ビタミンB12の欠乏はうつ病や認知症の原因に
見逃せない15の警告サイン(1)
そのうちの一つが健康に欠かせない水溶性ビタミンであるビタミンB12です。
しかし、B12欠乏の症状は他の病気と似ており見落とされがちです。
ビタミンB12は、体に必要不可欠な栄養素ですが、人体で生成することはできません。
1日平均2.4マイクログラムを食事やサプリメントから摂取する必要があります。
動物性食品に多く含まれるビタミンB12ですが、アメリカ国立衛生研究所は、
高齢者の3%〜43%がビタミンB12不足だと警告しています。
ビタミンB12欠乏症は、かなりの数の人が罹患しているにもかかわらず、
最も見過ごされている病気の一つです。
ビタミンB12は、全身の多くの機能において重要な役割を担っています。
例えば、血液細胞の生成や神経細胞の健康維持に重要な役割を果たしています。
ヘモグロビンの生成、神経強度の向上、ホモシステインレベルの調整などに役立ちます。
体内で生成されるアミノ酸であるホモシステインが高いと、
心臓発作や脳卒中のリスクが高まります。
ビタミンB12は血中のホモシステインの分解を助けるといいます。
では、ビタミンB12不足の警告サインはどのようなものでしょうか。
ビタミンB12欠乏症の15の警告サイン
大球性貧血の最も一般的な原因はビタミンB12の欠乏です。
骨髄が、未熟で大きな赤血球を作り、疲労感、めまいなどを引き起こします。
具体的には、ビタミンB12不足の症状は以下の通りです。
●めまい、頭痛
●疲労感、顔色が悪い
●視力低下
●舌の腫れ、炎症
●手足のしびれ、関節痛
●バランス感覚低下、歩行不安定
●息切れ、動悸
●食欲不振、体重減少
●失禁、便秘
●記憶喪失
●不眠
●うつ、パニック障害
●認知症
●パラノイア、妄想
●不妊症
ビタミンB12欠乏症の乳児は、形成不全、大球性貧血、
成長障害を起こし、神経系に永久的な損傷を与える可能性があるので、
できるだけ早く治療できるように症状を認識することが重要です。
経験豊富な施術者は症状を確認し、欠乏症であると推定することができますが、
それでも状態を確認するためには検査が必要です。
ビタミンB12欠乏症の発症リスクが高いグループがあります。
これらの人々は、食事で十分なビタミンB12を摂取していないか、
体内で吸収されにくいのです。
ビタミンを吸収するためには、まず胃酸で食べ物のタンパク質からビタミンを分離し、
次に胃で作られる内因子というタンパク質にビタミンB12をくっつけて
体内に吸収させるという2つのステップを踏みます。
B12のサプリメントを飲んでいる人でも、体内の内因子が不十分なため、
吸収できないケースもあるのです。以下のような人は、
ビタミンB12欠乏症の発症リスクが高いです。
高齢者 加齢に伴い、体内で胃酸が十分に作られなくなることがあります。
コーヒーをよく飲む人 ベルゲン大学の研究によると、1日に4杯以上コーヒーを飲む人は、
血漿中のビタミンBの濃度が低いことがわかりました。
飲酒者 栄養状態の良い健康な閉経後女性を対象に、
定期的な飲酒がビタミンB12に与える影響を測定したところ、
ビタミンB12のレベルが低く、肝臓がビタミンB12と関係している可能性を示しました。
特定の薬を服用中の患者 PPI(プロトンポンプ阻害薬)、H2受容体拮抗薬、制酸薬、
メトホルミン、コルヒチン、コレスチラミンなどを服用中の患者、
または抗痙攣薬や抗生物質を服用中の患者も特に注意が必要です。
萎縮性胃炎の患者 ビタミンの処理と吸収に必要な胃酸と内因子が減少しています。
悪性貧血の患者 内因子が産生されません。
つまり、サプリメントや食べ物からビタミンB12を吸収することができず、
治療のためにB12注射が必要なのです。
胃や腸の手術を受けた者 例えば、減量手術では胃の大部分を切除するため、
胃酸や内因子が不足します。
そのためビタミンB12の吸収量が減少することがあります。
胃や小腸に疾患がある者 セリアック病、クローン病、熱帯性スプルー、
細菌増殖症などが該当します。
ベジタリアンまたはビーガン
ビタミンB12は、肉、魚、乳製品、卵などの動物性食品にのみ含まれています。
そのため、厳格なベジタリアンの女性は、妊娠中や授乳中に
赤ちゃんに十分なビタミンB12を与えることができません。
(つづく)
(翻訳・呉思楠)