランの⑦風に吹かれて【瞳】
次がタイガースの名曲⑧花の首飾りをなんと瞳氏ではなくコウちゃんが歌う(笑)。『加橋怒るかな』･･･そんなもん歌ったもん勝でしょ。タケ作曲でヒットしたゴダイゴの⑨ガンダーラ【吉】次は瞳氏のオリジナルで⑩明月荘ブルース【瞳】。ブルースとあるがド演歌調で売れない頃のタイガースと言うより前身のファニーズ時代の苦節を歌った曲。これがなかなか良いんだな。メンバー全員に音源を送ったが誰も感想を言ってこないと瞳氏お怒り (笑)。ホントに良い曲だと思うよ。
カップスを抜けたコウちゃんのヒット曲、色んな人がカバーしている⑪横浜ホンキートンク【藩】。カップスのヒット曲⑫愛する君に【藩・吉】。ミッキーが言うには当時としては珍しい程、凝った造りの曲だったそうだ。ベースのおにいちゃんも『この曲のベースライン、めっちゃ難しいです』と。タイガースのヒット曲⑬君だけに【瞳】。当時リードギタリストとしては下手だった加橋でも弾ける、一本指スラー奏法多用のアレンジをした人が偉かった。
ガーシュウィンの名曲⑭Summer Time【瞳】最後は信じられん曲をコウちゃんが歌う⑮長い髪の少女【藩・吉】カップスを抜けたコウちゃんにこれをリクエストするファンは多かったが、その都度『やんないよ。聴きたい人は六本木(トキさんの店Golden Cupのこと)に行って』と断り続けていた。コウちゃんが昔のヒット曲を歌うようになったんだなぁと感無量の筆者。そしてアンコールのTwist ＆ Shoutでライブが終了した。
この日、演奏者は撮影禁止だったので残念ながら演奏中の写真はない。ただミッキーが神戸のミュージシャンにして名カメラマンのドカチンさんを招いて撮ってもらった何枚かのオフィシャル的なものが存在するので、彼のサイトに行ってみたら出てくるかも(笑)。悔しいのでこの日の飯を挙げておく･･･これが15,000円の飯だ(爆)。文句あるか？！･･･老人に油もん出すお店がステキ。
