花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

アンナ・カレーニナ

2006年02月16日 | ミュージカル
ルテアトル銀座 A席23列
今回は、この作品は、ちょっと芝居で見るのはな~と思いつつも「井上芳雄」くんヴロンスキー目的です。
作品は、トルストイ原作の『アンナ・カレーニナ』。
トルストイっていえば、『戦争と平和』!
じっくり重~いというイメージ。
「アンナ・カレーニナ」今回、久々に新潮文庫3巻観劇前に読んでしまった。
これが、いけなかった!って思った。
自分の中で活字から創造する『アンナ・カレーニナ』の世界がちょっと出来てしまっていて、人物像もけっこう私の中で出来上がってしまったような気がする。
一人として、私の描いた人物像と同じではなく、異なった人物だった。

オブロンスキー小市慢太郎。ちょっと軽い男だった。
芝居の中では、狂言回し的要素もあり楽しい人物だった。
リョーベン。葛山信吾。小説の中では、かなり野暮ったいイメージだが、誠実な人。
その野暮ったさのようなものが、すこ~しある田舎者だけど、すごくかっこいい!!イケメン!
舞台に立って今回一番、舞台を想像の世界に仕上げてしまう芝居を見せてくれたような気がする。
彼だけだったような気がする。一人で立って人物の風景をも作り上げていたのは。ミュージカルが、初めてだそうだが、今回の舞台は、ミュージカルの前に芝居がしっかりしていないと話が、感動をよばないような気がした。
キティ新谷真弓。彼女こそ私が想像していたキティではなかった。
素朴でかわいいいけど、きゃぴきゃぴ元気な娘!
私のイメージは、奥手(晩熟)な可愛い可憐な静かな女の子。
そんな新谷キティだったけど、話してしては、『アンナ・カレーニナ』のリョーベンとの中は原作の二人の関係そのものが描かれていたように思った。
まあ、始めは上手くいかない二人でも、最後の二人は、ハッピーエンド。
描きやすいといえば、描きやすいのだろう。
客席も自然にこの二人のシーンに拍手が多かったような気がする。
さて、アンナの一路さん。
まず、息子セリョージャを可愛がるんだけど・・母性という息子に対する気持ちがなんだか違うようにみえた。可愛がってるんだけど・・・。
母親というより親戚のおば様に思う。
何がどう違うの?って思いつつ、最後まで納得いかず首かしげたままだった。
そして、良識ある才女が、激しい恋に・・だけど、これまた
どこか違う。う~ん。相手が合わない?

さて井上君。衣装をまとった陸軍士官かっこよく、ソロの歌は、とっても聞かせてくれていいんですけどねえ。
アンナに夢中になるヴロンスキーこれまた演技はしてるんだけど・・違う。
ストレート部分こちらにほとんど伝わらない。
とくに前半分。
後半、駆け落ちして・・恋に「うきうき」あたりはいいんですけど。
年上への情熱が上手く出ないのは、一路さんが、若いヴロンスキーの愛情に惹かれる姿が弱いのかな。恋におぼれるというのが。

日本の狂言作者近松門左衛門がつくる心中物のほうが作品としてまだ、面白いかも。なんてまで思ってしまったし。(といいつつ私あまり近松作品好きじゃないんですが)

今回お稽古期間の流れは、とても良かったそうだけど・・。
S席前方なら、役者メインで視線がいくかも。だが、23列目ともなると、舞台全体が視線のフレームに入り、顔の表情以上に、動作一つ一つが肝心となる。が、そこが、顔で演じてしまっているのだろうか?
コメント
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