アラビア語に興味があります。

 イランはペルシア語の国です。トルコはトルコ語で、現代トルコ語はローマ字で表記されます。

ナギーブ・マフフーズのカイロ3部作邦訳

2011年12月04日 22時08分22秒 | アラブ文化など
 アラブ初のノーベル文学賞受賞(1988年)作家である、ナギーブ・マフフーズ。その受賞作が『バイナル・カスライン』で、これは元アラビスト外交官の塙治夫氏により、受賞以前に邦訳され、河出書房新社より、上下2巻で出版されていました。

 このたび、その『バイナル・カスライン』を含む、ナギーブ・マフフーズのカイロ3部作が、同じく塙治夫氏によって、新完訳版としてお目見えします。邦訳タイトルは、それぞれ、

1.バイナル・カスライン → 張り出し窓の街
2.カスルッ・シャウク  → 欲望の裏通り
3.スッカレイヤ     → 夜明け

とのこと。ううむ、「欲望」以外の単語は、原題と関係ないものばかり…。

 『張り出し窓の街』の「張り出し窓」とは、出版元の国書刊行会のサイトによると、「張り出し窓は格子がはめ込まれ、女は中から外をのぞき見ることができるが、外からは見られず、古い社会習慣を代弁するもので、旧市街の民家に多い」ということなので、マシュラベイヤの窓のことでしょう。マシュラベイヤとは、飲む sh-r-b の語根から派生したことばで、独特のその「格子」のこと。格子を通して風が入ってくるので、その風で飲み物の入った壺を冷やすことができるからです。

 なお、エジプト大使館文化・教育・科学局ほかの主催で、「ナギーブ・マフフーズ その魅力のすべて」 という、生誕百年とカイロ三部作刊行記念の講演会も開催されるとのこと。

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