中国語の語学力がかなりのレベルであっても、中国人と同じ表現を使えるか、というと、必ずしもそうではありませんよね。中国人と同じ表現を使って会話できたら、あなたの中国語の力はホンモノ
です!
今回は、『聴く中国語』2014年1月号より、次の言い方を紹介します。ぜひ、会話の中で使ってみてくださいね。といっても、あまり使う機会がない方がいい表現ではありますが……
あなたが人に頼み事をしました。しかし、彼は事を成し遂げられなかったばかりか台無しにしてしまいました。こんな時、あなたは何と言いますか?
「成事不足、敗事有余」事を成し遂げる力はないが、ぶち壊す力は大あり(何をやらせてもダメ)
解説 “成事”は事を成就させる、“敗事”は事をダメにするという意味。この語句は事を成し遂げられないばかりか、台無しにしてしまうことを指している。無能な人間あるいは、事態をわざとダメにするような人間に使われる。
(『聴く中国語』2014年1月号 日中通信社77ページ「本場の中国語を学ぶ 中国人ならズバリこう言う」)
中国の成語故事をご紹介します。今日の成語は、「対牛弾琴」です。ぜひ、会話の中で使ってみてくださいね!
春秋時代、魯の国に公名儀という著名な音楽家がいた。琴弾きの名人で、その琴の音は人をして酔い痴れさせる程だった。一度、琴を携えて郊外の田野を散歩していた時のこと
。牛が一頭草を食んでいるのを見かけ、好奇心から牛に対して琴で一曲奏でた。しかし牛は優雅な曲の調べなどまるで介さず頭を垂れて草を食い
続け、しばらくすると何事もなかったかのように立ち去った。公名儀はため息をついた。「牛相手に琴を弾いてもまるで通じぬか」
。後に人々は、愚かな人に対して深遠な道理を説いたり素人相手に玄人話をして時間を無駄にすることの比喩に“対牛弾琴”と言うようになった。現在では相手をわきまえず物を言う人への皮肉として使われ、また相手を見下して物を言うという意味で用いられることもある。
(『聴く中国語』2014年4月号72ページ 日中通信社)