■隠れ糖質にはご用心
糖質制限の重要性を理解してくれたあなたが、
好きなラーメンを我慢したり、ご飯の大盛りをやめたとしても、
ほかのところで知らず知らずのうちに
糖質を摂ってしまっていたら努力も台無しです。
実は、意外な食品に「隠れ糖質」が潜ひそんでいます。
たとえば、カレーやシチューのルウなどには、
かなりの小麦粉が使われています。
シューマイやギョウザは皮が曲者です。
野菜は総じておすすめですが、ジャガイモやカボチャは
糖質が多いので摂りすぎには気を付けたほうが良いでしょう。
健康に良いはずのヨーグルトも、
加糖タイプは思っている以上に多くの砂糖が入っています。
プレーンタイプに替えましょう。
図表1に代表的な食品の「隠れ糖質度」を示しておきましたから、
それを参考に、糖質の少ない食事を心がけてください。
その上で、「今日から一切口にしない」と決めてほしいのが、
液体の糖質です。コーラなどの清涼飲料水、
缶コーヒー、エナジードリンク……、
こうしたものには、恐ろしいほどの糖質が含まれています。
缶コーヒーでOKなのはブラックタイプだけ。
微糖を謳(うた)っている商品も、実は糖質の塊です。
エナジードリンクを飲むと元気になったと感じるのは、
カフェインの力はもとより、含まれている糖質によって
一時的に血糖値が上がっているからです。
本質的には、元気になっているどころか、不健康に向かっています。
こうしたことを理解した上で、コンビニで飲み物を買うときには、
迷うことなくミネラルウォーターか
糖分の入っていないお茶の棚を目指しましょう。
糖質摂取量を減らす小さな習慣の積み重ねが、
あなたをアルツハイマー病から遠ざけてくれます。
牧田 善二(まきた・ぜんじ) AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、
肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。
世界アンチエイジング学会に所属し、
エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、
これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、
『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、
『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、
『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、
『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。