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回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

夕映え

2020年08月21日 18時04分23秒 | 日記

夕方の飛行機に乗ると、東側の窓からはもうすっかり暗くなって黒い空しか見えないのに、西側の空が夕映えに輝いていることがある。一つの空間で、窓が東西どちらに向いているかによってこれほどまでに明るさに違いがあるというのは、飛行機が狭いだけにその違いが歴然としていて面白い。

かつて、東京神谷町のオフィスで席の配置を変えた時、その部屋が東西に窓があったので、朝日を浴びたい人は東側に、夕方少しでも明りを欲しい人は西側に、と声をかけたら、予想通り東側を希望した人のほうが多かった。やはり朝日を浴びながら一日の仕事を始めるほうが気持ちが良いのだろう。

一方で西側は特に夏は午後に西日が入ってきて暑くなる。ブラインドやカーテンをするなどの遮光の方法もあるがそれでは薄暗くなってしまう。東側の希望者が多かったので、自分は人気のない西側の席にした。必ずしも快適そのものと言うことはなかったのだが、その席からは晴れた日にははるかに富士山を望むことができた。日にちは定かではないが、10月末頃のある日の夕方、仕事に疲れて何気なく外を見ると、富士山の頂上に夕日が沈んでゆく。完璧ではないかもしれないが、”ダイヤモンド富士”を見ることが出来た。まだ富士山には登ったことがない(車で5合目まで上がったのが最高)が、こんなに離れていてあのよう綺麗な富士山を観ることが出来たのは思いがけない得をしたように感じた。短い時間だったし、その時はカメラを持っていなかったので写真を撮ることが出来なかったのは残念だった。

仏教では浄土すなわち極楽は西のかなたにあることになっている(西方浄土)、そして、その方向の教主である仏が阿弥陀如来。そう、鎌倉大仏は阿弥陀如来像だ。そう思ってみるせいか、夕暮れ時の西の空を見ると何となくそちらの方向に死んでいった人たちが今はそこにいるのではないかと言う気がしてくる。

東海道新幹線では富士山の見える席は普通車でE席、グリーン車でD席と決まっている。飛行機と違って転回するわけではないから、同じ番号の席の見える方向は上りでも下りでも同じだ。このため特に海外からの客を東海道新幹線に案内する時で、富士山の見える席を希望している場合にはEないしD席を予約しておくことが必要だ。ただし、こちら側に座ると太平洋などの海を見たい場合には不利な席(A席がベター)となる。

太陽が地平線や水平線の下に隠れた少し後の残照は朝の雲の美しさにひけをとらない。それはこれから昇る陽を迎えるのか、あるいはあとは暗い闇の中に沈むのか、の違いだけ。

窓から見た西の空。夜のとばりの降りる前の一瞬。

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