goo blog サービス終了のお知らせ 

回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

シリア和平会議/アサド側出席表明

2013年05月25日 18時06分37秒 | 日記
ロシア外務省が発表したところによれば、シリアのアサド政権は先般ロシアと米国とで合意したシリア和平会議に参加の意向表明を行ったとのこと。反政府側は、アサドの退陣が和平会議の前提であるとして、いまのところ参加の意向表明をしていない。さらに、アサド側の出席表明がダマスカスからではなく、モスクワからなされたことにも不信感を持っている。一方、アサド側の主張は、新政権は来年予定の総選挙で国民により選ばれるべきだと。独裁者が都合のいい時だけ、「民意」を語るというのは古今東西共通な手法であり、これには欧米もすんなりとは応諾できないだろう。和平会議には出席させるが、政権移行内閣にはアサド側の参加を認めないというのが基本方針だからである。選挙に名を借りた独裁政権の延命はいくらでも例があるからだ。しかし、この米国の思惑は必ずしもロシアと共有されているものではない。
一方、反政府側もいつものことながら主導権争いばかりで国のことは考えていない。まさに目くそ鼻くそを笑う、の典型だ。

かたがた、ロシアがいつまでもアサドの神輿を担ぎ、武器を提供し続けているのは、独裁国家(ロシアも中国と同様、自覚症状があるのだろう)の西側諸国による介入の再現を恐れているもので、俗にいうリビア方式の前例をこれ以上作りたくないという事だ。来週には再度米露外相会議が開かれる。その時、ケリーは和平会議とアサドの処遇についてどのようにラブロフに説明するのだろうか。

反政府側は、内部の主導権争いに忙しくてとても代表を送ることを決めることはできないだろう。その結果、外交的解決の模索は破綻し和平は一段と遅れ、やはり力による決着しかないとなるのだろう。ロシアが支援し続ける限り、力での決着には相当時間がかかる。
流血がとどまるところを知らないシリアの現状を目の前にしてもまだ関係者が自己の利害にのみ執着するとは、人間とは実に因果なものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする