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回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

ペルシャの誘惑Ⅱ

2020年06月27日 09時58分22秒 | 日記

先週に引き続き、BBCのドキュメンタリー番組、「Art of Persia」第二回をYoutubeで観た。今回はペルシャのイスラム教徒による征服から、その後の500年ほどを対象にしたもの。イスラム教がアラブ世界を先ず席捲し、ついにそれがペルシャにまで及んで、イスラム軍によりペルシャ王朝が滅ぼされ、それまで信仰されてきた土着のゾロアスター教(拝火教)からにイスラム教国家が成立する。

https://www.youtube.com/watch?v=ej6rrlx15Uo&t=5s

しかし、イスラム教の名のもとに侵入してきたアラブ人たちは、ペルシャ人の宗教を、それまで信仰されてきたゾロアスター教(拝火教)からコーランのイスラム教に変えることはできたが、ペルシャの文化、言葉、美術工芸、文学、習慣までを変えることはできなかった。確かにアラブ人はアラビア文字をペルシャに持ってきて、アラビア語の28のアルファベットをペルシャ語に組み入れたけれども、ペルシャ人はこれに純粋のペルシャ文字である4文字を加えて(英語で表現をするならp, ch, jおよび gの4文字)、32文字のあらたなのペルシャ文字とした。そうして、言葉としてのペルシャ語は以前のまま残ることになった。結局、アラブ人はペルシャの文化や言葉にそれを代替するようなものを提供することができなかったことになる。

そして、アラブ人の支配から再びペルシャ人の統治にとりもどすことになる。その時期に活躍した人の中には、数学、天文学、医学、語学、歴史、哲学などを究めた学者であり、ペルシアを代表する大詩人の一人オマル・ハイヤームがいる。彼は学問に秀でていながら詩的才能にも恵まれるという稀有な、いわば万能の天才であり、無常観に満ちたペルシャ語の4行詩「ルバイヤート」で今も世界的に知られている(岩波文庫他にその邦訳があり)。

文化というものはその地に住む民族に脈々と引き継がれて簡単には滅びない、政治や宗教に翻弄されても生き続ける。こういう例は世界にいくらでも見出すことができるだろう。例えば、日本については、漢字を導入してきてもそれを日本語としてとりこみ日本語として独自に発展させた、というようなことが言えるだろう。

前回のこの番組が、古代の歴史の靄のかなたからギリシャとの戦争やアレキサンダー大王の出現、ローマ帝国との激闘といった、中東の巨人ペルシャがゆっくりと姿を表してくるようなロマンあふれるものだったのに対して今回のプログラムは、そのペルシャがイスラムと言う未曽有の強大な宗教的影響力に翻弄されながらも独自の文化を守り抜いていった姿をとらえていて一層興味深い。

ターコイス・ブルー。妖しいまでに明るい緑みの青に輝くトルコ石で飾られた装飾品や工芸品の美しさには息をのむ。この美しさは、ペルシャの文化の輝きを象徴しているように思える。次回は最終回で、近代化からイスラム革命までをカバーするというから楽しみだ。

 

 

コメント (2)
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