エデュパな日々

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模試の作法(2)

2011-09-22 09:46:27 | 教育
学校別模試(予想模試やプレ模試など)の場合,模試の2大意義

(A)実力を判定する
(B)実力をつける(復習することで)

共に一般模試に比べさらに重要な意味を持っています。

(A)は精度の高さを求められます。各学校の中長期的入試傾向を踏まえ,直近の流れ等から予想を立てて各問題を練り,テスト全体を組み立てる必要があります。オリジナル度に酔うことなく忠実に学校の出題傾向に沿うことが大切です。

50本程灘模試を作って(甲陽で20本弱か)来て思うことですが,特に最難関名を冠した模試作成時に犯しやすいミスに「難しく作りすぎること」があります。

冠模試初心者の頃は力んでしまって平均点など20点前後ということもザラでした。灘2日目などでは大問5問全てを凝った出題としたりするとそうなります。大阪星光模試で120点満点中平均点が10点以下という金字塔(?)を打ち立てたこと(^^;もありました。本人としては面白い問題になったなぁと悦に入っていましたが,結果的に(A)の役割を十分に果たすことができていませんでした((B)としては十分)。

適切に進路指導をするには平均点は少なくとも40点以上は必要で標準偏差も大きくなる方ことが理想です。如何にして易,標準,難問ととりまぜ綺麗な分布を出しつつ,復習して役に立つようなテストとするかが作問者の腕前の見せどころなのです。

最近でも教材研究として関連しそうな高校・大学受験・その他(算オリ数オリ等)の問題にも目を通すようにしていますが,そこからそのまま拝借したような模試問題を見かけることがたまにあります。中学入試対応に改変せず,単に難しいから面白いからだけで出題しては(B)としての価値まで低くなってしまう場合もあります。

生徒・保護者の方には問題の良否の判断ができないケースが多いでしょうから(特に小学生は難しければ難しいほど「凄い模試だ」と勘違いしやすい)余りに平均点が低い模試(正答率が低すぎる問題)に出会った場合,経験が豊かで信頼できる講師にそれが解けるべき問題なのかどうか相談してみるとよいかと思います。受験に向けて無用な心配は排除する方がよいのです。