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見かけの風の変化への対応

2010-01-21 22:35:29 | レース<ハンドリング編>
 今日は、久しぶりにボートハンドリングについてのご紹介をします。
 一般的にヨットは風向に対して45度くらいの角度まで風上にのぼって走れるといわれています。ところが、ヨットの上で感じる風は風向に対してもっとのぼっているように感じます。ヨットの上で感じる風向を見かけの風と呼びます。

 図のように見かけの風の風向は、実際の風向、風速とヨットの艇速との関係によって決まります。
 ヨットレースでは風向の変化(ヨット関係者の間では風の振れといいます。)が、レース戦略に大きな影響を与えます。自艇にとってより有利な風向の変化を予測して、有利なレースコースの選択ができるかどうかで、勝敗が大きく左右されます。帆走しているヨットの上で感じる風は、見かけの風なので、風向の変化も見かけの風の風向の変化として現れます。ところが、風向が変わらなくても、見かけの風が変化する場合があるのです。

 最初に、風速が落ちた場合を想定してみます。

 図のように風向が変わらなくても、風速が落ちた場合、見かけの風が一時的に前に回ることがあります。特に東京湾奥での北風の軽風時等、風の強弱が激しい海面でレースをしているときなど、一時的にブローから抜けたときに起きる現象です。その際、ヘッダーだと勘違いし、あわててタックすると大きく失速する原因となります。
 このような場合、ヘルムスマンとしては、まず風速が落ちていることを皮膚で感じることが大事です。隼の対処方法としては、一時的にバウダウンさせるよう舵をきって、クルーに体重移動をしてもらい、メイントリマーにセールをルーズにトリムし直してもらいます。その後コンパス方位で風向を確認し、目立った変化がなければ、風向の変化でないことを確認しています。

 今度はブローに入るなどして風速が増した場合を想定してみます。

 さっきの逆で、見かけの風は艇の横に回ります。私の経験から、風速があがるときのほうが、落ちる時よりも風速の影響であることはわかりやすいと思います。隼の対処方法としては、やはりクルーに体重移動をしてもらい、艇のオーバーヒールをしっかり起こします。クルーがタイミングよくヒールをつぶせば、舵は特に意識して切らなくても大丈夫です。同時にメイントリマーにセールを風速にあったトリムに調整してもらい、艇が安定したところでコンパス方位をチェックします。

 以前、「スピード感覚」についてコメントした際、次のように自分で書いてありました。
”陸に近いところにウェザーマークが設置された場合、風向、風速とも変化が激しくなります。ボートの向きがころころ変わり、ブローで加速したり、無風帯で失速したりを繰り返すうちに、自分が周りより有利な風を受けて走っているのかどうなのか、わかならなくなることも多いと思います。…”

 このような状況に自艇がおちいったとき、今回コメントした見かけの風の変化への対応をぜひためしてみればよいと思います。


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