Blog ©ヒナ ─半径5メートルの毎日から見渡す世界

ラテンアメリカでの日々(1999〜)、さいたま市(2014〜北浦和:2021〜緑区)での日記を書いています。

1968年

2007年02月08日 | 2005年からの過去のブログ(旧名:「グァテマラから」)

 1968年とは、世界でいろいろなことが起こった年です。学生運動やゲイ・レズビアンの運動、ヒッピームーヴメント。などなど。それはどういう年だったのだろう。これがこの本です。二部構成で前半が日本で、後半が世界です。ナカタは中米・メキシコを担当しました。パトーホ(ちびっこ、という意味)というグァテマラ人が主人公です。1950年代なかばにグァテマラから脱出したチェ・ゲバラは、メキシコに逃げる途中の電車で彼と出会い、そのままゲバラの片腕としてチェのキューバでの執政におおきな力となりました。そのパトーホは、やはり晩年、キューバでの重要なポストより、「祖国」グァテマラでの「革命解放」のために帰国、そのまま内戦に参加します。

 

 グァテマラ内戦下。十年ほど前のキューバ革命こそが左翼のお手本。ならば、その英雄チェ・ゲバラの旧友でゲバラの思想を誰よりも間近で体得してきたパトーホこそが、グァテマラ革命にとってこの上なく有り難く、格段にパワー・アップさせてくれるはずでした。

 

 しかしパトーホもまた、蝋燭に飛び込んだムシのように戦死します。だがこの時パトーホは、このかくも危険で強烈な内戦の渦に、思想ではどうにもならない、グァテマラ内戦のあるひとつの大きな渦を覗き込んでいました。それをめぐるお話です。

 

「『自由な祖国』への『連帯』に関するノート ──メソアメリカ 一九六八年──」、すが秀美編、『思想読本11 “1968”』、東京、作品社、2005年、206-211頁


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