
クリックで拡大
会場にスタンプが用意されていて、自分の名前を3種類の古代文字で書くことができます。
楔形文字を始め、世界の文字を一気に見ることができます。
シュメール語(系統不明)とアッカド語(アフロアジア語族セム語派)の辞書(語彙の対応表)の粘土板などもあり、ありがたく拝んで参りました。
アラビア文字はナバテア文字の系統、などの知識はあっても、実際の文字が読み書きできるわけではない私は、展示品を、
「ほー」
と感心してながめるばかり。アラビア文字のコーナーに来て、やっと、解説と見比べながら「こう書いてあるのかな」と楽しむことができました。
コインなどはあまりに小さく、うっかりすると解説版の拡大写真だけ見て通り過ぎてしまいそうになります。危ない危ない。また、アラビア文字ではありませんが、円筒印章も小さいのに細工が細かくて見入ってしまいました。
中には、シリア文字の表もあり、ネストリウス派キリスト教徒が文字を覚えるのに使ったものと推測されるようですが、それがほとんど切れっ端と言いたいくらいの大きさで、良く練習用の文字表だとわかったなあと思います。
世界の文字の歴史から見ると、漢字というのは新しい部類に入るようですね。展示でも、最後の方になってやっと漢字が出てきました。おお、やっと見覚えのある文字が出てきた!とほっとしました。漢字の流れで、かなの写本なども飾られていました。
展示品が面白かったり美しかったりするのに加えて、解説もわかりやすくて、迷わず図録(税込み1080円という安さ)を買いました。全ページつやつやのカラー印刷です。さらに驚いたのは、ページ数の表示。楔形文字についてのページは楔形文字で、聖刻文字(ヒエログリフ)についてのページは聖刻文字で、ページ数が振られているのです。すばらしい! これを眺めているだけでも楽しめます。
来週は「文字のシルクロード」という講演会があります。これも楽しみにしています。
مخرطة ミフラタ/マフラタ は、フスハーの辞書で引くと lathe 旋盤 としか出てきませんが、エジプト方言では、旋盤の意味のほかにミンシング・ナイフの意味もあって、主にモロヘイヤをみじんに刻むのに使われる包丁のことです。エジプトで良く見たのは、弧を描いた刃に、持ち手が2箇所付いているものです。
イタリアのサラダ用包丁は、調べたところ、mezzaluna、半月という名前。画像検索すると、刃が二重になったものなどもありました。英語の Wikipedia を見たら、お肉用の刃が三重のメッザルーナもありました。エジプトで、マフラタでお肉を刻んでいるのは見たことがないので(私が見たことがないだけかもしれませんが)、これはびっくりです。
頂いたのは、カルダモンのたっぷり入った高級品とのこと。こんなコーヒー、初めてです。


クリックで拡大
見かけはマンゴー・ジュースですか?と聞きたくなるような、とろとろの液体。でも飲むと、カルダモンなどのスパイスの効いたコーヒーです。見かけと味が一致しない!と思いながら頂きました。ドバイのホテルで「これがアラビア・コーヒーか」と思いながら飲んでいたあの液体は何だったのでしょう?
底にスパイスが沈殿してしまったのを、途中まで、無意識のうちにトルコ・コーヒーの感覚で沈殿させっぱなしにして、上澄みを飲んでいたのですが、ぐるぐる混ぜながら、スパイスも飲むのが本当でした。しかし、あまりにとろとろで飲みきれない!
異文化体験の午後のひとときでした。
【追記】ツイッター経由で、@HASSANKONAKATA 先生から「おお、これは本格的なサウディ風ですね!」とのコメントを頂きました。だから今まで飲んだことがなかったんですね、納得。
【さらに追記】コーヒーの缶です。調べたらこの سيافا Siafa という会社はサウジアラビアの会社でした。

クリックで拡大
この本は、日本の高等学校で第二外国語を必修化することを目指したもので、第10章も、主に、エジプトのサーナウィーヤ・アーンマ(普通科の高等学校)での第二外国語教育に関するお話になっています。(エジプトの高校教育に関しては、福岡県立大学の田中哲也先生の論文が多数ヒットしてきて、執筆時には大変参考になったのですが、章末の引用文献には、文字通り「引用」した文献しか載せてはだめと言われ、残念ながら、田中先生の論文は載せられませんでした…。)
エジプトでは、第一外国語の英語に加えて、中学校から第二外国語のフランス語が必修となり、高等学校ではフランス語以外にも、スペイン語、ドイツ語、イタリア語が第二外国語として選べます。サーナウィーヤ・アーンマの試験(普通科高等学校の全国統一の卒業認定試験)でも、第二外国語が課されます。ヨーロッパ言語ばかりなのが残念なところですが、日本でも、英語以外にも言語はいっぱいあるんだ、英語以外の言語も学んでみようという機運が高まれば良いなと希望しながら書きました。
アマゾンその他で購入可能です。どうぞよろしく。
サイトからシェヘラザード Scheherazade の最新版をダウンロードしてインストール、これまで作っていたファイルを開いたら、アラビア文字の行間ががばがばに空いて、レイアウトが崩れまくっていました (ToT)
試しに、USBメモリに入れておいた古いバージョンの Scheherazade を入れ直したら、レイアウトはかなり元に戻りました。
ちょっとこれまで作ったファイルのことを考えると、最新版を入れる気にはなれません。
いやぁ、こういうこともあるんですねえ。こんなに違うなら、ネオ・シェヘラザードとか、フォントの名前を少しだけ変えて欲しいです。
【追記】シェヘラザードはSILのサイトのこちらからダウンロードできます。
その他、アラビア文字のフォント各種
アラビア文字フォントの縦幅
Scheherazade と Lateef (フォント)
「かばん」と検索すると、鞄のほか、鞄持ちや旅行鞄なども出てきます。同時に、「私家版 しかばん」「書架番号 しょかばんごう」などまでヒットしてしまうのはご愛嬌。
『アラビア語検索エンジン アラジン』にも「和語検索」の機能はありますが、やはりアラビア語日本語辞典の訳語検索であり、どれが最も適切な訳語になるのか、わかりにくいところがありました。その点、この『了解』は、日本語アラビア語辞典として作られているので、適切な訳語がばっちり出てきます。
唯一、難点としては、基本単語を引くと、自動でそれを発音してくれてしまうところでしょうか。図書館などでは、PCのボリュームをゼロにしてご使用ください。

『了解』で「かばん」を引いたところ
クリックで拡大
半年以上も更新してなくて、もう誰も見ていないのではと思いながらも、とりあえず取って付けたように大晦日に記事(?)をアップ。10月に北海道大学で日本オリエント学会の研究発表大会があり、行ってまいりました。会場で、こんなクリアファイルを売っていたので、買ってまいりました。それだけ。
「知恵」と「愛」をオリエントの各言語+英語で書くとこんな風になります↓

クリックで拡大
書かれている言語は、アラビア語のほか、「知恵」はコプト語、シリア語、ヘブライ語、古代エジプト語、アッカド語、シュメール語。「愛」はヘブライ語、古代エジプト語、アッカド語、シュメール語です。
では、皆様、良いお年をお迎えください。
※画像が回ってしまっているようです。どう調整したら良いのか、目下思案中です。すみません。 何だか、直ったみたいですね。ほっとしています。
自撮り写真をインスタグラムにアップするのがお好きなのだそうですが、10日か2週間ほど前、ちょっとエキゾチックな雰囲気にしようと、写真に「あなたは美しい」というアラビア語をアラビア文字で入れて(入れたつもりで←伏線)、アップしたとのこと。

リンジーさんは女性なので、本来なら、 أنت جميلة ('anti jamiilah)とでもなるところなのに、ご覧のとおり、أنت حمار ('anta Himaar)すなわち、「あなた(男)はロバだ」…これは「お前は馬鹿だ」という意味になってしまいます…。(ロバさん、かわいそうですが。)
今なら、ネイティブ・チェックまで行かなくても、今なら Google 翻訳などで簡単に調べられるのに、あまりに基本的なミスでした。合掌。
でも、「ISIS」や「ISIL」の頭の「I」はイスラミックの略だから、私は嫌だ。
同様に「ダーイシュ」と呼ぼう、というご意見についても、「ー」の、アラビア語綴りだとアリフの文字になるところ、ここがイスラーミイヤの略だから、私は嫌だ。
アルジャジーラは、「イスラーム」という語や、その形容詞形を付けないで、「国」の組織、とだけ言っている。これなんか良いと思う。
さらに言えば、「国」と自称しているけれど、国家としての体はなしていない、自称「国」なので、
中東にある【自称「国」組織】
と呼んであげたらどうだろうか。今のところ、中東地域には、他に、自称「国」はないと思うので、これで他の組織と弁別できると思う。

右から2番目の美女は、ヨルダンのラニア王妃? 良く見ると、そのお隣、いちばん右にいらっしゃるのはアブドッラーII世陛下では?
日本語で検索しても、ヨルダン国王夫妻の訪仏は報じられていなかったのですが(ネタニヤフ首相とアッバース議長が同時参加したという方が大事みたい)、アラビア語では、しっかり報じられていました。

CNNのアラビア語版です。「アブドゥッラー国王とラニア王妃とネタニヤフが参加」とあります。ラニア王妃のご活躍、ファンとしては嬉しいです。
さて。先程、シャルリー・エブドの次の号の表紙の画像が、AFPによって公開されていると教えてもらって、見てみたのですが、、、

(一部、修正を加えました。)
報道のとおり、預言者ムハンマドが「私はシャルリー」というプレートを持っている風刺画…。はぁ~。イスラーム教徒たちが、預言者(ムハンマド ص に限らず)を絵に描きたくない、描いて欲しくない、と思っているのに、あえてこういうことをしますか。この風刺がで嫌な思いをするのは、テロリストだけではありません。テロとは無縁の穏やかな生活を送っている数多くのイスラーム教徒も、信仰心を傷つけられるのです。
テロという暴力に、暴力ではなく、言論の力で立ち向かうことは正しいと思いますが、それによって、暴力など振るわずに、平和的に暮らしている多数のイスラーム教徒の気持ちを害するのは間違ってはいないでしょうか。『シャルリー・エブド』の題字の下に「無責任な新聞」と明記してあるのを差し引いても、これはいかがなものかと思います。
うーんと、ちょっと話がそれてしまうのですが、イスラーム教徒たちが預言者の肖像を描くことを拒む件について。シーア派だと、ずいぶん事情が違っていて、預言者ムハンマド ص の肖像もがんがん描かれているようです。以前、日暮里の「ざくろ」にあった肖像画について記事を投稿したことがあります。
「イスラーム教徒は…」と、すぐひとまとめにして言いたくなりますが、イスラーム教徒も、いろいろいるんですよ。テロリストもいる、穏やかな人もいる、スンニー派もいればシーア派もいる…。
今回の投稿は、話が飛び飛びで散漫ですみません。
1.ラニア王妃がご活躍で嬉しい。
2.テロとは無縁の平和的なイスラーム教徒まで傷つけるような風刺画はやめて。
3.イスラーム教徒と十把一絡げに言わないで。いろいろいるので。
というあたりが、今回の要点です。
【追記】 夜、TVニュースを見ていたら、エジプトやトルコの宗教機関から、抗議の声明が出たというようなことが報じられていました。言論には言論で立ち向かうという、正攻法です。シャルリー・エブド側も、これを黙殺しないで欲しいです。
شارلي إبدو (シャルリー・エブド)でニュース検索したら、記事が出てきました。例えば、エジプトの اليوم السابع (第7の日)新聞では、エジプトのダール・アル=イフターウ( دار الإفتاء المصرية イスラームの教育施設かつイスラーム法研究センター。現在の大ムフティーは、シャウキー・アッラーム師)が警告を出したことを報じています。
【さらに追記】 預言者ムハンマド صلى الله عليه وسلم の風刺画(シャルリー・エブドの最新号の表紙)に、抗議の意味を込めて、一部、修正を加えました。お顔がまだ透けて見えるような気もしますが。
今、書いている原稿で使うかと思って、アラブ諸国のTOEFLスコアのグラフを作ったのですが、結局、使わないことになったので、こちらに上げることにします。
2013年のTOEFL iBT テストの分野別(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)のスコア(こちらで公開)を、レーダーチャートにしてみました。ガザ地区と、西岸地区はデータなし(欄はあるが数字が入っていなかった)です…と思ったら、「パレスチナ」がありました。

日本のスコアを、まっかっかで入れておきました。いや~、こうして見ると、アラブ人の英語スピーキング能力、高いですね。 いちばん成績の悪いのが、水色の線のサウジアラビア、その次がちょっと茶色っぽいオマーン、次が少し色の濃い水色のイエメンですが、いずれも、スピーキングは日本を上回っています。というより、日本はアラブ諸国すべてに負けています。
一応、数字を下に貼り付けておきます。
Reading | Listening | Speaking | Writing | Total | |
---|---|---|---|---|---|
アルジェリア | 16 | 18 | 20 | 18 | 73 |
バーレーン | 18 | 21 | 23 | 21 | 84 |
エジプト | 19 | 21 | 22 | 21 | 83 |
イラク | 14 | 16 | 19 | 17 | 65 |
ヨルダン | 18 | 20 | 21 | 19 | 78 |
クウェート | 16 | 18 | 20 | 18 | 72 |
レバノン | 20 | 22 | 23 | 22 | 87 |
リビア | 16 | 18 | 21 | 18 | 73 |
モロッコ | 18 | 20 | 21 | 20 | 79 |
オマーン | 14 | 16 | 19 | 17 | 65 |
パレスチナ | 17 | 19 | 21 | 19 | 75 |
カタール | 17 | 20 | 21 | 19 | 77 |
サウジアラビア | 13 | 15 | 18 | 15 | 61 |
スーダン | 16 | 19 | 21 | 19 | 75 |
シリア | 17 | 19 | 21 | 19 | 76 |
UAE | 17 | 19 | 21 | 19 | 76 |
イエメン | 15 | 17 | 21 | 18 | 70 |
日本 | 18 | 17 | 17 | 18 | 70 |
さて、年末恒例の紅白歌合戦では、サザンオールスターズが31年ぶりに出場(桑田佳祐さん個人が、食道がんからの復活の際に紅白に出ていたりされていたので、そんなに間があいていたことに気付いていませんでした!)し、「ピースとハイライト」と「東京VICTORY」を歌ったこと、特に「ピースとハイライト」という選曲が話題になっています。
その「ピースとハイライト」を歌ったとき、ステージ後方では「平和」という単語がさまざまな言語で投影されたのですが、アラビア語が残念なことになっていました (ToT)

(クリックすると、ステージ全体の画像が出ます。)
سلام となって欲しいところが、م ا ل س と、文字がバラバラに、逆方向に並んでしまいました。orz
何故か、この手の表示トラブルは多発しており、昨年夏に、株式会社コロワイド東日本さんが、横浜市文化観光局と提携して、イスラーム教徒の旅行客誘致を強化するため、横浜市内の飲食店に、礼拝用マットとコンパス(メッカの方向を調べるため)を備え始めた(そのときのプレスリリースは こちら)のですが、そのときの店頭シールのアラビア語が、最初、左から右へ独立形が並んだものになってしまっていました。幸い、すぐに修正されましたが。

クリックで拡大します。
修正後は、英語・アラビア語の訳文も良い感じに♪
20世紀末に比べて、コンピューターでアラビア文字を扱うのは随分と楽になったのですが、まだまだトラブルは起きるんですね。確かに、使いやすくなったとはいえ、twitter や Facebook でアラビア語と日本語を混在させて打つと、文字並びがおかしくなりますものね。
右から左に書いていくのは、アラビア文字(ひいては、ペルシア文字、ウルドゥー文字、ウイグル文字…etc.)だけでなく、ヘブライ文字などもそうですから、さらなる技術革新を期待したいと思います。
by 創造神ジェネレイター
→ bzmm.jp/demiurge
作:@creator_god_bot

クリックで拡大
「創る」ではなく「作る」なのが、この神さまのかわいいところ。