米露協調かと見えた対シリア政策だが、ロシアが最新型の地対艦ミサイルシステムYakhontsをアサド政権に提供することが判明。これで海上封鎖や反政府側への支援に大きな影響が出そうだ。ロシア側の言い分は2007年締結の既存契約の履行という事だが、その時とは状況が全く違うから、なぜいまさら提供するのかロシアの真意がわからない。プーチンを支えるロシアの軍産複合勢力による強行なのか。たしかにロシアは黒海と地中海に海軍を展開しているから、シリアをして米国地中海艦隊に圧力をかけようというのかもしれない。
しかし、いずれは、ヒズボラの手に渡ることを阻止するために、再びイスラエルがこのミサイルの輸送部隊を空爆することになるだろう。ロシアとしては何とかしてアサド以後のシリア権益を守りたいし、ミサイルは結局イスラエルにより破壊されるのであれば米国も納得、それまでを読んでのことかもしれない。