花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

ファウストの悲劇

2010年07月28日 | 芝居
すでに観劇から1週間以上経ってしまったわけで・・
どうだったか。って言われると・・
大学教授・ファウスト博士の最期、後悔に訴えるシーンだったかな。

この舞台は、私が苦手とする蜷川幸雄演出作品。しかし出演者野村萬斎ということが勝った。
野村萬斎出演の場合、蜷川幸雄演出というものの萬斎色がでて、さらに上演時間も2時間台のはず!と予想しチケットを買った。

ファウストといえば、ゲーテの代表作だけれど、この「ファウストの悲劇」はシェイクピアと同時代の劇作家クリストファー・マーロウの戯曲だそうな。

今回、劇場にはいると、歌舞伎を上演するような趣、赤い提灯がともり、舞台は定式幕、奈落が見えるってな舞台。
歌舞伎の『十二夜』の延長か??と思わされる。
『十二夜』は歌舞伎役者が演じたものだけれれど、それを自分の舞台に出演することの多い役者で舞台をつくってみました!ってなとこと??

なんて思うと・・私には、やっぱり『十二夜』版に重なって見えそうな箇所が多々。
それに蜷川演出らしく・・なっがいなあ・・しつこいなあ・・こってりくるなあ。金掛けてるなあ。
なんてかんじで、野村萬斎自分自身が演出した「国盗人」(原作:シェイクスピア「リチャード三世」)でカットしたようなおちゃらけ場面、ここではありで、遊んでいるようにみえました。
自分じゃやらないし、今回狂言じゃなくあえて大衆演劇の歌舞伎手法ということで、遊んでますのような
ファウストの放蕩の限りを尽くす、悪魔メフィストフェレスと約束した24年間。
このファウスト・ドイツ・ヴィッテンベルグの大学教授で神学の最高権威として尊敬もされていたのに、魔術にふけるようになってやがて、悪魔を呼び出して命と引換えに24年間放蕩の限りを尽くすわけですね。
そしてその魂(命)の失われる時ファウストの後悔・・そうそれがタイトルでもある「ファウストの悲劇」、ここ萬斎独壇場で・・台詞もばっちり。ここが見たかった~~ってかんじで最期は、この最期の訴えに対しあっさりだったかも。
あとは、まあ遊んでるのかな~というかんじで、木場勝己さんも今回は、前日のお酒残っていても大丈夫かなあ・・と思えるような大御所ならでは面白さかも。
そして、悪魔メフィストフェレスの勝村政信が、はちゃっけてやっぱり面白い。
この人ならではのメフィストフェレス。

開演前、コクーン前の喫茶で、勝村政信さんをお見かけする。
俳優さんのご家族とご一緒? 1時間前ぐらいには、席を立たれた勝村政信さん。
そのご、ご一緒だった方のお嬢さん??「まさか出てきてくれると思わなかったけど、・・」
って話されていた、
メフィストフェレスでなく天使のような勝村政信さんの一面を先にみてしまったようで、
その後、飄々とした悪魔メフィストフェレスを見たわけで・・面白かった。
また席もちょうどよく、客席通路での台詞のやり取りを間近でみれたのが楽しかったかもしれない。

でも間違えなく野村萬斎出演でなければ、行かなかっただろうな。私。